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なぜその本を読もうと思ったか。
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2023年12月の記事一覧

あとで読む・第35回・法頂『無所有』(東方出版、金順姫訳、2001年)

2008年11月から1年3か月ほど韓国に留学した。私が39歳から40歳にかけての時である。留学といっ…

三上喜孝
6か月前

あとで読む・第34回・大江健三郎『万延元年のフットボール』(講談社学芸文庫、1988年…

つい最近、知り合いと大江健三郎の話題が出たとき、そういえば私は大江健三郎さんの小説を、一…

三上喜孝
7か月前
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あとで読む・第33回・畠山理仁『黙殺 報じられない無頼系独立候補たちの戦い』(集英社…

今年(2023年)中に観に行かなければと思っていた映画『NO 選挙、NO LIFE』(監督:前田亜紀)を…

三上喜孝
7か月前
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あとで読む・第32回・桑原水菜『遺跡発掘師は笑わない 災払鬼の爪』『遺跡発掘師は笑…

ぼやぼやしているうちに、桑原水菜さんの『遺跡発掘師は笑わない』シリーズが、今年(2023年)…

三上喜孝
7か月前
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あとで読む・第31回・榎本空『それで君の声はどこにあるんだ? 黒人神学から学んだこ…

仕事にかかわる緊急性の高い本は通販サイトで入手することがあるが、それ以外の本はできれば書…

三上喜孝
7か月前
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あとで読む・第30回・宮沢章夫『今日はそういう感じじゃない』(河出書房新社、2023年)

目下の問題は狭いマンションの部屋が本で溢れかえっているということである。本棚に入らないも…

三上喜孝
7か月前
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あとで読む・第29回・全卓樹『銀河の片隅で科学夜話』(朝日出版社、2020年)

今年(2023年)の4月、かつての教え子二人が私の職場を訪れ、そのうちの一人、東北地方の市立図書館に勤務しているほうの教え子から1冊の本をいただいた。それが標記の本である。 その教え子とはめったに会うことはないのだが、会うたびに最近読んで面白かった本というのを教えてくれる。それも、いわゆるベストセラーではなく、本好きの人の知る人ぞ知る本、といったもので、本に対する真摯な姿勢に敬意を表して、その教え子の薦めてくれた本を入手することにしている。今回は、山形市の八文字屋という老舗の

あとで読む・第28回・G・ガルシア=マルケス『百年の孤独』(鼓直訳、新潮社、2006年)

少し前の高野秀行さんの旧Twitterで、 「ガルシア=マルケスの『百年の孤独』が文庫化!! つ…

三上喜孝
7か月前
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あとで読む・第27回・朝井リョウ『そして誰もゆとらなくなった』(文藝春秋、2022年)

朝井リョウさん原作の映画『桐島、部活やめるってよ』が2012年に公開された時、「おじさん界隈」…

三上喜孝
7か月前
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あとで読む・第26回・本多きみ『ゴジラのトランク 夫・本多猪四郎の愛情、黒澤明の友…

幼い頃、父に連れられて「東宝チャンピオンまつり」に行くのが楽しみだった。「東宝チャンピオン…

三上喜孝
7か月前
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あとで読む・第25回・山田太一『岸辺のアルバム』(小学館 P+D BOOKS、2018年)

山田太一さんの代表作として知られる『ふぞろいの林檎たち』が放送されていた頃、私は10代後半…

三上喜孝
7か月前
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あとで読む・第24回・佐々涼子『夜明けを待つ』(集英社インターナショナル、2023年)

「本屋大賞2020年 ノンフィクション本大賞」を受賞した『エンド・オブ・ライフ』(集英社イン…

三上喜孝
7か月前
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あとで読む・第23回・神田伯山『講談放浪記』(講談社、2023年)

いまから11年ほど前の2012年夏、まだ私が前の職場で大学教員をしていたときのことである。同僚…

三上喜孝
7か月前

あとで読む・第22回・ダースレイダー『イル・コミュニケーション 余命5年のラッパーが病気を哲学する』(ライフサイエンス出版、2023年)

告白すると、「ヒルマニア」である。ヒルマニアというのは、毎週金曜日のお昼から配信しているYouTube番組「ヒルカラナンデス」のファンのことで、時事芸人のプチ鹿島さんとラッパーのダースベイダーさんが約2時間、その週に起こった時事ネタを、「まじめに」「茶化しながら」トークをくり広げる。このグルーヴ感がたまらない。聴くほうは、政治を始めとする時事的な話題についての知識と、かつ彼らがくり出す掛け合いを面白いと思う感性が試される。そこにハマった人は、まんまと「ヒルマニア」になるわけで