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鉛温泉(岩手県花巻市)へ行く前に 遠野へ

岩手県花巻市にある鉛温泉へ行ってきた。

母ふさこが行きたいと言ってきたので、鉛温泉へ向かう前には遠野に立ち寄っていた。
今回はその遠野の話。


遠野へは新花巻駅から釜石線で向かう。
電車は1時間に1本。
うわー、これじゃ遠野滞在時間は2時間しかないよ。遠野、楽しめるのか⁉︎

新花巻駅釜石線は、新幹線改札口と直結していない。一旦外に出て、地下トンネルを抜けて釜石線ホームにつく。
この不思議な駅のつくりは、東北新幹線新花巻駅を設置するための紆余曲折を経た結果なのかもしれない。
その話は長くなるので、こちら参考を↓

新幹線改札口から一旦外に出て
地下通路へ。
うわーーー。
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」
をイメージした地下通路だ。
釜石線新花巻駅。
素朴な感じがよい。

釜石線の前身は岩手軽便鉄道であり、宮沢賢治作品「銀河鉄道の夜」のモデルとされている。
そのため「銀河ドリームライン釜石線」の愛称で呼ばれ、ホームも作品に合わせデザインされている。

釜石線の全駅には駅名に
エスペラント語(世界平和のための人工言語)
による愛称がつけられている。
これは「銀河鉄道の夜」で
エスペラント語が多用されているから。
新花巻駅は星座を表す「ステラーロ」。
かわええー。
「星めぐりの歌」の詩が
デザインされている。
「銀河鉄道の夜」でも度々登場してくる歌。

物語の登場人物になった気持ちにさせてくれるこのつくりが素晴らしい。
さて。ジョバンニのように銀河鉄道にのって出発しようか。

遠野までは45分ほど電車に揺られる。

遠野駅の愛称はエスペラント語で
民話を表す「フォルクローロ」


遠野といえば…「民話」

遠野といえば、柳田國男「遠野物語」に代表されるように民話の里として知られている。
河童や天狗、座敷童子や雪女、里の神、山の神などなど、人間世界とは違うもうひとつの世界が隣合わせになっている場所。
そう。そんな世界はいつも隣合わせなはずなんだけど、遠野まで足を運ばないと出会えなくなってしまったんだ。

カッパ談笑中。
カッパ捜索中。
カッパ見守ってくれ中。
おーい。天狗やーい。

あっちの世界にどっぷりハマりたいのだが、なんせ遠野滞在時間は2時間。
今回はざざっと民話の世界を味わうために、とおの物語の館へ向かう。

ここでは「遠野物語」の世界をわかりやすく体験できる。
語り部が昔話を実演する「遠野座」、物語を切り絵や影絵、映像などで楽しむ「昔話蔵」、柳田國男の生涯・功績を紹介している「柳田國男展示館」とまさに民話のテーマパーク‼︎ 魅力的すぎる‼︎

昔話蔵

とにかくここはすごかった。
民話を見て触って聞いて体験できる。わくわくがとまらないし、どっぷりと民話に向き合える。

機織り機に触れると…
鶴が布を織っている‼︎
「鶴の恩返し」ね‼︎
下駄に触れると…
天狗さま‼︎
オリジナル桃太郎だって作れちゃう‼︎
桃姫が鬼退治行っちゃうよ‼︎
お供は…うさぎ⁈
カッパ様が泳いできたよー。

「遠野物語」は柳田國男だけでまとめられたわけではなく、遠野出身の民話研究家 佐々木喜善(ささききぜん)が柳田に語ったことにより生まれたことがわかったのも興味深かった。佐々木は「日本のグリム」と呼ばれているのかー。

柳田國男展示館
柳田國男が遠野で滞在していた宿
高善旅館を展示スペースとしている。

ところで、わたしは未だ「遠野物語」を読み終えていない。途中で眠くなったり、あっちの世界に入り込みすぎて怖くなってしまうから。
でもこの本を読んでから「遠野物語」を体験したくなっている。

「本当にはじめての遠野物語」
富川岳
「遠野物語」と言えば薄暗いイメージだが、
こちらはなんてポップでキュートなデザイン‼︎

「遠野物語」が誕生した背景からわかりやすく解説をしているため興味を持ちやすい。
なにより文化を面白がろう‼︎…という作者の気持ちがあらわれていて、こちらまでわくわくする。
次、訪れる際はこの本を片手に物語の舞台を訪ね歩こう。その前に「遠野物語」を読み終えなきゃね‼︎


遠野といえば…「ジンギスカン」

遠野では盛んにジンギスカンが食される。
老舗店「ジンギスカンのあんべ」
初代が従軍中に旧満州で口にした羊肉料理が忘れられず、自ら羊肉を取り寄せて家族や皆にふるまったのがはじまりとのこと。
遠野では、もともと綿羊が飼育され羊毛を生産していたという歴史があったため、羊肉が身近であったことも広まった理由かもしれない。

ジンギスカンにビールなんて最高だよね‼︎

遠野にきたのだからジンギスカンが食べたい‼︎
…と意気込んでいたのだが、昼間からジンギスカンを提供しているお店がなかったり、あったとしても駅から遠かったり、お休みだったり…いやはや、日頃の行いがここであらわれるとは。

いや。神様は見捨てなかった‼︎
立ち寄った喫茶店でジンギスカン料理を発見‼︎

お休処 やおちゅう
ジンギスカンのキムチ丼

焼肉ではなかったけど、遠野でジンギスカンを食べる‼︎を達成できてうれしい。柔らかくてジューシー、あの羊肉独特の風味がおいしいなー。

遠野のジンギスカンといえば、
ジンギスカンバケツ
野外でジンギスカンを食べようと
考案してくれた方に感謝だね‼︎


遠野といえば…「ホップとビール」

遠野は日本随一のホップ生産地。
ビール好きのわたしにとっては聖地だよ‼︎

ホップ畑で乾杯するのが夢‼︎
Discover Japan HPより
https://discoverjapan-web.com/article/10040

遠野でホップ栽培がはじまったのは1963年(昭和38年)のこと。寒暖差のある冷涼な気候で、台風も少ないということもあり、遠野はホップ栽培には最適な土地だったという。
作付面積は現在も日本一を誇っているが、ピーク時に比べると作付面積、生産量ともに5分の1ほどにまで落ち込んでいる。
その危機を乗り越えるために動き出したビールコミュニティのひとつが遠野醸造

遠野醸造
遠野のホップなどの地域資源と
市民をつなげて醸成できる場所を目指して
創業されたブルワリー。
みんなを巻き込んでいく姿が素敵すぎる‼︎
いつかは生ホップの毬花をビールの泡に
浮かべて飲んでみたい‼︎

今の時刻は14:50。
17:00の開店時間までまだまだ時間があるし、これから鉛温泉にも向かわなくてはならない。
飲めなくても、ここに来れただけでも満足よ‼︎…と思いながら、店内を覗いていると…

…と、店内からお姉さんの声が。
えーーー。そんなーーー。知ってたら飲みに来てたよーーー。
電車の出発時間も迫っているため、泣く泣く立ち去ろうとすると、持ち帰りビールがあるとまたまたお姉さんの声が。
わーーい。購入させてくださーーい‼︎

ランタンエール
北上・やさいやねこのての食用ホオズキを
使用したベルジャンウィート。
(白ビール、副原料としてホップ以外に
オレンジピールやコリアンダーの実を
投入して作られるのが特徴)
酸味があるなーと思ったら
食用ホオズキなのか‼︎
サンクスセゾン
2023 年収穫された遺野産ホップIBUKを
100%使用したセゾンビール。
(夏の農作業中に喉を潤すための
ビールとして生まれたので、
口当たりは軽くさわやかな風味なのが特徴)
フレッシュ感あふれごくごく飲める。

お姉さん‼︎ ありがとうございます‼︎
今度は遠野ホップ収穫祭でお会いしましょう‼︎


ばたばた2時間滞在の遠野でしたが、知りたいこと食べたいこと飲みたいことを全部体験できて大満足‼︎
訪れて気付いたことは、遠野ではつながりをとても大切にしているってこと。それはもちろん人と人とのつながりもだけど、精神世界のものたちともつながりを大切にしている。
それは今の時代だからこそ、わたしはこのつながりというものを見直し考えていきたいし、それを楽しみたいなーと思う。
まだまだ遠野で学ばなくちゃならないみたいだね。また来るね‼︎ 遠野‼︎

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