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感想|螺旋じかけの海/永田礼路

◆ 基本情報

・作品名  螺旋じかけの海【新装版】
・作者   永田礼路
・出版年  2019年12月
・ジャンル SF漫画
※ 2015年10月に講談社から出版後、契約解除。のちに作者が再編集を行い、電子書籍として配信される。

◆ あらすじ

「ヒトの線引きからあぶれた生き物を好きにしていいのなら、私も私を好きに扱っていいだろう――?」
遺伝子操作が産業として発達し、人間であることの線引きを自由に操作することすら可能となった世界。水没した街の残骸で暮らす人々の中には、人間以外の動物の遺伝子を持つ「劣った」者が存在する。遺伝操作を生業とする生体操作師・音喜多(おときた)。自身も何種もの異種遺伝子を抱え、自分を実験体にし続け生きる彼の元に、様々な事情を抱えた者たちが訪れる――。「人間と他の生物を分かつものは何か」 〈amazon より引用〉

◆ 宇宙ゴリラ的評価

・ストーリー  ☆☆☆☆☆ 5点
・イラスト   ☆☆☆☆★ 4点
・キャラクター ☆☆☆★★ 3点

合計 12/15点

◆ 総評「とにかく面白いストーリー」

 圧倒的にストーリーの出来が良い。絵とストーリーで上手く世界観を表現しており、遺伝子操作というややこしい設定がスッと頭に入ってくる。開始数ページでこの作者は漫画が上手いなという印象を持った。
 遺伝子の研究が進み、様々な分野での活用が始まった現代社会において、この漫画が示した世界は決して他人事ではないように感じた。勿論、漫画なので架空の話なのだが、どこか現実と地続きの話として捉えることができるリアルさがこの作品にはある。遺伝子操作の末に世界はどうなるのか。この漫画のように悲しさの中でも、強く生きる人たちが溢れることを願うばかり。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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