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YouTube配信、安価な物づくり、お客さんサービス/ 初めてトライしてみた沢山のチャレンジ : ベトナム編②

世界的なコロナウィルスの影響のなか、海の向こうの福祉系団体さんたちの新しい取り組みを教えてもらっています。

ずっと続けていた子どもたちへのアートクラスが中止になり、そして洋服や雑貨の売上も激減してしまったベトナムの社会福祉系企業のTohe(トーへ)さん。

「今の時代にあっていて、もっと子どもたちやお客さんに喜んでもらえるサービスやものってなんだろう?」

と、今必要とされているものをうみだすために、これまでの仕事に1つひとつ手を入れ、変えていくことにしました。

家にいても健康的&クリエイティブに

まずは在宅で過ごす子どもたちのために、おうちでも学べるオンラインアートプログラムを始めました。

「参加者の人にはステイホームの状況になっても、健康的で元気に活動を続けるように励ましたかった。」とToheの代表Vanさんは言います。

そのため、わざわざ外に買いに行かなくても手にいれることができるもの、たとえば毎日の暮らしから出る段ボールやペットボトルなどのリサイクルアイテム、そして紙、葉っぱ、野菜、など身近なものでアート作品を創作できるカリキュラムを始めました。

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そして、フィットネスやヨガ、楽しいゲームビデオをどうやったら自分で作れるのか教えてくれるコンテンツなど、ロックダウンで学校に出席できない子どもたちに、お家にいてもモチベーションを保って健康的に日々過ごせるようにプログラムをつくりました。

そして特に力を注いだのが、全ての子供たちが自由にアクセスできるようビジュアルアートや物語形式のアニメなどのYouTube動画制作です。

Tohe チャンネルではすでに多くの動画が投稿されていて、例えば「お金をかけないで簡単にクリスマスツリーを作ろう」という動画では、材料はいらない本など家にあるものだけ。

家の中にある本を台の上に積み上げて、

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アルミホイルをまるめたボールに紐をつけて

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電気をつけるだけで

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こんなに幻想的なツリーが作れます。(動画:安く簡単に作れるクリスマスツリー/ How to make Christmas tree from books easy and cheapより

他にも、使い終わったトイレットペーパーの芯や段ボール、ストローなど、

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どこにでもある材料で

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子供たち大喜びの2階建の駐車場ができ上がり!(動画:スーパーすごい駐車場の作り方/  How to make SUPER PARKING LOT for kidsより)

もっと喜んでもらえるものを作りたい

それから見直したのは今まで販売していた商品です。

Toheは障害や貧困など困難を抱えるこどもたちが描いたアート作品などを商品に展開して販売していました。

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たくさんのオリジナル商品が並ぶ Toheオンラインショップ

ウィルス感染症が広がり、大きく変わった社会。先が見えない状況だと、今まで商品をよく買ってくれたお客さんも、本当に必要なものかどうか見極めて、慎重に購入するようになります。

「コロナウィルスの影響で、私たちのほとんどのお客さんの収入が減少しました。もっと値段の安い製品をつくるために、今までのデジタル印刷をやめて、シルクスクリーン印刷の技術に切り替えているところです」

値段の見直しだけでなく、新しい商品も作り始めました。

その1つがおもちゃ。

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特に、その中でも力を入れたのが家にいても楽しく家族と遊べるようなボードゲームでした。ボードゲームは何種類も作り、ドミノやパズルと行った定番のものに加えて、楽しみながら感染対策の方法を勉強してトレーニングできる教育系ゲームもつくりました。

そして自分で作れる3Dの動物ランタン のおもちゃも販売しました。

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(左) 子どもたちが自分で作れる動物ランタン (右)ボードゲーム

材料も見直しました

新しい商品開発とともに意識したのは素材です。

「全ての新しい商品に共通しているのは、紙素材だということです。段ボール紙は安価で、子供たちにとって安全です。かんたんに加工ができます。」

と、話すのはToheの代表 Van さん。

バッグや洋服なども全く新しい素材でつくることも試作しています。今必要とされているものといえば、抗菌作用のある布。今まで一度もつくったことのない初めての試みながら、そうした布でマスクや洋服を作成しています。

洋服はよりユニセックスで機能的なものを目指し、今リサーチと開発に力を入れているとのことです。

こうした新しい製品の中で、Toheの職業訓練を受けている自閉症の生徒さんたちは、直接布に刺繍をするお仕事をしてくれる予定です。

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子どもたちは約1年間のトレーニングを受けて、そのあとは自分でお金を稼げれるようになります。

もっと喜んでもらえるカスタマーサービスを始めました

Toheの挑戦はこれだけで終わりません。

国内でToheの製品を買ってくれたお客さんにもっと喜んでもらえるサービスを始めます。個人の消費が手堅くなったとはいえ、ベトナム国内での売れ行きは、完全に輸出や販売が止まってしまった空港店や国外の売れ行きに比べると順調でした。そこで、国内のお客さんへのサービスを強化しました。

その1:オンラインで買ってもらった後、7日間は返品無料。
その2:国内の全ての注文は無料で配送。
その3:商品についての相談があったら、夜10時までカスタマーケアーサービスの無料ホットライン電話が対応。
その4:毎月サプライズギフトをプレゼント
その5:プレゼント用のギフトボックス&カード&ラッピング料も無料。

新しくいろんなことにトライした結果は、どうだったんでしょうか? 

(次回に続きますー)

*この記事はオンラインでの「コロナ禍における障害のある人の仕事づくり情報交換会」イベントの番外編です。「同じ状況だった海外の団体にも話を聞いてみよう!」と今年の1月から7月にかけて行われたたんぽぽの家事務局スタッフ数名とToheとのオンラインでのやりとりを記録して、まとめたものです。

(Uga)

* 本事業は休眠預金を活用した事業です *

「コロナ禍を契機とした障害のある人との新しい仕事づくり」は休眠預金等活用法に基づき、公益社団法人日本サードセクター経営者協会 [JACEVO]から助成を受けて実施しています。

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