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ソーシャルGOODなCOFFEEを飲みながらSDGsの開発目標「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」をテーマにスペシャルゲストと語り合う。

地球温暖化問題という大きな課題を解決するには?自分たちにできることはあるのか?ゲストを交えてGOOD COFFEE FARMS代表カルロスと一緒に語り合いました。

今回お話を聞いたのは?

小野さん


■小野さんの説明
1995年4月生まれ。兵庫県出身。
2018年に社会起業家採用枠でボーダレス・ジャパンに新卒入社。ボーダレスグループで事業経験を積むなか、スウェーデンの環境活動家グレタさんを通じて気候変動の危機を知る。今すぐ誰かが動かなければ地球の未来はないと危機感をおぼえ、ハチドリ電力を立ち上げた。
https://www.borderless-japan.com/magazine/50590/
https://www.borderless-japan.com/academy/entrepreneur/55284/


対談するのは?

カルロス

■カルロス・メレン
1980年生まれ、グアテマラ出身。
2000年に日本に移住。2011年に高級グアテマラ産コーヒーをセレクトするブランドを立ち上げ、2016年に自転車式脱穀機を使ったコーヒー生産を開始。GOOD COFFEE FARMS株式会社代表取締役社長。


■ハチドリ電力説明
「ハチドリ電力」は世界13ヵ国で社会問題に取り組む株式会社ボーダレス・ジャパングループの環境問題を含めた社会問題解決に貢献する電力事業。
https://hachidori-denryoku.jp/
特徴
① CO2を全く出さない自然エネルギーという点
② 電気代の1%が社会活動の支援になる点
③ 電気代のもう1%は自然エネルギーの発電所を増やす支援になる点
自然エネルギーの最大の利点は、CO2を出さないことで地球温暖化の悪化を防げるところです。また、石油や石炭がいずれ枯渇する有限なものである一方、自然エネルギーは半永久的に使える持続可能な方法です。


▼小野さんがハチドリ電力を作ろうと思ったきっかけを教えてください。

小野)私はソーシャルビジネスにあこがれていましたが、まわりのみんなが人生をかけて解決したい問題を持っているなか、私自身はそれを見つけられずにいました。模索している中でグレタ・トゥーンベリさんを知ったことをきっかけに環境問題に興味を持つことになりました。はじめは、私が好きな動物たちが100万種類も絶滅に瀕していると聞いて、それは何とかしないといけないだろうと感じました。ただ調べていくうちに、地球温暖化を解決するための選択肢がなかなか見つからない。私はこれだと直感しました。選択肢がないなら自ら解決する選択肢を作ろう、地球温暖化を解決することに人生をかけようと決意しました。
地球規模の問題を解決する想いはカルロスさんにも共通していると思います。

▼ソーシャルビジネスとの出会いを教えてください。


小野)もともとはインターンシップを経てソーシャルビジネスに出会いました。そのときの先輩がボーダレスジャパンの方で、たまたま海外に一緒に見学に行くことになりました。それまではソーシャルビジネスの事は全く知らず、はじめてミャンマーとバングラデシュで知りました。こんなに世の中、人のために全力で動ける人たちがいるのだと衝撃を受けました。これまで私は「面白ければよい」という判断軸だったのが変わりました。私は何のために働くのか?自分がやりたいことを最前線で作れる環境はなんだろう。そう考えたときにボーダレスジャパンに入社することを決めました。

▼社会課題と関わっていると、きれいごとばかりみたいに言われたりしませんか?


小野)そこまで言われることは無いですよ(笑)私たちの行動の軸は、黒か白か0か100かではなく、今できるベターな選択肢を取り続けることです。急に100%の理想を実現することは難しいかもしれません、理想の社会を作りたいけど今できることを一歩一歩進めていく事業だな、と感じています。自然エネルギーの発電所でいうと、少なくとも今から私たちが作り上げていくものは環境に負荷が少ない形を優先します。例えば農地の上にソーラーシェアリングを作りました。もちろん環境破壊はゼロではないですが、負荷を小さくする最善の努力は尽くしたい。それが私たちの信念です。

カルロス)素晴らしい信念ですね!自分で着地点を見つけてとにかく「動くこと」が大事だと思います。はじめはインパクトが小さかったとしても、動くことが大事。動いていれば、自分たちの力だけでは乗り越えれないようなことでも、誰かが手を貸してくれる。そうして集まってくれた人たちと一緒に行動すれば少しずつ変わっていけます。動き方を見せてあげることが大事だと思います。地球に良いコーヒーや電気ですと目で見せてあげれば、動き方がわからない人たちも自然と関わってくれるようになります。

▼行動を起こす「きっかけ」がカルロスさんと小野さんでは違う気がします。


カルロス)私がグアテマラから日本にきたのは、チャンスを掴みたいという思いからでした。気が付くと20年以上も日本にいるのですが、思えば社会課題を解決したいパッションが常に自分の背中を押してくれていた気がします。
私のグアテマラでの原体験やグアテマラの現状を日本に伝えたいと思っています。私が取り扱っているコーヒーを気持ちよく飲んでもらうことも勿論ですが、それだけではなくリアルな現実も伝えたい。未来の社会の為に本当に大事なことをわかってもらえたらと思っています。
GOOD COFFEE FARMSでは、定期便の会員様にグアテマラの現状を知ってもらいたいと思っているのですが、小野さんが感じている伝えていく苦労や難しさはありますか?


小野)原体験にこだわり過ぎてしまうと、地球温暖化は規模が大きすぎて原体験ってなんだっけ?となりますよね。身近な社会課題に落とし込むような工夫が必要だと思います。30年前より今は夏の気温が高いと思っているのですが、徐々に変化しているので危機感はない。だけど地球温暖化のことはあと10年が勝負です!と言われたらどうでしょうか?
なんとなく大変そうではなく、自分ごととしてほんとにやばいよ!と感じてもらえれば仲間になってくれると思います。
私たちがよく言っていますが、「無関心ではなく未認知」なんです。
現状を知らないだけで、知ってもらうとなんかやろうと行動につながっていくはずだと思っています。アクションを起こす人はたくさんいるはずです。

▼認知のための発信になにか工夫されていますか?


小野)危機感だけの情報を強要するだけではなく、リアリティを感じてもらうことが大事です。それは想像してもらうこと、例えば子供さんが生まれたお母さんに、その子供が大きくなった将来、地球の温度が上がっていたら危なくないですか?と伝えるとお母さんにはきっと伝わりますよね。本当だ、子供たちには安心な地球を残したいと感じるお母さんもでてくると思います。

カルロス)私たちにはハチドリさんのように使用料の1%を寄付するという明確な取り組みはないので、もっと広い層のコーヒー好きの方への認知を増やすためにこういう「仕組み化」が必要かなと思っています。

小野さん)社会に良い活動をしているリアルな実感を作ってみてはどうでしょうか?私たちの寄付のしくみは電気を買っているだけではお客さんも寄付した実感がないんですよね。電力を切り替えたとしても使用感は変わらないのでつい忘れてしまう。だからそれを実感してもらう「機会」を提供すればよいと思っています。例えば、ハチドリ電力では毎月の電気明細書は絶対見るので、そこに全体でCO2をこれだけ削減できた、これくらい寄付できたという数字をお伝えするなど工夫をしています。


カルロス)素晴らしい!すぐにでもハチドリに電気変えたい気分です!
まず自分で考えて選択することが大事ですね。社会に良い電気と普通の電気があるならば良い電気を選びます。同じでように、社会にグッドなコーヒーと普通のコーヒーならグッドなコーヒーを選んだほうが良いですよね。

小野さん)地球温暖化に対してアクションしてくれる人を増やしたいと思ってメルマガを始めました、電気といういろんな人に繋がっているプラットフォームの強みを活かして、未認知から認知に変えられたらと考えています。メルマガではハチドリ電力を利用している会員の社会活動を発信しています、ハチドリ会員の社会活動を知ってもらうことで、もっと広く電気以外でも選択肢はあるんだよ、ってことを多くの人に伝えたい。カルロスさんもハチドリ電力を使っていただいたら、メルマガでGOOD COFFEE FARMSのこともお伝えできると思いますよ。

カルロス)GOODCOFFEEFARMSのコーヒーを飲むオフィスがハチドリ電気なら素敵ですね、ぜひハチドリ電力に切り替えたいです。

小野)今ハチドリを使ってくれているのは比較的環境問題に興味関心が高い方々が多いですが、地球温暖化を止めるためにはさらにまだ未認知な人たちにも伝えたいです。例えば電気代が「大手電力会社の従来プランより必ず安くなる」設定にしました。価格から興味を持ってハチドリ会員になってもいいと思っています。会員になった後で、社会にとって何が良いのか、他に解決策の選択肢はないのかを少しずつ知っていただければ。気を付けたいのは価格を下げるだけだとブランド価値が下がる可能性があります。電気は質を変えられる商材ではないので価格を下げる方法でしか差別化できませんでした。コーヒーは品質でも勝負できると思います。

▼環境問題に興味があってもどうやって動いたら良いかわからない読者に対して、アドバイスいただけますか?


小野)地球温暖化という大きな課題に対して個々の一人一人が動いただけで変わるの?と言われることもありますが、実は本当に変わるんです。一人一人が生み出してきたCO2なので、一人一人が考え方を変えれば変わります。それが今を生きる私たちができることです。ハチドリの一滴の話にも通じることで、私たちが目の前のことを皆で考え少しずつでも行動していくことをやってもらいたいです。そのなかでも電気はインパクトがあり、すぐに変えられますから。

小野)世界的に定められているマイルストーンは、CO2の排出量を2030年までに2010年と比較し半分にして、2050年にはゼロにしなければならない。もしどちらか一つでも達成できなければ地球温暖化を止めることはできないと言われています。
私たちハチドリ電力は2030年までに日本全体で3.5%の人に自然エネルギーを使ってもらえる社会を目指しています。3.5%は少ないと感じますが、研究者の中では社会運動で3.5%の人が参加した活動は成功するといわれています。3.5%は日本全体で198万世帯です、そこを目指すことがハチドリの目標です。まず3.5%を目指してムーブメントを起こしたい。そうすれば社会はきっと変わると信じています。

カルロス)とにかく動くことですね。みんなのためネガティブな話が出ても動く。ネバーギブアップの精神で動きます。地球問題を解決することはみんなの為なので、私も少しずつやっていきたいです。
コーヒー一杯から広めていきます。

全体


最後に改めてお二人ありがとうございました。
今日はありがとうございました!
「コーヒーで世界を変えよう。」


【まとめ】
「沢山の方と手を取り合って頑張りたい」小野さんの言葉が印象的だった。
ハチドリ電力の仕組みは画期的だ。社会課題に向き合うことは特別ではなくて当たり前の選択肢としてある。
日常の生活に身近な電力を、自然電力に乗り換えるだけで地球温暖化の解決に自分も役に立つことができる。ひとりひとりの力は小さくても決して無力ではない、ひとりの小さな力でも世界を変えることができるのだ。



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