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I miss youになりたい時。

一人暮らしを始めて7年が経つ。

相変わらず料理のレパートリーが増えることはないけど、一人で朝起きて、朝ごはんを作って身支度を整えて、毎日会社に行って仕事する。帰ってきたらお風呂を沸かして、夕ご飯を作る。ベッドに横になって、明日は洗濯をしなきゃ、ゴミを出さなきゃと考えながら眠りに落ちる。

当たり前のように生活をして、自分のことは自分でやってきた。

これからも一人で生活しなよ、と言われても簡単にできてしまうし、むしろ一人の方が気楽で好きなことできて良いのでは、とも思う。


だけど時々、誰かの特別になりたい時もある。


先日友人夫婦と数人で久しぶりにご飯を食べた。本当に久しぶりで、それに私はその日仕事がどうなるか分からなくて五分五分の状態だった。なんとか仕事を終えて合流した時、友人夫婦の旦那さんから「I missed you~~!」とハグをされた。(彼は外国出身です)

妙にびっくりした。なんだ私って「I miss you」な存在だったのか。

誰かに大事に思われたり、優しくされたり、私だけを見て話してくれるようなことは意外と日常には転がっていない。

でも、そんな毎日は当たり前になっていたし、一人で生きていくことに何の抵抗も無くなってしまった私に、久しぶりの「特別」なできごと。

綺麗な歌では「きっと誰かが見ている」と、「あなたは特別な存在だ」と言ってくれるけれど、それは本当なんだろうか?誰にとって、特別な存在だと言えるんだろう。それは、いつまで待てば気付くことができるんだろう。


もう無邪気に笑うことも、当たって砕けるスピードで立ち向かうこともできなくなってしまった大人な私。地面にめり込むほど自立してしまった私。

例えば、大勢の人が行き交う道路のガードレールに腰掛けて、道ゆく人を眺めているような気持ちで毎日を過ごしている。大きな波から抜け出てしまって、でもそこが心地良くて、どんな人が歩いているんだろう、どんな人生があるんだろうと見物している。

寂しくなったら夜に泣いて、つまらないSNSを片っ端から眺めて、好きなアイドルの動画ばかりを見て、なんとなく毎日に折り合いをつけて。

だけど急にその大きな波に引っ張り込まれたような、そんな感じ。


私は一人で生きていく。生きていくんだけど、誰かの特別な存在になりたい。

そんな夜もある。


「愛されたい」「必要とされたい」と思う私は、格好悪くない。そう思う私も、私だから。全部ひっくるめて、私として生きていくしかない。

誰の手も借りず媚び売らず脇目もふらず生きていくことが、本心とかけ離れながらそう正して生きていくことが、「強くてかっこいい女」ではないと、私は思う。

そういう時もあるよねって、そんな夜もあるよって、自分を理解していきたい。

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