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なぜ統失 第7部「現代デイケア編」④劇薬💀が処方される!?

前回の続き。

もう一つ程、
ベゲタミンの話について思い出した事があるので語りたいと思います。

デイケアに通いだしてから、
2年くらい経った頃でしょうか、

ある女性の患者さんが、

とある東京の有名大学を卒業されている頭の良い男性患者さんに、
薬の事について相談をしていました。

頭の良い男性患者さんが突然、

「その薬、劇薬ですよ!!」


と大きめの声を上げました。

すると女性の患者さんが、

「なん…私は劇薬を飲まされちょるっちゅうことなんか…」


頭に血が登り興奮し始めました。

そして何かを叫んだ所で、

デイケアの男性スタッフさんが駆けつけてきて、
取り押さえられてしまいました。

そのまま診察室へと連行されて、

約一年間の入院となってしまいました。

劇薬ですよ、
と指摘した男性患者さんは、

男性スタッフさんに、

「まぁ、確かに劇薬なんじゃけど、飲まんといけんのんじゃけぇ」

てな感じでお説教を受けていました。

その女性患者さんとは仲が良いので、
今でも一緒に色々な話をします。

やはりとっくの昔に製造中止になっているベゲタミンの事だったそうです。

まだ在庫があったんでしょうか…

僕の主治医だった先生は処方出来ないと言っていましたけど…

同じ病院内でも、
主治医の先生によってかなり方針が異なるのでしょう。

この女性患者さんは、
初めに精神科を受診した時には、

自律神経失調症だと診断を受けたそうです。

それから暫くして、

統合失調症に病名が変わり、

退院後に主治医の先生が変わってからは、

双極性障害と診断されているそうです。

劇薬のベゲタミンを処方していた先生も、
齢80を遠に超えたおじいちゃん先生でした。

主治医がこの先生の時に、
統合失調症と診断されていたそうです。

この先生が主治医だった期間中、

両手で数え切れない程、
入退院を繰り返したと言っていました。

この先生は、
お亡くなりになる寸前までこの病院で働いていました。

よく診察中に証券会社から電話が掛ってきて、
売るとか買うとか言う話を、
患者の前でしていたと聞いています。

だいぶ負けが込んでいたらしいですよ。

この先生の患者さんが、
みんな入退院を繰り返していると言うことで、
看護師さん達の間でも有名な話だったそうです。

ある日、
ここの病院の心理士さんが、
その女性患者さんに、

「もしかして薬が合ってないんじゃない?」

「私が先生に話してみる」

と言って話を通してくれたそうです。

薬の処方が変わってからは、
すごく楽になったと言っていました。

それから今までの間の約5年間、
調子を崩す事も無く今もデイケアに通っています。

続く。



















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