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動画撮影の時、意識していること

動画を撮影していても、なぜか良いカットが撮れないんだよなぁ。
なんて思っている方も多いはず。

いかがお過ごしでしょうか。ぐっでぃテレビのモーリーです。

動画を撮影している時、どこをどう撮影しようか『迷い』が出ることってありませんか。長年映像を撮影していても『迷い』が出ることがないわけではありません。

『迷い』を感じる時って、なかなか『良いカット』が撮影できないもの。
今回は私が動画撮影を行う際に、『迷い』を起こさせず、出来るだけ『良いカット』を撮影するために意識している点を簡単にまとめてみました。基礎的なことをシンプルにまとめたので、「これが動画撮影の全てだ!!」というわけではありませんが、少しでも役に立てば幸いです。

『良いカット』の定義とは

『良いカット』の定義って難しいですよね。
『良いカット』に絶対性はなく「絶対これ」といった定義はありません。時代や流行によっても表現の仕方は変わり『良いカット』とされる定義も多少変わってきます。

それでも『良いカット』の普遍的な部分といえば『何を見せたいのかがはっきりしているカット』なのかなぁって思っています。

具体的に言えば、説明がなくても伝わるカット。そして内容だけでなく、空気感や香りを感じるカットみたいな感じかなぁ。

撮影をする時、全体の流れと共に『その被写体のどこを見せたいか。』『どの部分を強調したいのか。』などを考えながら撮影すると、少なくとも自分の意図したカットをだんだんとを撮影出来るようになります。

一つのカットで見せたいもの(ところ)を絞ろう

撮影をするときに気を付けておきたいポイントは、『一つのカットに見せたいところは一つ』というところ。このことを心がけて撮影をすると徐々に『良いカット』を撮影することが出来るようになると思います。

例えば新入社員が初めて出社する朝を表現したい場合の例はこんな感じ

真新しい革靴

真新しい鞄

着慣れていいないスーツの後ろ姿

自宅のドアに手をかけドアを開けるシーン

このようにワンカットずつ丁寧に積み重ねていくことで、カット達がその様子を物語ってくれます。つまりOne cut(ワンカット)=One meaning(ワンミーニング)にすることで『何を見せたいか』が明確になり見ている人はその様子を理解しやすくなります。

カットごとにメッセージを含ませよう

ちなみに映像を作る際に、ワンカットで映像を作るのは難しい部類に入ります。(実はワンカットで作った映画なんかもあったりするので、そういう表現方法もあったりします。)
なぜ難しかというと、ワンカットに情報が多すぎて、いったいどこを見せたいのかが明確に表現しづらいためです。

一方ワンカットずつカット割りすることで、カットごとに何を表現するか役割分担することが出来ます。

ではカットはどう積み重ねればよいのでしょうか。
私が映像を作る際に意識しているのは、そのバックボーンをやんわりと表現することを意識して、カット割りを考えています。

例えば先ほどの新入社員が初めて出社する朝のシーンをさらに掘り下げたシーンにしたいのならこんな感じ。

棚の上に飾られた学生時代の思い出の写真の数々
(あぁついこないだまで楽しい学生生活を送っていたんだなぁ)

無造作に置かれた卒業式に後輩からもらった寄せ書き
(昨日の晩にでも眺めていたのかなぁ)

引っ越し会社の段ボールの山
(おっ上京してきたのかなぁ)

空いている段ボールの中から見えるデザイン関係の書籍やスケッチブック
(デザイン関係の仕事に就いたのかなぁ)

パンをかじりながらジャケットを羽織る様子
(学生気分が抜けないけれど大人になろうと努力している)

真新しい革靴のひもを結ぶ様子

真新しい鞄に手をかける様子

背中越しから自宅のドアに手をかけドアを開けるシーン

もちろん表現方法やカット割りの方法は人それぞれ違うと思いますが、このように一つ一つの内容を丁寧に積み重ねていくことで、行動以外のバックボーンまでも感じ取れる映像となります。

ムード(ニュアンス)も意識しよう

またカットの絵作りやカット割りのテイストで、伝えたいムード(ニュアンス)も含むことが出来ます。

例えば、『棚の上に飾られた学生時代の思い出の写真の数々』の場面でも、優しい春の木漏れ日の差し込むシチュエーションでゆっくりとカメラをスライドさせながら撮影したカットを差し込むのと、飾られた写真を2~3カットに分けて素早く切り替えたカット割りとして差し込むのとでは、ムード(ニュアンス)が異なります。(前者は穏やかなムード(ニュアンス)で、後者は活発で元気なムード(ニュアンス)になります。)

絵作りはもちろん、映像は写真と異なり動くので、被写体を動かすだけでなくカメラを動かしたり、カット割りでリズムを作ることで、その映像作品のもつムード(ニュアンス)を表現することもできます。

この映像の絵作り、タッチは基本的に全編を通じて統一感を出した方が、視聴者は安心してみることが出来るので、撮影する際はある程度、どんなタッチにするかを意識しておいた方がいいと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。最初にもお伝えしたように『良いカット』の定義って本当に難しいです。また時代や自分のテイストの変化によってもその定義は変わります。(昔はカット割りしまくってたけど、今はある程度カット割りが少なくなっているなど時代の変化などで多少の変化はあります。)
とはいえ、撮影中にちょっと編集を意識するだけでも『良いカット』を収めることが出来る率を上げることが出来ると思います。

【良いカットを撮るために意識すること】
◆ 
一つのカットに見せたいところは一つ
◆ バックボーンが分かる無言のメッセージを含ませよう(全てカットになくてもOK。そういう要素のあるカットがあると想いやストーリーが伝わりやすい。)
◆ ムード(ニュアンス)に合わせた絵作り、カット割りを意識しよう

まずは撮って、編集して、見たり・見てもらったりを繰り返すことが大切です。後は他の人の色々な映像を見ることも大変勉強になりますよ。

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