【ピコピコ音楽レビュー その4】 Burial - Burial (2006)
こんにちは、ゴーヤです。
始まりましたピコピコ音楽レビュー。
将来的にピコピコ音楽(テクノ、エレクトロ)を鳴らしたい大学生が、ピコピコ音楽を中心に自由にレビューしていく記事となっております。
今回はBurial!!!
2022年のサマーソニックヘッドライナーを務めた現代を代表するポップバンド、The 1975 の影響元としても知られるアーティストです。
そして私が予てから敬愛するアーティスト、トムヨークとの楽曲を発表していたりもします。
この金属っぽい硬い音、エレクトロ界隈内では割と耳なじみのある音かもしれませんが、ここまでフォーカスした人はあまりいませんよね~。
しかもここまで自分の世界観を作っている。やべえ。
イギリスのロンドン出身のミュージシャンで、ダブステップを代表するアーティストの一人です。
「インランドエンパイア」や「メタルギアソリッド」等の映像作品やゲームの音声をサンプリングして楽曲を作っているとのこと。
現在はプロデュース業にも参加しているらしく、エレクトロ界隈での人気はすさまじいものがあります。
何曲か知っている楽曲はありますが、ちゃんと聞くのは初めて!
けっこーマジで楽しみです!
じゃあ早速聞こう!レッツピコピコ!!
曲別レビュー
①Untitled
なんか喋ってる、、、。(これ聞き取れないとあんま意味ない)
この反響音、これですよ。
ザラザラした、アウトローな響きの空間に入っていきました。
Burial の旅が今、始まる…!
②Distant Lights
早速金属音と、ノイズ音の畳みかけです。
銃のリロード音みたいなのと、切れ味凄まじいナイフの音がします。
これがサンプリングしたやつかな?
やっぱめちゃくちゃかっこいいですね。
ダブステップ全開、怪しさ全開。
ダーティなノイズ音に、下の方でぐにゅぐにゅうごめく低音、そして印象的すぎる金属音がマッチしてすごくエロいですね。
モノクロがホンマに似合う似合いすぎる。
③Spaceape
いきなしコラボ曲のようなものが来ました。
このボーカルも併せてソウルフルな感じがかっこいい。
電子音楽でありながらソウルを感じるし、なんならヒップホップも感じる、唯一無二な立ち位置にいますよね。
思い切り重たいドラムが気持ちいいです。
工業地帯の風の音みたいなイメージを持ちます。
曲としての展開は少なめですが、音作りの中毒性が半端ないので、もうそれでよしです。なんならスタイリッシュでかっこいいなおい。
↑
コラボ相手もダブステップのアーティストでした。
Burial 後だと全部軽快に聞こえますね(笑)
④Wounder
おい、お前、ジャンプしてみろ。
で聞こえるmoney の音がする。微弱。
二曲目のような危なっかしい鋭い金属音は抑えめでやや軽快なナンバー。
まあダンスミュージックとして聞きやすいです。
金属音怖い人はこっちから聞くといいと思います。
エレクトロな風味が濃くなってきました。
メインフレーズの機械音に、ロボットの声。
そしてエンジン音のようなものも聞こえます。
やっぱこの人はデザインセンスがずば抜けてるんやなぁ、、、。
⑤Night Bus
雨音が落ち着くアンビエントナンバー。
急にエモチル仕掛けてきたBurial さん。
よく乗りますよ。深夜高速バス。
ちょっと日本語にすると台無しかもしれませんが。
今度これ聞きながら乗りたいね。
何気に再生数アルバム内で二番目に多いです。
やっぱ皆アンビエント好きねぇ~!
エイフェックスツインと違うのはこの埃っぽさかな。
どことなく工業地帯的な雰囲気がある。
⑥Southern Comfort
刺激強めな曲復活。
中東風なドラムに鞭打つような音、そして復活したナイフ音に、車のブザー音?
なんていうんだあれ。プァーーーっていう音。
おしおきよ!みたいな曲です。
もうちょっとヘビー。
ボーカルはソウルミュージックからのサンプリングなんでしょうかね。
のちに作る楽曲ほどの空間性はまだ感じないというところ。
その代わり音数も後のものに比べると多い気がするので、そこが面白いポイントかなと思います。
⑦U Hurt Me
民族音楽っぽいメインフレーズに、それを取り囲むダークでノイジーな音の空間がタイトル通りのセンチメンタルを表現。
浮かんでは消えていくような音の流れがめちゃ儚い。
夜に聞くと吸い込まれそうになります。
民族っぽいフレーズって曲によって全然印象変わりますね。
(↓ ちなみにワイのお気に入り。ちょと民族っぽい)
ボーカルのピッチを変えたりノイズを大きくしたりしてかなり不安定です。
緩急の凄さもメインポイントですね。
ボーカルがトムヨークっぽくてちょっとRadiohead 感じずにはいられないですよね。(またかよ)
⑧Gutted
銃のリロード音だったり、弾丸を詰めるようなカチカチ音が一番聞ける曲。
個人的にはアルバム内で一番好きかもしれないです。
だって気持ちよすぎるよリロード音。曲のトーンも重すぎず聞きやすいし。
本当にゲームの中に入ってしまったような音作りですよね。
そしてタイトルも良いのですよ。
「Gut」→(魚や鳥の)はらわたを抜くだったり、破壊するなどの意味合いを持っているようです。
彼の破壊的でセンチメンタルな音楽性をよく表している楽曲かなと思います。
⑨Forgive
こんなにスケールのデカい、広い空間のシンセあんまり聞かないですよね。
粒だったアンビエントな空間がまるで嵐のようなものに吹き荒らされているようです。
不思議と落ち着く。雨音がうるさい嵐の日ほど気持ちよく寝れるみたいなことですね。
そして彼の曲で以後よく聞くようになる子供の声(多分女性ボーカルのピッチを変えてる)が現れ始めました。
何気にアンビエント多いんだな…。うれし…。
⑩ Broken Home
リズムのずれがすげえぜ。これはもうソウルミュージックのグルーヴです。
そしてバックにはめちぇくちゃ美しいアンビエントが。
もうさっきまでの不穏さはないですね。とても美しいです。
肉体的な「時間」を感じる曲。
ちょっと説明しづらいですが、かなり視点が俯瞰した方向によりましたね。
凄いです。Burial にしかできないと思うこんなの。
⑪Prayer
疾走感のあるスリリングなナンバー。
ほぼドラムがメインと言っていいでしょう。
うごめく低音が怪物で、そこから逃げているようです。
すごく怖い静けさですねこれ。
本当にホラーゲームをプレイしてるみたい。
音楽でこの緊張感を味わうとは…(笑)
⑫Pirates
六分越えの一番長い曲!
こちらも完全ダブステップでラストにふさわしいBurial な曲です。
今まで出てきた音の全部乗せですが、不思議と聞きやすい。
金属音とかいろんな音がわかりやすく、違和感なくまとまっています。
一番耳からしたら聞きやすい音してるんじゃないでしょうか。
ナイフを研いでるような音がぞわっとします。
Burial World ありがとう!
⑬Untitled
なんかボタン押した。
なんか喋ってる。
終わった。
全体レビュー
全体的にコラージュっぽいテイストのデザイン的な1st だったなと思います。
それにしても一つの音だったら背筋も凍りそうな不協和音を組み合わせて快感にしちゃってるのはやっぱもう変態天才としか言いようがないですね。
私はこの次のアルバムに収録されている名曲「Archangel」が大大大好きだったのでこの企画を組みましたが、大分この曲に繋がるエッセンスは散らばってましたね。
前半のそれこそコラージュっぽい作風、そして後半になると物語性みたいなものが入ってきて、それが洗練されていくと「Archangel」のような大名曲になるんだと思います。
個人的にはアンビエントが二曲入ってたのがうれしかったですね。
(⑤と⑨)
再生数もトップツーだったのでBurialのアンビエントサウンドはマジで信頼できます。
ゲームの中に入ったようなこの二曲もすごくよかった。
結構お気に入りの二曲です。(⑧と⑪)
ストーリー性に全振りしてる作風もメチャいいなあと、意外だなあと思う楽曲たちでした。
段々一曲一曲レビューするのがきつくなってきました。
次からどうしよーかな。
そしてそろそろ電子音楽以外にも手を出そうかなと思っています。
ピコピコ音楽マスターまでの道のりはまだ長い、、、!
では!さらばだ!