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幸せになる方法を一言に集約してみた

アラフォーにして仕事を失い、家を失い、あやうく家族まで失いそうになり、カサンドラの後遺症に悩まされながら今、幸せな日々を送っているおっさんの話です──

注意:この記事には「幸せに生きるためのロジック」が書いてあります。幸せになる方法を一言に集約しましたが、熱量高めのため前置きだけで4,000字ほどあり(アホなんか)、読み切るのに15~20分ほどかかります。幸せ思考を習慣づけるコツを知りたい方、なかなか前向きになれない方や、今の自分が不幸だと感じている方、苦悩から解放されたいと思っている方はぜひご覧ください。出退勤の電車の中や、上司の退屈な説教の最中に読むのがオススメ。

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事業を失い、住居を失い、心を病み、苦しんで、それでも私は自分のことを「不運だ」とは思っても「不幸だ」と思ったことがありません。

むしろ多くを失った今もなお、私は自分を「幸せ者」だと感じています。カサンドラ症候群に陥ったのを機に断捨離ができたし、人生の中で本当に大切にするべきものを明らかにできたからです(詳しい経緯はこちら)。

それにゼロからのスタートということは、自分のやりたいことをいっそうやりやすくなるわけで。

周りには「精神力がある」「強い」「ポジティブ」「前向き」というふうに見えるようです。しかし私は実際に精神力があるわけでなく強いわけでもありません。

繰り返します。

私はとくに精神力があるわけでもなければ、強い人間というわけでもありません。

ただ思考の切り替えがうまいのです。

これは生まれ持ったものでなく、訓練や練習などにより鍛えられる後天的な力です。

では思考の切り替えとは何でしょう?

これをもう少しわかりやすく表現するとすれば「物事をポジティブに変換する能力」あるいは「長所を見つけて最大化する能力」といえるかもしれません。

この能力のメリットは、どんなに大きな不安や絶望が目の前に立ちはだかっても、前後不覚に陥ることなく自分の感情をコントロールし正しい対応ができることです。もちろん意識や心掛け次第で、誰でもこの能力を育てることができると思います。

人は「不幸」にフォーカスしたがる

悲しいことや苦しいことがあると、人はそれを誰かにわかってもらいたくなります。これは人間の本能的な欲求で、何も不自然なことではありません。

痛みや苦しみを分かち合いながらストレスを解消し、同時に人との絆を深める一方、弱者に属する心地よさを覚えてしまうとなかなかそこから抜け出せないという習性もあります。人間のこの悪習を自覚しないと、不適切なコミュニティに属して不毛な傷のなめ合いを延々と続けることになります。つまりいつまでも不幸から抜け出せない環境に自ら身を投じてしまうわけです。

また、悲しみに酔いしれるのもいけません。これはストレスを解消する行為でなく、自分の中に潜在的に眠る悪しき欲求を満たす行為だからです。

いわゆる悲劇のヒロインを気取って同情されたり注目されたりすることに快感を覚えてしまうと、その快感を得るために悲しい出来事を自ら演出したり過剰に表現したりといった現象が起こります。こうなると幸せへの道は遠のきます。

悲しみや不満、苦しみ、恐怖、こうした感情に必要以上にとらわれ過ぎないこと。その上で問題を解決するための具体的な策を講じること。

サラッと言ってしまいましたが重要なことなのでもう一度言いますね。

問題を解決するための具体的な策を講じること──が大切です。

具体的な策を講じる──とは

私は弟に事業を内側から破壊され、経営が立ち行かなくなりました。詳しい経緯については「発達障害とカサンドラのヤバイ関係」をご覧ください。

そのとき浮上する感情は主に以下のようなものです。

「収入がなくなってしまうかもしれないどうしよう」
「弟のせいでこんなことになった、どうしてくれるんだ」
「自分はこんなに頑張っているのになぜ?」
「自分のせいじゃないのにあんまりだ」
「これからどうしよう」

実際にこうした感情が私の頭に明確に浮かんだかどうか記憶はしていませんが、おそらくあったはずです。ですが、こうした不安に私が動揺することはありませんでした。なぜならすぐに具体的な策を講じたからです。

・収入がなくなるかもしれない→またやり直せばいい。実績やスキルがあるから直近ではそう困らないはず。収入を得る方法をいくつか準備しよう。

・弟のせいだ、どうしてくれるんだ→この感情にこだわっても意味がないので今はとりあえず考えるのをやめる。

・こんなに頑張っているのに→上に同じくこだわっても無意味なので却下。

・自分のせいじゃないのに→却下。泣き言は後回し。それどころじゃない。

・これからどうしよう→とりあえず収入がないと困る。

結論:事業をたたんで現状を清算してからやり直せばいい。

このように、ある事象に対して人間は不安や怒り、悲しみなどの色をまとった複数の感情を抱きますが、その中で本当に向き合うべき感情は実はそう多くありません。つまりいくつかの感情を振るいにかけて選別する必要があるということです。

また、こうした不安は「今後の道が不明瞭」であることが原因で生まれます。言い換えれば、今後の道を明らかにすれば不安の多くは解消されるということです。これはほとんどの不安にあてはまる公式です。

実際にこれで精神的な負担は大幅に軽減しますし、希望を持って行動することができるようになります。ほんの一例をあげましたが、私は万事においてこのような思考で「具体的な策を練る」ことでピンチをチャンスに変え希望を持って生きてきました。

部下が失敗しても「なぜそんなことをしたんだ!」と𠮟って時間をムダにすることはありません。すぐに代案を用意し実行させる方が賢明です。弟の場合はその工数が尋常でなかったため破綻しましたが、やり方を変えれば発達障害者とも社会共存できると今は考えています。詳しくは「発達障害者の楽園」にてお話ししています。

こだわっても意味がない(何の解決にもならない)感情にはできるだけ早めに見切りをつけること。感情のセルフコントロールも重要課題ですが、それについてはまた別の機会にお話しします。

絶望したときの不安を克服する方法

カサンドラに伴い、絶望するような思いに駆られたことが何度かあります。たとえば収入の大きな柱だった顧客との契約が立て続けに打ち切りになったり、収入が激減して家に住み続けられなくなったりなど。これは大変です。こういう場合、あなたならどうしますか?

このような深刻な問題と直面したとき、実際に私は一瞬頭が真っ白になりました。そして不安と混乱が胸からこみ上げてきたのをよく覚えています。人によってはパニック状態に陥ってしまうかもしれないような状況です。しかしそこで思考をカチッと切り替えて、物事を現実的に捉えるよう意識するのです。

・収入が途絶えて困る!どうしよう!→損失額を試算し、それを補う具体案を講じる。

・家に住み続けられなくなりそう!どうしよう!→引き払って家賃の安い田舎の家に引っ越す。ついでにスローライフを実現しちゃお。

いずれも「これから先の道を明らかにする作業」です。不安とは「未知なる未来」に対して生じるものですから、未来を想定できれば不安を克服できます。これはプレッシャーを克服する方法にも通じます。

これらを踏まえて次項では、なかなか幸せになれない人の思考パターンを「家に住めなくなりそう問題」をテーマに解剖してみましょう。幸せになれない思考のメカニズムがわかるはずです。

幸せになれない人の思考パターン

収入が減って家賃が払えなくなりそう……どうしよう……このままじゃホームレスになっちゃうかも……何とかして家賃分の収入を得なきゃ。バイトを探そう。知り合いにも声をかけて仕事をもらえないか相談してみよう。とにかく仕事を探さなきゃ。

数か月後

無事に仕事が見つかってよかった。家賃も何とか払うことができるようになったしひとまず安心。でも朝から晩まで働きづめで十分な睡眠もとれていない。そういえば最近、寝不足や過労のせいか仕事でミスが多くなってきて怒られてばかり……。心身ともに疲弊して正直もうしんどい。友達とランチにいくお金も時間もないし、私の人生、本当にこれでよかったのかな……。


ここまでが「幸せになれない思考パターン」の例です。

このケースの問題点は「家賃が払えなくなりそう→払うために何とかしなきゃ」という短絡思考に陥っていることです。

焦っていると人は冷静な判断ができなくなります。「払えないの?じゃあ引っ越せばいいじゃん」という発想にまで考えが及びません。ですからこういう場合に最初にやるべきことは「平静を取り戻す作業」です。

私の場合、数秒間だけ不安に身を委ねます。「どうしようどうしようどうしようどうしよう……」と、とにかく数秒間だけ何も考えず不安をフルスロットルで排出します。その後「これまで通り問題なく乗り越えられる。大丈夫。さて考えるか」と自分に合図を出します。これで平静を取り戻す作業は完了です。人によって合うやり方は違うはずですが、こうした習慣が身について慣れてくるほど短時間で平静モードに切り替えられるようになります。

現実問題、身の丈に合わない物件に住んでいるなら、物件のグレードを落として固定費を下げるしかありません。しかし人は何だかんだ理由をつけて現状にしがみつきたがります。

実際私も、長く済んだ住居を離れるのはさみしいものでした。ですがこうした類のさみしさや悲しさは一時的なものであることを知っていますし、今後それを塗り替えるようなたくさんのいい思い出を作っていける可能性があることも知っています。

いっそうの負担を負ってまで現状にしがみつく価値があるのかどうか、冷静に正しく判断することが大切です。

幸せになる方法を一言に集約してみた

さて、ここまで前置きが長くなりました(前置きなのかよ)。

この項が本編です。

これまでのお話を踏まえて、幸せになる方法を一言に集約しますね。ちゃんとお読みいただいていれば、この一言の重さ、意味がおわかりになると思います。

幸せになるために必要なもの。

それは「計画」です。

幸福の実現は「冷静に計画を実行する」に尽きます。

人生色々な問題がありますから、どのような問題と直面しているかは人によって違うでしょう。問題の質にかかわらず「なかなかそうもいかなくて」「色々事情があって」という理由をつけて実行したがらない人は少なくないはず。

「自分にはできない」と思っているのか、あるいは「おっくうだ」と思っているのか。それ以外にも持病があったり精神的に冷静でいられるような状態でなかったり色々あるのかもしれません。

しかしいずれにせよ、問題を解決するには必ず実行が必要で、正しく実行するには計画が不可欠です。

いくら冷静であっても、実行できなければ意味がありません。

実行できても、冷静でなければ意味がありません。

計画遂行において冷静さと実行力は常に両輪です。

実行するために必要なもの

「なかなか実行できないのが悩み」という方もいるかもしれません。それはおそらく成功体験の少なさによるものです。

成功体験が多ければ多いほど、人は実行をためらいません。なぜならそういう人間にとって失敗はリスクではないからです。ピンチをチャンスに変えられることを、体験から学習し知っているか否かが大きな違いです。

ここから先は私の個人的な考えですので、読み心地のいい人だけお読みください。

私はこれまで割と色々な体験をしてきました。素晴らしい体験もありましたしひどい体験もありました。さまざまな挑戦もしてきました。失敗もしてきました。これからも挑戦し、失敗していきたいと思っています。

今、私が思うのは「人生に伴う多くの問題は、実際そんなに大したことではない」ということです。

確かに心の病はつらく苦しいですし、大切な人の死など受け止めきれない悲しみも人生にはあります。時にはそういう心のB面を再生して、夜な夜な涙を流してもいいでしょう。

ですがそれ以外の場所で、人生のさまざまな側面を幸せや喜びでいっぱいにすることはできるのです。たった1つの不幸が10の幸せを無効にするわけではありません。幸と不幸は表裏一体ですが、あくまで別物です。問題は「自分」というハードが、両者のソフトをうまく管理し区分できているかどうか。

結局これは出来事の問題ではなく、自分自身の心や生き方の問題です。

自殺の動機としてもっとも多いのが、健康上の理由だそうです。健康問題による自殺件数はほかの動機による自殺件数を圧倒的に上回り、厚生労働省によると毎年12,000人以上の方が健康問題による自殺で亡くなっています。

健康問題はとても深刻です。私にはその苦しみを想像することすらできません。少なくともガンで亡くなった祖父の闘病生活は、とても見ていられないものでした。

見方を変えれば、健康問題以外は実は解決可能な問題が多く、具体的な対策をとりやすいケースがほとんどということでもあります。お金の問題もそうですし、夫婦の問題、仕事や人間関係の問題もそう。健康問題に比べたら取るに足らない──と思うくらいが健全ではないでしょうか。

たとえば株などで失敗して自殺を図る投資家、会社を倒産させ破産した経営者が自殺を図るのは、同じ経営者からすると「なぜ?」でしょう。なぜならこうした問題にはおおむね妥当な解決策が必ず存在するからです。

それでも自殺する人がいる。

理由は先にお話しした通り「冷静さ」を失っているから。

冷静さを失ったために自殺という誤った決断を実行してしまった。

破産倒産などによる経営者の苦悩はお金だけではありません。倒産により影響を受ける人が多くなればなるほどプレッシャーと責任が大きくなり、憔悴していれば耐えられず自死に走ることも十分にあり得ます。

鬱症状などによるものであれば、それも仕方のない結果だったとしか言いようがありません。心を病んで自殺してしまった人を責められないです。

しかしできればそういう状態になる前に、つまり冷静に物事を判断できるうちに人生を大胆にテコ入れし、清々しくリスタートを切ってもらいたいものです。

人は問題と直面すると、不安からそれを必要以上に過大評価してしまいます。大きな問題と錯覚してしまうのです。しかし実際のところ、問題の多くは自分が思っているほど深刻ではありませんし、意外と多様な解決策があったりします。ですから不安に惑わされて動揺することには意味がありません。

不安をどうコントロールするか。それは問題をどう解決するかとはまったく別の話で、自分自身の問題であるということをどうか忘れないでほしいと思います。

幸せを呼ぶも不幸を呼ぶも、結局は自分次第なのです。

まとめ

幸せになるために大切なことをまとめると以下の通りです。

①(不安を克服するために)平静を保つこと
②(正しく決断するために)冷静に計画を立てること
③(幸せを実現するために)計画を実行すること

シンプルですね。

ですがこの三つのうちのどれか一つが欠けてもいけません。

大きな壁であれ小さな壁であれ、私は原則としてこの三つを実行して後悔したことは(まだ)一度もありませんので、つらいときや苦しいとき、今の自分に不満を感じているときなどはこれらの実践をおすすめします。

そしてこれを実践して小さな成功体験を積み重ねていけば、習慣が変わり思考も変わるはず。

幸せは習慣の賜物です。


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