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あえて雨の日にお出かけした理由は、

雨の音で目を覚ました。
カーテンをあけると、乱暴だなぁと思わずひとりごとが出てしまうくらいの雨だった。
ずっと晴れ間が続き、明日からもまた太陽が顔を出す予定だというのに。
そのために太陽も今日休んでいるということなのか。

太陽も、と書いた。
そう私も久しぶりの日曜日が休みの日だったのだ。
なんとなく休みの日の雨は好きだ。
雨の音を聞きながら読書すると楽しい。
ゆっくりしていいんだよと、雨が言ってくれている気持ちになる。
ただ、大好きな洗濯ができないのは悲しい。

こういう日は適当に部屋を片付けた後、ゆっくりコーヒーを飲んで読書をするのが定番。
冷蔵庫の残り物を片付ければいいから、スーパーにさえ出かけない。
文字通り一歩も外に出ない日にしようと思っていた。

お昼ごはんを食べ終わる。
雨は朝より強くなってきたようだ。
はっきりした線のような雨が振り続いている。

一冊本を読み終わり、次はどうしようかなぁと考える。

ふと、散歩に出かけようかという考えが浮かんだ。
いやいや、外はどしゃ降りだよと冷静な自分が止めてくる。

だけど数十分後、家の鍵を締めている自分がいた。

あえて雨の日にお出かけした理由は、


純粋に雨の日を楽しみたかったのだ。

仕事だったり何か用事のある日は、雨の日が苦手だ。濡れるし荷物も増えるし。
だけど今日は何もない。自由気ままな日曜日。

心に余裕がある日だと見える景色が変わってくるかなと確かめたくて家を出た。

いつもはたくさん人がいる公園で、鳥の声だけが鳴り響いている。人通りも少なく、まるで世界でひとりきりのような気分だ。

ふと前を見た瞬間、目を奪われた。


雨のしずくが連なっているのが、イルミネーションの飾り付けみたいに賑やかできれいだった。

このしたたるような水滴もステキだ。

こういう外の階段の段差に苔とか植物が生えているとついつい見てしまう。

植物たちもイキイキしてみえる。
まるで水滴でお化粧をしているみたいに、普段とは違う姿でそっと佇んでいた。

深呼吸をする。
雨で冷えた空気が体に入ってくる。

   ○○○

最近残業続きで忙しくて心に余裕がなかった。
いつもなら受け流すことができることもできなくて、常にモヤモヤが心の中にいた。

そんな日が続いていたある日。
17時になる少し前、用事がありオフィスから外に出た。
今日も無駄にイライラしてしまったなと思い上を見ると、そこには真っ白な月がいた。
夜になる前のピンクと青が混ざっている夕焼けの空に浮かぶお月さまは、その日の疲れが飛ぶほどの美しさだった。

そのまた別の日。
職場の最寄り駅に着き、地下鉄から地上に出る。いつも通りの通勤路を歩いていると、秋晴れの青空に黄色と赤色が。
いつも素通りする木が紅葉を迎え、きれいな秋化粧を施していたのだ。

そういうことがあり、雨の日に出かけてみたくなったのだ。
出かけてみると、軒下で雨宿りするスズメたちや、対照的に雨を気にせず鳩がいたり、面白い景色を見ることができた。

暮らしていくために会社には行かないといけないし、ストレスが0になることって相当難しいと思う。
だけど、そんな日々でも小さな感動を見つけられるように心を外に向けていたいなと思った。

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