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大好きなバート・バカラック作品

毎日寒い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。ぐっでぃテレビのモーリーです。

昨日、作曲家バート・バカラックさんの訃報を知り、一日たった今もとても寂しい気分なのですが、湿っぽくなるのも嫌なので、今回のnoteでは大好きなバート・バカラックさんの素敵な曲を聴きながら曲の紹介と思い出話を綴ってみたいと思います。

皆さんバート・バカラックという作曲家をご存じでしょうか。バカラックの名前を知らなくても彼の書いた曲は知っている人も多いはず。まずは私が初めてバート・バカラックという名前を知ったこの曲からスタートしましょう。

Raindrops Keep Fallin' On My Head(雨にぬれても)/B.J. Thomas(B.J.トーマス)

私の中でバート・バカラック作品との出会いはこの『雨にぬれても』から始まりました。小学生の頃エレクトーンを習っていたのですが、この曲がレッスン曲にあり、穏やかで広がりのあるなんていい曲なんだろう思ったことがバート・バカラックとの出会い。発表会では志願してこの曲を弾かせてもらったのも思い出の一つです。

”They Long To Be” Close To You(遥かなる影)/ Carpenters(カーペンターズ)

本格的に音楽が好きになり出した小学生高学年頃、私の好みはアメリカンポップスから始まり、ビーチボーイズ、ビートルズと進んで60年代、70年代の曲を聴きあさっていました。

同じころドラマの主題歌として『青春の輝き』や『トップ・オブ・ザ・ワールド』なども使われており、巷ではカーペンターズのリバイバルヒットがありました。その流れで私もカーペンターズと出会うのですが、まず気に入ったのはヒットしていた『青春の輝き』や『トップ・オブ・ザ・ワールド』ではなく、この『遥かなる影』でした。

優雅でキラキラしていて、優しい雰囲気に包まれたこの曲を聴くといつも夢み心地にさせてくれます。

この曲との出会いで、バート・バカラックという作曲家を完全意識しだし、音楽の選び方がジャンルや年代だけでなく、作曲家から選んでいくという手法を覚えます(笑)その後、バート・バカラック作品をどんどんディグって行くこととなります。

(余談ですがカーペンターズとの出会いから、ポール・ウィリアムズ&ポール・ウィリアムズなどの作曲家チームの存在を知り、ソフトロック系へ、そして邦楽では渋谷系へと趣味が発展していくことにもなりました。)

This Guy's In Love With You(ジス・ガイ)/Herb Alpert(ハーブ・アルパート)

中学生になった時に私は、音楽好きが高じて、ついにCDだけでは物足りなくなりレコードプレーヤーをGETします。家にあった父が聴いていたレコードを聴きあさる毎日を過ごしていく中で、特に気に入ったレコードがこの『ジス・ガイ』。

まだ中学生だというのに、哀愁を帯びたしがない男の味といいますか、枯れた魅力のようなもの物思いにふけながら聴いていたのを思うと、私ってかなり感覚が更けていたのかもしれません(笑)

Do You Know The Way To San Jose(サンホセへの道)/Bossa Rio(ボサ・リオ)

レコードプレーヤーをGETして以来、家にあったレコードだけでは物足りずついに中古レコードを買いあさる日々がやってきます。当時はまだもちろんサブスクなどもなく、より深く古い音楽を聴きたければ、マニアックな専門番組をラジオで聴くか、タワーレコードやHMVなどの外資系CDショップに行って輸入盤CDをGETするしかありませんでした。

それでも聴けない曲というのが山ほどあり、特にシングルヒットしか持っていないグループの曲などはなかなか簡単に聴くことが出来ませんでした。

当時バート・バカラックと共にお気に入りだったのが、『マシュ・ケ・ナダ』でおなじみのセルジオ・メンデス&ブラジル'66。セルジオ・メンデスはこの前に紹介したハーブ・アルパートとジェリー・モスが設立したA&Mレコードのアーティストで、他にはバート・バカラックやカーペンターズも所属していました。

そしてこのボサ・リオももちろんA&Mレコードからのアーティストで、セルジオ・メンデス&ブラジル'66の派生グループでした。(確かセルジオ・メンデスの奥様がボーカルだったグループだと思います。)

そんな話をどこかのラジオで聴いてから気になっていたこのグループのシングル盤を中古レコード店で見つけGETして聴いて超気に入ったのがこの曲。

『サンホセへの道』は様々なグループやアーティストが歌っていますが、このボサ・リオバージョンが軽快で楽しくて一番私好みです。

Alfie(アルフィー)/Cilla Black(シラ・ブラック)

バート・バカラック作品で名曲はたくさんあるのですが、中でも名曲の一つとして挙げられることが多いのがこの『アルフィー』。『アルフィー』の定番といえば、バカラック作品をたくさん歌っているディオンヌ・ワーウィックバージョンなのかもしれませんが、私が最も好きな『アルフィー』はこのシラ・ブラックバージョン。

youtubeを見ていると、歌うシラ・ブラックをはじめ、指揮を振るバート・バカラック、そしてその奥にはビートルズのプロデューサーで有名なジョージ・マーチンの姿もある映像がありました。

シラ・ブラックの朗々と感情を高ぶらせながら歌い上げる『アルフィー』は最高です。バート・バカラック作品には都会的な洗練された世界の中にある孤独のような雰囲気があるように感じます。キラキラした中にある淋しさっていうんでしょうか、うまく表現できませんがそんな雰囲気がこの曲にもあるような気がします。

I'll Never Fall in Love Again(恋よ、さようなら)/Elvis Costello(エルビス・コステロ)

オースティン・パワーズって映画をご存じですか?私はじっくりと見ていないのですが、当時結構流行っていてこの映画のワンシーンがテレビで流れたり、この映画のパロディなどもバラエティ番組でしていたような気がします。

この映画、私好みの曲が結構取り上げられていて、ラジオを聴いていてもオースティンパワーズの話題から洋楽が流れるみたいなことがよくありました。

この曲はもともと60年代の曲で、様々なアーティストによって歌われている曲なのですが、今回はオースティン・パワーズからエルビス・コステロバージョンで紹介します。

90年代後半から2000年代にかけてバート・バカラックはエルビス・コステロと積極的にコラボして曲を出していています。

Blue on blue(ブルー・オン・ブルー)/Bobby Vinton(ボビー・ヴィントン)

話は60年代に戻り、意外とバカラック作品を歌っているアーティストに、ボビー・ヴィントンがいます。ボビー・ヴィントンは『ミスター・ロンリー』や『ブルーベルベット』で有名な60年代のアメリカンポップスシンガーで、暖かくしっとりと歌い上げるボーカルスタイルが特徴的です。

ボビー・ヴィントンが活躍していた時期はちょうどビートルズが登場する時期と重ねってしまったので、60年代に活躍したアーティストなのですが、テイスト的には50年代の雰囲気があります。

この曲はバカラック作品で、初期のバカラック作品の難解なながらもポップなメロディラインが楽しめます。

Roses are Red(涙の紅バラ)/Bobby Vinton(ボビー・ヴィントン)

ボビー・ヴィントンからもう一曲、私のお気に入り曲を紹介します。この曲も1962年の曲ですが、雰囲気的には50年代の雰囲気を持った曲です。

カントリーチックな哀愁のあるアレンジが印象的なこの曲は、ティーネイジポップ然とした世界観で古き良き時代を感じさせてくれます。アメリカンポップス好きならきっと気に入り一曲です。

Arthur's Theme "Best That You Can Do"(ニューヨーク・シティー・セレナーデ)/Christopher Cross(クリストファー・クロス)

邦題は『ニューヨーク・シティー・セレナーデ』となっていますが、原題は『Arthur's Theme "Best That You Can Do"』。邦題の方がしっくりくるのは私だけでしょうか。

アーバンな雰囲気に包まれたこの曲は80年代のバカラック作品の中でも最高傑作になるのではないでしょうか。

最後の歌詞が超お洒落でかっこいい。

If you get caught Between the moon and New York City
もしあなたがニューヨークの街とお月さまの間に挟まれたなら
The best that you can do
あなたにできることは
 The best that you can do
そうあなたにできることは
Is fall in love
恋に落ちること

Arthur's Theme (Best That You Can Do)より抜粋

あとがき ~2008年 バート・バカラックコンサートでの思い出~

いかがだったでしょうか。バート・バカラックは1950年代から活動をはじめ60年代、70年代、80年代、90年代、2000年代と長きにわたって活躍してきた作曲の一人です。

彼の作風は今聴いても全く古さを感じさせない、お洒落かつ琴線を揺さぶる気品のようなものに包まれています。

私はラッキーなことに、2008年に大阪フェスティバルホールでバート・バカラックさんのライブに行くことが出来ました。当時もうすでに79歳でおられましたが、ピアノを弾きながら語り掛けるように歌う姿はダンディズムの塊でした。

曲と曲の合間には観客に向けて深くお辞儀をする姿が印象的で、やっぱり偉大な人は立ち振る舞いまでもとにかくかっこいいんだなぁなんて思ったことを覚えています。

バート・バカラック作品との出会いは私にとって音楽の幅をめちゃくちゃ広めてくれました。ポップス・ロックだけでなく、ボサノバ、ワールドミュージック、スタンダードジャズなどなど幅広く新しい世界への道を切り開いてくれました。

新しい世界を知る楽しみ、新しい感覚に触れる喜び、そして違う角度からの価値観など色々なことを知れば知るほど、人は優しくなれ、寛容になれるような気がします。まだまだ未完成の私ではありますが、そんなことを音楽との出会いから学んだような気がします。

バート・バカラックさん色々なことを感じさせてくれ本当にありがとうございました。これからもあなたの音楽を聴き続けたいと思います。

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