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SDGsセミナー後座談会【後編】 ~SDGsへの関心アリ・ナシ双方の若者から見たSDGsへの率直な意見~

このnoteのポイント
・エシカルかどうかよりも、品質や見た目重視になってしまうのが本音な若年層
・自分の貢献は可視化されていると嬉しい
・普段の買い物でも、大切な一つを見つけたい
・全面的なメッセージよりも、当然のように新しい価値観を取り入れているのが好印象

読者の皆さま、こんにちは。
Good Tideチームメンバーの山下です。

11月26日に、『若年層に響くSDGsコミュニケーションの考え方』をテーマにトライバルメディアハウスとSHIBUYA109 lab.でセミナーを開催しました!ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

セミナーの内容についてはトライバルのnote記事にまとまっておりますのでぜひこちらもチェックしてください。

セミナーを聴講してくれたトライバルメディアハウスの若年層メンバーに、SDGsセミナーを見て感じたところを率直に話してもらいました!
前編では、セミナーで紹介した【事例やトレンド】について、SDGs関心層・非関心層それぞれの意見をご紹介しました。

後編では、SDGsの達成に向けて努力している企業のモノ・サービスを購入するか?という【消費】視点でSDGsについて語ってもらいました。

若年層のSDGsに対する率直な意見、特に若年層向けにSDGsメッセージを発信したい企業にとって、とても興味深い内容になっていますのでぜひ読んでみてください!

参加者は前回に引き続き、

ファシリテーター:幡谷さん(1年目)
関心層:奥住さん(3年目)、舩山さん(1年目)
非関心層:東宮さん(1年目)、小島さん(1年目)
セミナー登壇者:平井さん(1年目)、山下(2年目)
※以下、敬称略

というフレッシュなメンバーでお送りします!

前編の最後では、アタックZEROの洗濯男子のCMが素晴らしくても、陳列棚にあったら買うかどうかはわからない……という話がありました。後編はその続きからお話ししていきます。

エシカル消費をどう捉えているか

幡谷:普段は、ソーシャルグッドな消費とかエシカルな消費を意識しながら買い物ってしていますか?

奥住:いろんな社会課題に興味はあるものの、それが消費にまでは至らないかなぁ……。社会課題関連のYouTubeが好きとかそういうのはあるけれど、それが消費となると安い・かわいいに寄っちゃう……なぜでしょうね(笑)。

山下:セミナーに登壇してくださった109 lab.の長田さんも、話の中で関心層でも消費行動には移りづらいとおっしゃってましたね。

奥住:オーガニックとかは好きなので、オーガニックの虫刺されスプレー買ったんですけど全然効かなくてめっちゃ刺されて(笑)。そういうエシカルを重視しても、品質が保たれていない(商品としての役割を果たしていない)体験を何回かしてしまったんですよね。

ソーシャルグッドなのはわかるけど、今はそんな(値段や効果を無視できる)余裕はありません、みたいな。限度ある予算の中で買うってなると、やっぱり品質を重視しちゃうかなぁ。

山下:私も以前、オーガニックの香水買ったんですけど、30分くらいで香りがなくなっちゃって……。あとは、リップクリームも塗ったのにガサガサのものとか。オーガニックのお店で買いたいけど、品質が不安でレビューを漁ることはよくあります

奥住:私もオーガニックコスメのお店で化粧落としを買ったんですけど、全然落ちなくてずっと顔洗ってました……(笑)。そういった商品やエシカル消費が社会的に大事なのはわかるんだけど、品質もちゃんとしてほしいなって。

まだまだ私たちの消費の力は微々たるものだと思うし、これからみんなで意識変えていこう! っていう流れになるんだろうけど、正直「私がオーガニック商品を買ったとしても、世界は平和にならないよね?」とは思ってしまう部分も。

山下:現実的(笑)。

奥住:というか利己的ですね(笑)。

幡谷:確かにコスメとかは身近なものだから余計に慎重になる、というのはありますよね。

貢献度を可視化してほしい

奥住:あとは、もっと自分の貢献度が見えたらいいなって思う。「いろはす」のペットボトルがユニクロのフリースになったじゃないですか。消費してくれた「いろはす」は、リサイクルしたらこうなりましたよって見えるのが良いなって。オーガニックとか地球にやさしいですって言われても、結果(貢献度)が見えないと買うのは諦めちゃうかも。

幡谷:オーガニックやエコってワードだけを情報訴求に使うのは、割ともう廃れてきたというか……時代にそぐわない状態になってるのかもしれないですね。

貢献のリターンは、自分じゃなくてもいい派と自分に欲しい派

平井:皆さんはリターンについてどう考えてますか? 自分に返ってこなくてもいい?

奥住:貢献できてるってことが分かるなら、自分へのリターンはなくてもいいかな。

平井:私は、逆に自分へのリターンがないとなかなか行動しづらいかも。ペットボトルをショッピングセンターなどに持って行くとポイントが貯まる、みたいな仕組みだと「行動しよう!」ってなる。募金とかは、結局お金がどこに行くか不安だし。

幡谷:なるほど。今までのお二人の話はミクロな視点での見方だと思うのですが、逆にマクロな視点を持つ舩山さんはどうでしょう?

舩山:私は、東日本大震災の被災地域の出身なので、被災地への募金は積極的に行っています。

ですが、最近あったオーストラリアの森林火災のように自分からちょっと遠い場所で起こっている問題に関しては、私がやったところで……って思ってしまう気持ちもあります。もしその地域に繋がりがあったら、例えばその森林火災があった地域に親友がいるとか、行ったことがあるとか、そういった縁があったら違うかもしれないけど。繋がりがないならリターンがあっても行動できなかな。でも、チョコは好きだから、フェアトレードのものを買ったりします!

幡谷:どういうときに「今日はフェアトレードのもの買おう!」ってなりますか?

舩山:カルディに行ったとき。

みんな:(爆笑)

幡谷:なるほど。確かに、カルディは“そういうものを買う(買える)場所”と捉えられているかもしれないですね。

舩山:はい。ちょっと高いけれど、お金が潤ってる時はカルディに行って少しでも貢献してます!

普通のお買い物でも「良いものを買う」という変化が

幡谷:非関心層のお二人に聞きたいのですが、普段買い物をするときはどのようなことを考えてますか? 奥住さんが言っていたように「失敗したからこれは買わない」とか、何か変化した行動ってありますか?

東宮:ありますね。以前は韓国に行ったら安い韓国コスメを爆買い、みたいな消費をしていたけど、社会人になって定期的にお金が入るようになったら、たくさんのモノにお金をかけるよりちゃんとしたブランドの良い商品を一つ買った方がいいな、と思えるようになって。

韓国のプチプラコスメは良いモノもあるけれど、たまにハズレもある。そのハズレを引きたくないから、日本でちゃんと買った方がいいかなっていう考えになったかも。

幡谷:それってめちゃくちゃエコですよね! 言ってみたら、ムダにならないように、ちゃんとしたものを買うということですよね。そこに意識がないだけで行動としては別の文脈だけど、最終的にエコにつながっているっていうのはありそう。

東宮その意識がないだけで、気づかないうちに行動には落とし込んでいたというか。世の中にそういう流れができているっていうのは今回セミナーに参加して気付いたんですけど、そこに自分は自然と巻き込まれていたんだなと(笑)。意識したかどうかの問題じゃなくて、気付いたらSDGsの考えが刷り込まれていたというか。こういう状況が当たり前になったら、私たちの下の世代ももっと意識して行動するだろうし、そうしたらめちゃめちゃ良い世の中になると思う。

幡谷:いま、僕たちはちょうど転換期にいるのかもしれないですね。

東宮:私たちがバブルを知らないからお金を使わないのと同じように、下の世代は便利を知らなければそれが当たり前になる。プラスチックのストローなんて知らないから使わない、みたいなことになるのかも(笑)。

便利さを知っているからこそのSDGsへの抵抗も

幡谷:同じく非関心層の小島さんは、どうですか?

小島:東宮さんの話を聞いて、すごい共感しました。私はスタバで働いていたからストローがあるのが当たり前で、その豊かさや便利さを知っているからついていけなかったんだなって。でも、私はコーヒーの美味しさを優先したいなって思っています。

悩んでいるのは、友だちとスタバへ行ったときに私がプラスチックストローを頼むと「なんで?」と聞いてくる友人が多いこと。プラスチックストローを使うのも、紙ストローを使うのも“選択”であって、押しつけられるのはちょっと苦しいなって思っちゃう。

東宮:確かに、SDGsの発信をネガティブには感じないけど、押しつけられるのは嫌かも。こっちも気が向いたらやるし! っていう気持ち。

受け入れやすかったSDGs関連のメッセージの事例

幡谷:SDGsに関する発信でいうと、企業のメッセージや行動ってアピールと捉えられたり抵抗を持たれたりすることもあると思うんですが、皆さんはどう感じますか?

小島:パンテーン(P&G)の「#HairWeGo」はすごく覚えてる。貝印の「#剃るに自由を」のメッセージは、必ずしも自社の利益には繋がらないと思うのでちょっとアピール感が強いかな、と感じる部分も。パンテーンはちゃんと商品と繋がっているから、スッと入ってきたしメッセージにも共感できた。

幡谷:企業の利益に繋がらないという印象を与えるかどうかで、そんなにメッセージの受け取り方が変わるんですね。

舩山:LUX(ユニリーバ)の、性別欄がない履歴書のプロジェクトについても最近感動しました。私は性的マイノリティではないから、共感っていう気持ちは生まれないけど、履歴書を変えることで企業側が性的マイノリティの方を受け入れていて、そして性的マイノリティの方々も受け入れられたことで安心できたという話に感動し、好印象を持ちました

先ほどの髪型の施策は自分は共感する立場として好印象を持ったけれど、共感だけでなく感動をもたらすことで好印象を持ってもらうメッセージの形も、コミュニケーション方法としてあるのかなと思います。

奥住:私が印象的だったのは、BARTHのピールオフ広告でした。

舩山:好きに商品を取っていける広告で、新宿駅構内の壁をジャックしていたんですよね。入浴剤によって睡眠の質が良くなるというテーマでしたが、その広告に載っている人が男女のカップルだけではなかったんです。

奥住:そう! マイノリティの人たちに向けた直接的なメッセージではなかったけれど、当事者の方たちもハッピーだし、周りのみんなもハッピーになるような事例だったのではないかな、と思います。

終わりに

幡谷:皆さんありがとうございました! 想定していた内容とはまったく別方向の話もたくさんあり、実りある時間となりました。もうSDGsが意識せずとも刷り込まれている時代になってきている、というのは座談会の一つの学びでした。ありがとうございます。

みんな:ありがとうございました!

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いかがでしたでしたか。
若者はSDGsに前向きという流れがある中でも、一人ひとり向き合い方は違っていたり、スタンスは違っていたりすることが、この座談会を通して見えてきました。

また、コミュニケーションの事例においては、マイノリティへのメッセージを強く出したわけではないBARTHの事例に関して好意的であることから、すでにLGBTQを当たり前として受け入れている段階にあることもわかりました。

ぜひ、前編のnoteと併せてSDGsに関する施策を実施する際に参考にしていただければと思います。ご相談があればぜひお気軽にご連絡ください!  

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