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CPGや脊髄機能を臨床に活かす考え方 レポート①

こちらは、歩行ナイトセミナー「CPGや脊髄機能を臨床に活かす考え方」のレポートになります。
「まずは基礎から知りたい!」「動画の内容を簡単に知りたい!」という方におすすめです。

前回の復習はこちら!【支持性に必要な歩行に関わる脳内機構】
➡ 【レポート①】  【レポート②】  【レポート③】

はじめに
歩行を学ぶ上で一度は聞いたことがあるCentral Pattern Generator(CPG)という機能ですが、この知識を臨床に活かせていますか?今回はCPGの機能を紐解きながら、どの部分に着目すべきかを簡潔に解説します。

※以下は冒頭部分の動画です。今回は同様の範囲を解説していきます。


1.歩行時のパターンとは

我々は無意識に効率よく歩けるように、1つの部位を動かせば連動して他の部位も協調的に動くようになっています。正常ではこれがパターン化されています。

筋活動のパターンはある程度決まっています。例えば踵が着いて、足部全体が地面に接する際(LR)に大腿直筋が働きやすくなります。LRの度に大腿直筋が働くというパターンができているのです。

脳卒中等で思うように体が動かせなくなると、連動した運動が困難になります。よって筋活動パターンも変化していきます。

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2.筋活動パターンの区分

運動ごとに働く筋が決まっていて、いくつかに分けることができます。役割ごとに分けられたり、歩行を区切って(相)分けたりすることがあります。これをモジュール筋シナジーと言います。

役割ごとに区切ると...
体重移動・・・大殿筋、大腿直筋、内側広筋
蹴りだし・・・腓腹筋、ヒラメ筋
足部クリアランス・・・大腿直筋、内側広筋、前脛骨筋
脚の減速・・・ハムストリングス、前脛骨筋

脳卒中の場合は筋を思うように動かしづらくなるため、パターンが正常とは異なってくるのです

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3.自由度の調節

坂道を歩く時や段差を跨ぐとき等は、平地で歩く時とは筋活動のパターンが異なります。正常の場合、場所や状況によって臨機応変に歩き方を変えることができるのです。

脳卒中になり、動かせる筋や動かし方に制限がでると、自由度の調節が難しくなります。環境が変化しても平地と同じようにしか歩けないため、躓きや転倒の危険が高くなってしまうのです。


4.筋活動パターンを変化させるには

脳卒中片麻痺患者様にロボットを装着し、関節運動(アライメント)を正常に近づけて歩行するという実験があります。その時の筋活動を調べると、なんと正常とは一致しませんでした

リハビリでの歩行練習中に、姿勢や振り出す足の位置のような外見を調整するだけでは、筋活動パターンは変えることが難しいのです。脳と脊髄の経路からパターンを再構築していくために、脳やCPGの機能についても学んでいきましょう。

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今回はここまでです。次回は脳とCPGの関係性について、【脳とCPGの関係】から解説していきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました!

次回のレポートはこちら!➡レポート➁

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