鉛温泉(岩手県花巻市)へ行ったあとは 宮沢賢治を訪ねる
岩手県花巻市にある鉛温泉へ行ってきた。
その帰り、どうしても立ち寄りたいところがあった。それは「宮沢賢治記念館」。
今回はその賢治先生の話。
小学生の頃、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」を読んだ衝撃はいまだ忘れられない。
物語の中に迷い込んでしまう美しい景色の描写、独特のオノマトペ、そしてなんとも言えない心のざわつき感…そこから、わたしの宮沢賢治好きははじまった。
岩手県花巻に行くことが決まってから、どうしても賢治先生が見た景色を見たかった。どうしてもどうしても賢治先生の頭ん中をのぞいて見たかった。
ふふふ。すごくすごく楽しみだなー。
宮沢賢治記念館
記念館へは新花巻駅から向かう。
歩いてでも行けるが、山の上にあるからタクシーで行くのが楽よーと地元の方に言われたのでタクシーで。
記念館は宮沢賢治の心象世界や作品世界を5分野に分類し、作品に至る創作過程などを展示している。
この展示はまさに宮沢賢治の頭ん中を探っていくもの。非常に興味深かったし、知識の豊富さにただただ驚くばかりだった。
宮沢賢治作品は正直難しい。
「銀河鉄道の夜」は童話といわれているが、どれくらいの子どもたちがこの内容を理解しているのだろうかといつも思っていた。
大人になって多くのことを学び感じるようになってから、はじめて情景のつながりや意味がわかり、そしてこれは天文学的な宇宙をあらわしつつも哲学的な宇宙もあらわしていたんだなーと気付く。
「銀河鉄道の夜」を読んでから今まで賢治先生とともに考えている言葉がある。
たびたび物語にでてくる「ほんとうの幸い」。
カムパネルラが「わからない」と言ったように、「ほんとうの幸い」なんて死ぬまでわからないだろうし死んでもわからないと思う。見つけるためには迷い悩み続けることになるだろうから、幸いを見つけるために苦しさをともなうなんてただただつらいことだ。
だけども、それを見つけるために考え行動をしていかないと、なにかが壊れるような気がする。それは自分自身だったり、まわりの世界だったり。
だからわたしはこの言葉をいつも問い続けながら行動をしてく。そう「ミンナニデクノボートヨバレテ」もだ。
さすがに頭をつかうとおなかが空く。
さてお昼ごはんにしましょうか。
Wildcat House山猫軒
宮沢賢治作品「注文の多い料理店」をイメージしたレストラン「Wildcat House山猫軒」。
ここも楽しみにしていたよー。
店内には物語同様あちこちに注文が書かれています。
物語と違うのはちゃんと注文して食事ができること。
化け猫に食べられず、無事食事ができ、無事レストランを出ることができました。よかったねー。
さて、宮沢賢治記念館や山猫軒は胡四王山(こしおうざん)の頂にあるため、ここから山をおりる。
漫画「ざつ旅」3巻でもこの場所が描かれている。
宮沢賢治賢治童話村
山をおりると宮沢賢治童話村が広がる。
賢治先生の童話の世界をビジュアルと音響で体験できるアミューズメント施設になっている。
ここは賢治先生のように空想の世界に入り込むための施設。賢治先生の世界を5つのテーマゾーンで表現されている。
外に出ると、広場やログハウスの展示施設が広がる。
ここは賢治先生の童話に登場する植物・動物・星・鳥・石について学べる施設。
あーーー。
本当に本当に楽しかったーーー。
すべてを知ることは到底できないけれど、ちょっとだけでも賢治先生に近付けたのは本当によかった。
宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」は、没後に発見された手帳に書かれていたメモ書きである。亡くなる約2年前の1931年11月に病床で鉛筆書きされたという。
その手帳の複製をお土産で購入した。
寄り添うことは自己満足の行動だって言われるかもしれない。
けれども、誰かが笑っていたり喜んでいたり、涙を流したり怒っていたらそばで一緒に笑ったり喜んだり、涙を流したり慰めたりしていたい。賢治先生みたいにまっすぐな心をもった人間じゃないけれど、この手帳を胸にまっすぐに生きていきたいな。
また賢治先生に会いに来よう。そのときは少しでも誰かの希望になれていますように。
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