グラウンド・ゼロ fragments 07
夢の終焉
著:あざの耕平
それは台風に似ていた。
超大型の台風。雨ではなく炎を降らす、致命的な嵐。
気圧の変化がその接近を知らせるが如く、彼らが近付く気配は、明確に察知できた。迫り来る破滅を前に、《灰色の王》鳳聖悟は、長々と嘆息した。
「……《セプター4》は間に合わなかったか。羽張め……いや、責めるのは筋違いだな」
灰色のクラン《大聖堂》。
その中心たる教会の礼拝堂で、鳳は十字架の前に跪き、深く祈りを捧げていた。そうしながら全身で、現状に耐えていた。
わずかで