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【MBA】海外MBA取得後の変化と学び:実際の経験から語る

前回の記事で書いたMBA取得について。MBA取得前後では、一体どのようなどのような変化があったのか何を学んだのかを実体験をもとに振り返ってみました。

私が通っていたのは、米国のビジネススクールで、世界160か国以上から様々な生徒が集まる世界一インターナショナルなビジネススクールです。世界トップクラスの講師陣(現役起業家やコンサルタントなど)、ビジネスのケーススタディなどを通して学んでいく、非常に実践的なプログラムでした。

入学当時はコロナ禍であり、エッセイやレジュメの準備、IELTSという英語の資格取得などに苦労しましたが、本当に大変だったのは入学してからでした。海外で仕事をしながら、また入学当時の子供たちは、まだ3歳と0歳と小さく、はたして仕事・家庭・MBAを全てを両立できるのだろうかという大きな不安がありました。しかし、やらぬ後悔よりやって後悔、ということで家族を何とか説得し、思い切って大金を支払ったことで、逃げ道をふさぎ、覚悟を決めました。

1. リーダーシップ、自ら考え動く

グローバルな環境でも、入学前と比べても自分からも積極的に動いて環境を作り、会議でも発言をリード、周りとのコミュニケーションも増えて、明らかな変化があるように思います。自分の頭で考え自分の責任で決断し、分からなければ周りからのサポートを得られるようにしっかりとした関係性を構築する、かなりプロアクティブになりました。そして、自社含めた財務諸表や決算書を確認、自分なりに分析することで、マネジメント目線で会社のことをより俯瞰して見て考えることができる。日々の業務を会社のいち歯車のように感じていたものの、本当に会社が目指していることとあっているのか、つながっているのだろうかという経営的な視点が増えました。だからこそ、道に迷ったときに本当に何をすべきなのかが指針が明確となり、前を向いて進むことができています。

2. 世界と対等にやっていくという自信

国籍、考え方、年齢、肩書が違う人たちと世界で対等にやっていく自信がつきました。それと同時に、日本人にも、本来日本人が大切にしている価値観、例えば真面目さ、期日を守る、こまやかさなど、他国の人よりも得意領域があると感じました。周りと比較して何も劣等感をいだく必要はない、もっとVoice upした方が良いなどの様々なフィードバックをもらいながら、改善しつつも、今いる自分はこのままでいいんだと、改めて気づくことができました。

3. フラットと透明さ

起業家や会社の社長、世界各地のヘッドなど、自分よりも豊富な経験を持ったタレントたちも、チームでは皆仲間、同級生です。肩書きは関係なく、自分の方が豊富な経験があるからといって全く偉ぶることもなく、驚くほどみながフラット。組織の序列や肩書を重んじがちな日系企業ではなかなか得られない、この感覚を体感できたことにはとても価値がありました。自分自身もそうあるよう心がけています。

4. 世界一流の人たちからの学び

業界を超えた同士とチームをくみ、ものすごいスピードで決断、実行していく。議論での立ち振る舞い、冷静さ、論理的に即興で文章を組み立てるなど、学びのオンパレードでした。ケーススタディで、即興でどんどん交渉ごとを有利に進めていく人、皆が吸い込まれるような魅力的なプレゼンをする人、作業を進めやすいようにまずフレームワークを作るのに秀でた人、レポートをプロレベルでかつものすごいスピードで仕上げていく人、イメージしたことをすぐに可視化、資料する人、など色んな人と出会うことができました。ビジネスマンとしての在り方に大きな影響を与えています。

5. コンフォートゾーンから飛び出した経験

講義に出て議論する時も、全く歯が立たない、ついていけない、英語が通じない、時差のため昼夜逆転の生活、膨大な予習と復習、仕事・家庭・MBAの両立、など自分の快適ゾーンから飛び出した数多くの経験は、自分の心をとても鍛えてくれました。

6. ビジネスマンとしての視野拡大

技術を追求してきた自分にとって、財務・会計、マーケティング、データアナリシス、戦略、プロジェクトマネジメント、契約、ビジネスケーススタディなど、実践的プログラムを通して学んだことで、ビジネスマンとしての視野がとても広がった感覚があります。一度学んだからと言って、全てを完全に落とし込めたかといわれればそうではありませんが、コアとなる部分やコンセプトについては理解できたので、今後ビジネス、事業をするうえ自分の支えになると確信しています。

7. 人として1番大切なこと - 心

実は、これが一番の学びであり、大きな反省点でもあります。そばにいてくれた小さな子供たち、特に妻には感謝しているとともに、心身ともに大きな負担と迷惑をかけてしまい、申し訳なく思っています。心技体という言葉がありますが、一番重要かつ最も鍛えるのが難しいと言われているのが”心”。これを差し置いて、自分は”技”ばかりに焦点が当たっていた気がします。MBAを終えた後、達成感を感じると同時にある種の虚無感にもさいなまれました。

本当にこれで良かったのだろうか?MBAを乗り切るために、あのような態度や言動をしてよかったのか?

時々頭の中によみがえり、帰宅時のバスで涙が出たこともありました。”天上天我唯我独尊”、摩天楼の高いビルを見上げてずっと追い求める。自分は少し階段を上っただけなのに今度は下を見て少し安堵する。なんてくだらないことをしているのか、ただのラットレースに巻き込まれているだけではと。自分という人間を知る機会を与えられ、大きな問いを突き付けられているような感覚がしています。

さて、あなたはこの後どうする?

過去の態度や言動を後悔し続けても、今という現実は変わらない。だから、とことん反省し、どうしたら同じことを繰り返さないかを考え、前を向いて歩いていく。人生は長いようで短い、いつ何が起こるか分からない。後悔だけで時間を費やすのはあまりにももったいない。だから、これからも、自分の心を磨き続け、動き続けようと決心した次第です。

8. さいごに

振り返ればMBAは自分という人間を知り、人として成長させてくれる最高の投資であり、最高の機会でした。関係者の皆さん、最高の教授陣、世界中の仲間、事務局の方、何より家族には、心から感謝しております。ありがとうございました。


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