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新潟・燕三条発"予約が取れない大人気ホットサンドメーカー"のつくりかた 【グッドデザイン賞受賞者に話を聞いてみた】

こんにちは!グッドデザイン賞事務局広報の塚田です。

今回の「グッドデザイン賞受賞者に話を聞いてみた」は、2020年度グッドデザイン賞受賞作「ホットサンドソロ」を開発した燕三条キッチン研究所のみなさんにお話を聞いてみました!

ホットサンドソロとは?

「ホットサンドソロ」は、通常2枚の食パンで作るホットサンドを、“ちょうどいい朝食”というテーマのもと、改めて見つめ直すことで生まれた、食パン1枚使いのホットサンドメーカーです。

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今までになかった一人用のサイズ感と、できあがったホットサンドのかわいいフォルムが特徴的で、発売以来、購入するための予約を取るのにも苦労するほどの大人気商品になっています。

そして、そのホットサンドソロを開発した「燕三条キッチン研究所」は、クリエイターとメーカーのコラボチーム
金属加工業で有名な地域・燕三条(新潟県)で、長年ものづくりに携わってきた金属加工メーカー、アートディレクター、プロダクトデザイナー、コピーライターが集まってできました。

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今回は、その中から中心メンバーであるプロダクトデザイナーの高橋悠さん、アートディレクターの石川竜太さん、製造元である杉山金属株式会社の小川陽介さんの3名に参加してもらい、そもそもこのチームはどのように結成されたのか、そして製品はどうやってできたのか、さらにコロナ禍の今、実際に顔の見える距離でプロジェクトを行うことの意義とは‥などなど、ものづくりを志す人や地域に根ざした仕事をしている方々にとって、とても参考になるお話の数々をお伺いしました。(*インタビューはZoomで実施しました)


燕三条キッチン研究所ができるまで


ーまず、「燕三条キッチン研究所」というチームは、どのように生まれたのですか?

小川:私たち杉山金属が、石川さんに声をかけたのが始まりです。以前我々が他社のブランド商品をOEMで作っていたのですが、そのプロデュースを石川さんが手がけられていて顔見知りだったので、今度ぜひ当社ともお仕事をしていただけないですか?とお願いして、快く引き受けてくださったという流れです。

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杉山金属株式会社 小川陽介さん

杉山金属株式会社営業部所属。2017年より新ブランド「4w1h」の立ち上げ・運営に携わり、金属加工メーカーとしてチーム(燕三条キッチン研究所)に参加している。杉山金属としてはホットサンドメーカーのオリジナル製造に力を入れており、大手企業のOEMホットサンドメーカーの実績が複数ある。趣味はバレーボールと創作料理。


ー石川さんにお願いしたのは、どのような理由だったのですか。

小川:最近、地元の燕市のメーカーでも、新ブランドを立ち上げたり、デザイン性を高めて好評を得ている製品シリーズが結構ありまして、そういう取り組みを見ていると、我々にも何かできるんじゃないかと思ったのがきっかけです。
石川さんは、全国的にもそうですし、特に新潟県内では、数々のメーカーや店舗のブランディングを手がけられていて、ものすごい実績をお持ちなので、声をかけただけでもちょっと満足したところがありました(笑)。今考えると、本当に何も固まっていない状態だったので、申し訳なかったんですけど(苦笑)。

石川:いえいえ(笑)
「会社のブランディングをお願いしたい」という言葉を受けて考えたのは、杉山金属さんの商品は品数も多く、たくさん売れていて名前が世に出ているので、同じ名前で新たな商品群を出したとすると、良い効果と悪い効果のどちらもあるということです。
ですので、できればまっさらな状態で新しい価値を作っていける組織を生み出す方法が面白いんじゃないかということを提案しました。そこで、そのチームのための、新たな名前が必要になったということです。

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株式会社フレーム 石川竜太さん

デザインをより身近なモノに感じてほしい。そして、デザインをビジネスにしっかり役立てたいという思いで、さまざまなパートナーの課題解決に取り組む。商品・ブランド開発、ブランディング、C.I・V.I計画など、デザイン全般にあたる。趣味はランニングとアウトドア。

ーそれで「燕三条キッチン研究所」と名付けられたんですね。

石川:そうですね。このネーミングは、いま燕三条というと、全国的にも“ものづくりの町”であるということが認知してもらえているので、その視点での発信を意識しました。
そして、その次の段階としては、しっかり実績のある方々をメンバーとして巻き込んで、市場に対して訴求できるものを提案していける組織にしなければいけないと思ったので、プロダクトデザイナーである高橋さんにも加入してもらいました。

ー高橋さんは実際メンバーに加わってみてどうでしたか。

高橋:杉山金属の方々とは面識がなかったので、ドキドキしながら参加しました。メンバーに加わった最初のころは、どういうふうに製品として着地させることができるかなと色々思い悩んでいたのですが、みなさんと話し合っているとどんどん新しいアイデアが出てきましたし、ブランドの方向性が見えてきてからは、スムーズに進めていけていると思います。

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株式会社タンジェントデザイン 高橋悠さん

デザイン事務所勤務を経て2012年、妻 高橋香苗と株式会社タンジェントデザインを設立。「人や物、出来事がもともと備えた魅力を表出させる」をコンセプトに、雑貨、工具、照明などのプロダクトデザインを手掛ける。
趣味はマラソンとおやつ作り。


小川:石川さんもそうですし、高橋さんもたくさんの実績をお持ちなので、ものすごく心強い頼もしいチームになってくれたなと思いました。
それから今回のこのインタビューには都合がつかずに参加できなかったんですが、コピーライターとして加わってくれている仲川京子さんの力もとても大きいと感じています。

それぞれの役割で成り立つチーム

ーあらためて、お一人ずつチームの中でどういう役割をされているか、ご説明をお願いします。

石川:私は、全体のクリエイティブティレクションを担当しています。それから、コピーライターの仲川さんと相談しながらネーミングを考えたり、パッケージ、ウェブ、パンフレット、展示会のブース制作なども含め、グラフィック全般をうちの会社でやっています。あとは月に一回定例で開催しているミーティングで、くだらないことをいう係という(笑)

小川:司会者ですよね(笑)

石川:そうですね。杉山金属の社長さんにはデザイナーじゃなくてプロデューサーと呼ばれてます(笑)

高橋:私はプロダクトデザインを担当しています。ミーティングの際にチームから出てきたアイデアについて、実験を繰り返しながら形をまとめつつ、量産までに出てくる「思ったように動いてくれない」とか「金型が壊れてしまう」などの課題解決をして、作りやすい形に導いていくということに集中しています。

小川:私は営業なので、販売してくれている店舗とのやりとりや、お客様対応などをしつつ、ミーティングの時には新商品のアイデアについて自由に勝手な意見を出しています。一番ふわっとしたポジションです(笑)

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ーSNSなどのウェブ上でのコミュニケーションは、どなたが担当されているんですか?

石川:発信はうちの会社で担当しています。インスタグラムにはたまに、調理器具を使ったレシピを掲載しているのですが、実は高橋さんの奥さんが作ってくれています。

高橋:使用実験も兼ねて調理をしてみることが多いので、その時の記録を素材として使っているんですよね。

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“鍋が丸い理由”から思いついた「4w1h」という考え方

ーブランド名である4w1hは、同時にコンセプトでもあるということで、とてもユニークですね。

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石川:他のブランドを見たり手伝ったりしている中で、いつも大変だなと感じていたのが、新商品を構想する時に、「じゃあ次は何を作ろう?」と都度都度悩んでしまうことです。その悩みを打破するには、確固たるスキームがあって、それにプロダクトを当てはめてしまえば、ものづくりができるようなコンセプトがあるといいなと思いました。もちろん、そんなに簡単ではなかったんですけれど。

もう一つは、私が杉山金属の社長さんにお話を伺ってびっくりしたことがあって、それはある日社長に「なんで鍋が丸いのか知ってる?」と聞かれて、わからないですと答えたら、「作りやすいからだよ」と言われたんです。そのとき、それって、ユーザー目線に立って考えてもベストな方法なのか?という疑問が湧き上がりました。
当然、量産できて価格を抑えられるという観点からは、ユーザーに良い形でフィードバックされるんでしょうけども、使う人数や性別や時間帯や食べる量など、いろいろな要素を考えると、もっと個々の事情に合わせて変えるべきなんじゃないかと思ったんです。
また、キッチンプロダクトは市場では飽和状態なので、そういう視点からニッチなところを攻めていくことで、ブランドの独自性を打ち出せるんじゃないかなと思いました。

4w1hという名前には、どんな意図が込められているのでしょうか。

石川:ブランド名がそのままコンセプトになっているようにしたいということに加えて、具体的に、こういう人にこういう時にこうやって使ってもらいたいという想いがダイレクトに現れているものにしたいと思ったんですよね。
そんな話をしていたら、コピーライターの仲川さんが、「それって、まるで英語の5w1hみたいだね」とつぶやいたので、「あ、じゃあそこからキッチン(Where)を抜いてブランド名にしちゃいましょう」と言って、4w1hに決めました。

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石川:この話に関連して、個人的にこのチーム(燕三条キッチン研究所)はすごくいいなと思ったエピソードがあって、それは私がミーティングに、“なぜ4w1hなのか”ということを説明するためのイメージボードとロゴを持っていったときに、誰もデザインの話をしなかったというところです。
ここのフォントがどうだなどという議論がなくて、「そうそう!そういう感じ!」とみんなで口を揃えて言ってくれました
初めてだったんですよね。あの感覚は。多分その前に半年くらいずっといろいろな議論をしていたので、みなさんのイメージにフィットしやすかったとは思うんですけど、今までにない状況で、とても驚きました。

小川:本当にすっと受け入れられたというか、「こういうのを待っていたんだ!」という感じがしました。

ホットサンドソロ誕生の舞台裏

ーブランドの第一号商品であるホットサンドソロは、小川さんが朝食の時に思いついたという記事を読みました。

小川:杉山金属では、複数のホットサンドメーカーを作っているので、我が家でも何個も持っていまして、パン2枚でホットサンドを作って子どもに食べさせていたのですが、子どもにとって朝からパンを2枚も食べるのはヘビーなようで、いつも半分に切って食べて、半分は残してしまうんですよ。で、残りの半分は結局私が食べるという(笑)。だったら最初からパン1枚で作れるものがあったらいいんじゃないかと思ったんです。
定例のミーティングでそんな話をしていたのを聞いて、高橋さんが形にしてくれました。最終的に今の形になるまでは、相当時間がかかりましたけどね。

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初期段階のラフスケッチ

高橋:まずは紙やスチレンボードで作ったモデルから始まって、次は3Dプリンターで出力したモデル、その次はアルミの削り出しで作ったモデル、というようにちょっとずつ具体化したものを試作して、さらに実際に使用してみて細部を詰めて修正する、という工程をずっと繰り返していました。
ただ、普通には使えないような形のものもありましたけど。

石川:できあがりが三角形だったんですよね。

高橋:ホットサンド自体はおいしかったんですけど(笑)

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ホットサンドソロ試作機

ープロダクトデザインの方向性は、どのように定めたのでしょうか。

高橋:割とシンプルに余計なものを削ぎ落とした形にしたのですが、その方向に至ったのは、やはり4w1hというしっかりとしたブランドコンセプトを手がかりにして進めていったという感じですね。

ーもっとも苦労した部分、工夫した部分はなんですか?

高橋:1枚のパンを丸めて作るので、いかにしてホットサンドメーカーからパンの具を飛び出させないか、パンそのものも飛び出さないようにできるか、というところですね。

ーその結果として、独特の波型形状にたどりついたんですね。

高橋:波型になっているところにパンの端がひっかかってくれるので、具が収まりよく閉じることができるようになっています。
それから、パンが収まっている部分の深さも試行錯誤した部分です。深すぎると具が偏ってパンが切れてしまうので、それが起こらないように、どんなサイズの食パンで作ってもそれなりにうまくいくようにと、サイズ感を調整しました。

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ー表と裏を違う色にすることで、今どちらを焼いているかわかるようにしているのも高橋さんのアイデアなんですか?

高橋:そうですね。一枚のパンでホットサンドを作るというアイデアがすごく鮮やかなものだったので、そのアイデアだけで終わらないように、道具としても完成度が高くて、なるほどと思ってもらえるような仕掛けを作りたいと思っていたんです。ちょうど杉山金属さんで利用できそうな色を塗装しているラインがあったので、これはいいなあとひらめいて、使わせてもらいました。

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ーうちにもホットサンドメーカーがあってたまに使うんですけど、本当にどちらを焼いているかわからなくなって、途中で開けて確かめちゃったりするんですよね。

高橋:何回も調理実験をやっていると、本当にわからなくなります(笑)。

“今までにない”ユニークな次回作を準備中

ーこのホットサンドソロは、今は予約も受け付けていないような状況とのことなんですよね。好評すぎて生産が追いつかないということなのでしょうか。

小川:そうですね。ただ、4w1hシリーズもそうなんですけど、杉山金属の商品全体が、コロナ禍による巣ごもり需要で売れているという影響もあります。

ーなるほど。販売ということでいうと、販路を実店舗と直営ECのみに限定したというお話も伺いました。

小川:はい。そこはこだわった部分で、店舗やお客様の生の声が拾えるようにということで、基本的には店舗との直取引のみにさせてもらっています。発売当初は、こちらから店舗にアプローチをかけて資料を見てもらっても正直反応が薄いというか、冷たかったんですけどね。

ー今となってはそれは意外ですね‥。4w1hのブランドとしては、この商品も含めて全部で何アイテムあるんですか。

小川:ホットサンドソロに加えて、コンパクトフライヤーとひし形フライパンが同時に発売した第一弾商品なんです。その他にも2点あって、今は5つのアイテムを発売しています。

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ー次回製品も考えられているんですか。

小川:今、発表に向けて温めている商品はあります。高橋さんがバンバン調理実験をやってくれています(笑)

高橋:次もユニークな商品になると思いますよ。今までにないものを狙ってやっているので。

“オリジナル”をアピールするための、グッドデザイン賞

ーここからは、グッドデザイン賞について聞かせてください。今回なぜ応募しようと思われたのですか?

高橋:ホットサンドを1枚のパンで作るというコンセプトは、もちろん意匠登録などはしてあるんですが、権利を保護しにくいものだと思うんですよね。もし受賞することができれば、これを一番最初にはじめたオリジナル商品だとアピールすることができるんじゃないかと思ったのが応募の目的でした。

ー今までグッドデザイン賞やGマークについては、どう思われていましたか。

石川:私自身グラフィックの賞はいくつか受賞していて、そちらはなかなか一般の方には伝わらないのですが、今回グッドデザイン賞を受賞したことでいろいろな方がすごいですねと言ってくれたので、やはり認知度の高さはあるなあと思いました。一番ユーザーに近い賞という印象ですね。

高橋:私はグッドデザイン賞を受賞したこともできなかったこともあるので、簡単な賞ではないなと思っていました。プロダクトデザイナーとしては励みになる賞という印象があります。

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ー杉山金属さんは、応募自体されたことはなかったんですよね。社内的な同意は得られましたか。

小川:先ほど高橋さんがおっしゃったように、名誉を獲得するということだけではなく、この1枚使いのホットサンドはうちが元祖だという認知を得る方向性で一致しました。プラスアルファでいろいろな効果もあればいいなと。

ー審査についてもお伺いします。
今年度はコロナ禍ということもあって、これまで応募者の方に審査会場に直接来ていただいてやりとりをしていた対話型審査を、審査委員会が任意で決めた応募者とZoomでつなぐヒアリング審査という形に変更しました。
ホットサンドソロは、このヒアリング審査の対象になっていたと思うのですが、どなたが参加してくださったのですか。

高橋:これは私が担当しました。審査のためにわざわざ移動をしなくていいというのはすごく楽でしたね。ただ、審査委員のみなさんがマスクをしてずらっと横一列に並ばれているところに向けて話をするのは、率直な印象としてはやりづらかったです(苦笑)

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ヒアリング審査風景(2020年度二次審査会場)

ーどんな質問をされたか覚えていますか?

高橋:製品についている4w1hのロゴマークをなぜこの大きさにしたのかという質問があって、そういうことを聞かれるのか、と驚いた覚えがあります。
その問いに対しては、焼き目がついた時にはっきりと見えて、例えばそれをSNSでアップしたときなどに、ブランドの知名度アップにつながるというところまで見据えてその大きさにしたと伝えました。

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ーその後、めでたく受賞されたのですが、販売に関してはプラスの要素を感じることはありましたか。

小川:受賞をきっかけに問い合わせも増えましたし、今まで2店舗ほど取引のあった会社さんから、今後全国展開に広げて、スペースをとって大きく取り上げてくれるという話も決まりました。あと、雑誌の取材申し込みが一気に来ましたね。


顔の見える距離で、プロジェクトを進めていくこと

ーみなさん新潟の方どうしで集まって一つのプロジェクトを進めていることに関して、特別な意識はあったりするものですか?

石川:そもそも新潟在住者に限定して集めたメンバーというわけではないのですけど、月に一回実際に集まって、物を触ったり、顔を見ながら話をすることは大事だと思います。近くにいてコミュニケーションが密に取れる方とやれる仕事と、遠方で書類やメールのやり取りだけで作る方とでは、仕事の質が変わってくるのではないでしょうか。

ーこの事例の成功を見て、自社でも同じようなことをやりたいと思っている他の地域の方もいるのではないかと思うのですが、もし何かアドバイスするとしたら。

石川:私が地方で活動していたり、他の地方で精力的に活動されている方々とお話ししている限りでは、東京で動いているプロジェクトと我々が手がけているプロジェクトを比べても、それほど差はないと思っています。
地元にしっかりと根づきながら地元企業のお手伝いができるクリエイターはたくさんいるはずなので、そういう方と腰を据えてタッグを組むことはお勧めできます。遠慮して物も言えないような関係性ではなく、しっかり話し合いをしながら進めていけるはずなので、近くの方と組んで仕事をするのはすごくいいことだと思います。

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高橋:
私も“新潟だから”という意識は正直なところあまりなかったのですが、結果として地元でメンバーを揃えると、自然とオリジナリティが出てくるのかなと感じました。首都圏の大きな経済の流れから距離的にも離れていることもあって、一歩引いて考えられることで、視点が新鮮になったのではないかと思います。あとはコロナ禍によって、行き来も難しい時代になってしまったので、より地元でのネットワークが大事になってきていると考えていたところです。

燕三条キッチン研究所のこれから

ー最後に、今後の目標を聞かせてください。ブランドとしてでもご自分のことでも構いません。

小川:私は、4w1hのブランドとしてのギャラリーを作れたらいいなと思っています。そのためにも、営業活動を通じて、今後まだ取扱店舗がない都道府県にも、どんどん広げていきたいです。
あとは、常にワクワクしてもらえる新商品を出すことであったり、デザインのよさもさることながら使い勝手の面においても、毎日使ってもらえるようなものづくりをしていきたいですね。

高橋:このブランドは、新鮮な視点が肝だと思っています。
プロダクト目線で考えると、どうしても製造上無難な方向に流れてしまいがちなのですが、みなさんとの定期的なミーティングが、その思考のリミッターを解除してくれるような場所になっているので、常に最初のコンセプトの新鮮さを失わないようなプロダクトを生み出していけたらと考えています。

石川:私はいま自分が手がけている仕事はどれもすごく楽しくてありがたいなと思っているのですが、その中でも4w1hへの思い入れと、楽しめている感は、群を抜いて高いです。メンバーのみなさんの、自分には持ち得ないアイデアだったり思想がすごく新鮮で面白くて、ここで学ばせてもらって自分自身が成長したいですし、その中で、これからもっとブランドの役に立てるようにならなければと思って、いつもドキドキしながら関わっています。
これからも、そういうドキドキ感を大切にして、いつも新しいことへ挑戦する気持ちを持ち続けたいと思っています。

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