見出し画像

ゆるり鉛温泉(岩手県花巻市)@藤三旅館 2日目

鉛温泉 藤三旅館に宿泊している。

久々にぐっすりと寝れた。

時計を見ると朝6時過ぎ。
白猿の湯はこの時間女性専用だ。

鉛温泉藤三旅館HPより
https://namari-onsen-ryokan.com/

いまだ寝ぼけたまま朝風呂に入る。
外からの光が浴場に降りそそぎ気持ちがいい。
少しずつ頭も体も目覚めはじめる。
朝風呂は最高だなー。


ところで。
ここ鉛温泉は、宮沢賢治作品「なめとこ山の熊」に記されている。宮沢賢治作品に特定の場所が記されているのは珍しい。

猟師 小十郎をめぐる因果と
山の熊の因果について考えさせられる
宗教色が強く感じられる作品。
「なめとこ山の熊のことならおもしろい。」
と書き始められているが、
美しく悲しい話だとわたしは思う。

宮沢賢治は藤三旅館・藤井家と遠戚関係にあることからよく鉛温泉に訪れていたという。
かつて鉛の湯の入口にあった「なめとこ山の熊の胆あり」という看板に発想を刺激され、山の中を歩きながら想いを巡らせ、この作品ができたと考えると興味深い。
そのこともあり、館内は「なめとこ山の熊」をモチーフにしたデザインがいくつかある。

重要なシーンのひとつ
「熊が小十郎に2年後命を渡す
約束をしているシーン」か

これから向かう白糸の湯には、この童話をモチーフにした「なめとこ山のサウナ」がある。うわー期待が高まるー。

●白糸の湯
朝7時。
白糸の湯が女性専用に。

いざ
展望半露天風呂から望めるのは白糸の滝
鉛温泉藤三旅館HPより
https://namari-onsen-ryokan.com/

なめとこ山のサウナは、今年2024年1月にオープンしたばかり。

サウナに入ると猟師小十郎の姿が‼︎
うぎゃー賢治先生の姿が‼︎
オートロウリュがあり、
サウナヒーターの湯気を
銀河鉄道の湯気と見立てる。
深さ1.25mの水風呂に入り…
白糸の滝を眺めながらととのえる

サウナに入りながらこんなわくわくした気持ちになるなんて最高‼︎

さて。
朝風呂堪能しすぎておなかぺこぺこ。
ようやく朝ごはん。

あ。楽しみにしていたハムエッグは
写真に見切れてる‼︎
バターの香りが食欲をそそる
ハムエッグは噂通りのおいしさ‼︎

その後は、もう一度白猿の湯を堪能してチェックアウト。
あぁー温泉大満喫したー。

旅の思い出帳


そう言えば。
藤三旅館館内をぶらぶらしていると、岩手県の民俗芸能「鹿踊(ししおどり)」のデザインをよく見かけた。

岩手県の無形民俗文化財に指定されており、地域の平安と悪霊の退散を祈願する舞、といわれている。
腹に太鼓を下げ、それぞれの踊り手が歌をうたい、太鼓を打ち鳴らしながら踊るのが特徴であり、花巻の鹿踊の多くは「太鼓踊り系」に分けられる。
装束は、馬の黒い長毛をカシラのザイ(髪)とし、本物の鹿の角を立てる。
背には腰差しのササラと呼ばれる竹を一対つけ、それが頭上高くかかげられている。
ササラを振り、太鼓を打ち鳴らしながら、舞うのが鹿踊。

そして気が付いた。
宮沢賢治作品「鹿踊のはじまり」の鹿踊はこれだったのかと。

忘れた手拭いを取りに戻った嘉十と
その手拭いを囲んで相談しあう
6匹の鹿たちの姿を描いた作品。
確かに表紙は民俗芸能 鹿踊が
デザインされていた

神の使いとして信仰の対象とされていた鹿が歌い踊るシーンは、あまりの神々しさにぐっとくる。
黄金色に光を放つ太陽、銀色に輝くススキの穂、そしてその中で祈り歌い踊る鹿の姿。情景が美しすぎる。
宮沢賢治がこの鹿踊りを愛していたことが作品を通じてだけでなく、ここに訪れたことによって感じられたのがよかった。

宮沢賢治が「鹿踊のはじまり」のモデルとした踊り「かかし踊り」はこちら(10分53秒あたりから)↓

やはり民俗芸能は神事ごとだなと改めて思わされる。
神が降り立ち、生きとし生けるものみなと一緒に生きていることへの喜びを分かち合う。非常に興味深い。

まだまだいろいろな世界をみてみたいな。
まだまだいろいろな場所へ出かけて行かなくちゃ。さて、次はどこへ行こう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?