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テレビCMの効果って?|オワコンメディアを理解する

テレビCMってどのくらい効果があるんですか?

これ、テレビ局で営業してたときにもよく聞かれたことなんですけど、
残念ながら明確な答えは持ち合わせてないです。

テレビCMの大きな特徴はリーチ力です。

YouTubeの動画で100万回回ったらすげー!ってなると思うのですが、
テレビの場合、
関東エリア(約4000万人)の視聴率1%は推定約40万リーチなので、
視聴率3%で推定120万リーチになり、100万を超えます。

視聴率の判定はテレビ(当該チャンネル)が点いているかどうか、なので、
ちゃんと見られている(注視している)かどうかまではわかりません。
広義でのリーチと捉えてください。

例えば、あなたの会社が来週1週間、
関東エリアで3回分のテレビCM枠を購入したとします。
具体的な放送予定枠は下記に決まりました。

(月) 6:00~「月曜から早起き」 平均視聴率3%
(水)12:00~「ワロていいとも」 平均視聴率5%
(金)23:00~「ハレトーーーク」 平均視聴率4%

関東エリアの視聴率1%は40万リーチですので、
上記3回(視聴率12%分)の放送で計480万リーチ(推定)となります。
もちろんこの数字は重複を含みます。

とにかく短期間でリーチ(認知)を獲得したい!というときに
検討すべきなのがテレビCM
です。
個人的にはそれ以上でもそれ以下でもないと思っています。

デジタル広告などと比較して、
ブランドセーフティの文脈でテレビCMが語られることもありますが、
世の中の価値観も多様化していますし、
正直、そこは広告主(企業)のブランドイメージによりけりかと思います。

テレビCMに限らず本来、効果を約束できる広告などありません。
デジタル広告のCPCやCPAという指標に慣れてきてしまったため、
効果を数字で確認できない広告へのネガが強まっているのではと感じます。

はっきり言ってしまうなら、
CPAなどを重要な指標としている商品やサービスなのであれば、
テレビCMは向いていないからやらない方がいい!
ということです。

テレビCMでよく目にする商材を思い浮かべてみてください。

洗剤、薬、ビール、、、

これらの商材がCPAを気にしていると思いますか?
実はここにテレビCMに向く商材、向かない商材のヒントがあります。

テレビCMはマスメディアと呼ばれています。
マス=大衆です。
デジタル広告と違ってターゲティングはできません。

そして、現在の日本の「大衆」の姿を想像してみてください。
ご存じのとおり少子高齢化社会です。
加えて若者のテレビ離れも進んでいます。

これらから導き出される解としては、

シニア世代を含めたオトナ層を中心に
幅広いターゲットが対象となり得る
生活必需品や嗜好品、インフラサービス

というのがテレビCM向きの商材と言えるのではないでしょうか。

一見イメージに反して、
近年はApple(iPhone)やGoogle、Amazonといった外資系企業が
テレビCMに大量出稿しています。

しかし、よく考えてみると、
スマホや検索エンジン(マップ)、ECサイトといった商材は
今や幅広い世代の人が利用する生活インフラですよね?
世界的大企業が選択した広告戦略なのですから、
テレビCMは理にかなっているという判断なのでしょう。

逆に最近めっきり減ったのが化粧品のCMです。
社会の変化によりテレビとの相性が悪くなってきたためだと推測されます。
以前、某化粧品メーカーの広告担当者から聞いた話では、
今は@コスメ(口コミサイト)でいかにして自社商品の評価点を上げるかが
重要な指標になっているそうです。

かつてテレビの影響力が強かった時代のように
テレビCMがきっかけで爆発的なヒットが生まれることは
今はおそらくほとんど期待できないでしょう。

テレビCMの出稿をやめた企業もあれば、
今なお積極的な出稿を続けている企業もあります。
新たにテレビCMの出稿をスタートさせる企業もあれば
デジタル広告だけで売上を伸ばす企業もあります。

テレビCMって効果あるんですか?と聞いてくる人の顔は大体、
テレビってオワコンですよね?と言いたげです。笑

余計な先入観は抜きにして、メリット・デメリットを正しく理解し、
自社の商材との相性を判断することが大切なのではないでしょうか。


▼まとめ
・テレビCMの効果を一概に語ることはできない
・テレビCMの特徴は短期間でのリーチ力
・テレビCMの目的はコンバージョン(顧客獲得)ではなく認知
・テレビCMと特に相性の良い商材は「オトナ×生活」?


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