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神戸空港と高橋さんのはなし

6月上旬、所用があって数日実家に戻っていました。
実家に戻る時はいつも、飛行機を利用します。
ちなみに、実家から一番近い空港は伊丹空港。
伊丹空港は関西空港に比べると、
大阪の中心地「梅田」に近く、便利な位置にあります。
そんなこともあってか、使い勝手のいい時間帯で
チケット代が高いのも、大体、伊丹空港発着便です。

まぁ、実家に戻るだけなので、時間の制約は特になく、
とにかく、できるだけ安いチケットで、そして、
関空は遠いから選択肢から外して・・と考えると、
どうしても、神戸空港を利用する流れになります。

神戸空港って、利用したことありますか?
2006年に開港した空港です。
出来てすぐの神戸空港を利用した、
当時、仕事で一緒だった関西人が
「神戸空港めーっちゃ、ちっちゃかってん。」
って力を入れて言っていたのを思い出します。
実際に、私も初めて神戸空港に降りた時、
「わ、ちっちゃ。」
って言ってしまいました。
大体、建設段階から、
「関空と伊丹あるのに、関西にもう一つ空港って要る??」
なんて、勝手なことも言っていました。

ちっちゃい神戸空港には搭乗口が5か所のみ。
そして、1階が到着階、2階が出発階、
3階は洋食屋さん、セルフうどん屋さん、コーヒーショップの
3店舗があるレストラン階、4階は展望デッキになっています。

それはそうと、タイトルにある高橋さんの話。
高橋さん、と言っていますが、全く知り合いではありません。

神戸空港で、自宅に戻る飛行機の便を待っていたときのことです。
搭乗口付近の椅子に座り、
外を眺めていると、ソラシドエアの飛行機が目に入りました。
ソラシドエアの飛行機は、この時初めて見ましたが
他の飛行機よりやや小さめに見えました。

同じフロアの一番端の方に
ソラシドエアの搭乗口があるようでしたが
誰も人がいない様子から察すると
ソラシドエアはすでに機内にお客さんを乗せた
出発時間に近いタイミングのようでした。

まぁ、出発時間直前のいたって普通の様子なので何も気にせず、
手元にあるお土産袋の中身を整えていると

「ソラシドエア127便、沖縄へご出発のたかはし様、たかはし○○様、
6番搭乗口までお越しください」
と、急いだ口調のアナウンスが流れました。

「あれ?、そういえばこのアナウンス、さっきも聞いたような気がする、
これ何回目?」
と、思っていたら、

「高橋様ーー!沖縄へご出発のたかはしさまぁーーー!」
と選挙さながら、名前を連呼して、
フロアの端から端まで駆け抜けていく人が1人いました。

かなり必死の模様。

この方は、小さな神戸空港のフロアを
高橋さんの名前を言い続けながら、何度か往復していたのですが
結局、高橋さんは見つからなかったようで
気付くとソラシドエアは滑走路の方に移動していました。

「あぁ、たかはしさまは沖縄に行けなかったんだなぁ。」
と思いつつ、ソラシドエアのいなくなった搭乗口付近を
なんとなく眺めていました。

それにしても、飛行機に乗り遅れそうな人を探す職員の方って
時々見かけますが、一番必死だったような気がします。
そして、高橋さんも知らないところで、こんなネタにされるなんて
きっと思っていないことでしょう。

開港当初は小さいだとか、必要なの?とか
けちょんけちょんに言っていた神戸空港ですが
何度も利用すると、小さいところがお気に入りになりました。
コンパクトでいい。ワンルームとまでは言わないけれど
一目で全てが見渡せるような、
ワンフロアで家族全員が見渡せるような、そんな作りがいいです。

そして、空港からポートライナーに乗って
神戸に行くときに見える港の景色。
この時位しかポートライナーに乗ることはないのですが
不思議なことに、
あぁ、戻ってきたなぁって思うようになりました。

小さな神戸空港万歳。
これからもよろしくです。
そして、高橋さんが何らかの手段で
無事に沖縄に着いていることを祈りたいと思います。

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