SIDE:GOLD 04-2
その日は本州全域が荒れ模様で、日本海側には季節外れな雷も観測されていた。東京においても、朝から寒さを骨身に染みこませるような霧雨が、濛々と景色を煙らせている。
屋外での集団行動には最悪のコンディションだったが、大仕事に取りかかる、という士気の高揚は、客観的な事実などものともしない。出動を控えた《法務庁法制第四局》の局員たち、育ちも性格も様々な朝食の場は、どこまでも慌ただしく騒がしかった。
呑気に遣り取りする者、
「伊与谷君~、そこの塩ちょうだい、塩~」
「はい、どうぞ。