見出し画像

90年代の楽曲に乗って、あの頃へ

90年代。

あなたにとって、それはどんな時代でしたか?

1983年生まれの僕は、小学生から高校1年生までを過ごした時期。幼少期から思春期に入り、青春前夜とも呼べる頃までにわたる。

振り返ると、もう忘れてしまったことも多いけど、いくつかの記憶に紐づいて必ず思い出されるものがある。そう、音楽だ。思い出を呼び起こす装置としての音楽の性能は、写真と同じくらい有能だ。

おそらく母親の影響で、僕は音楽を聴くのが好きだった。中でも、日本の音楽。90年代は、日本の音楽、いわゆるJ-popが凄まじい勢いを誇っていて、もしかしたら最も輝いていたかもしれない。

いつか、90年代のJ-popをテーマにして小説を書きたいと思っていた。yoasobiは小説をネタにして楽曲を作っているけど、その逆。「小説で歌をカバーする」といった試みに挑戦してみたかった。

それはずっと思っていたことで、構想だけは長らくあったのだけど、形にはできないまま時間が過ぎ去っていった。でも、脳内に留めていると、何かしらがきっかけでピンと来ることがある。

ある日、たぶん一昨年の秋くらいだったと思うけど、家族で居酒屋でご飯を食べているとき、店内に流れるBGMを聴いた義弟がふとこんなことを言った。

「おしゃれな洋楽じゃなく、90年代の歌とか流してくれたほうがうれしいですよね」

この一言が「小説で歌をカバーする」試みの土台となり、舞台をバーとする決め手となった。その数か月後、年が明け、神戸に珍しく大雪が降った日に僕は導かれるように書き始め、春が訪れる直前に書き上げることができた。

それが今日、Kindleでリリースした新作小説「BAR90's」である。数か月かけて推敲を重ね、表紙を絵描きのhareちゃんに描いてもらい、大阪梅田にある「BAR道成」の和田さんに校正にご協力いただいて、本作品は完成した。

僕自身、小説のリリースは2020年夏に発売した「おばけのリベンジ」以来、約4年ぶりなので、ドキドキしている。僕は「おもしろい」と思って提供しているけど、読み手の方々の感想はコントロールできない。すべてのクリエイターは、この覚悟を持って作品に世に出している。だから、僕はモノを作る人たちへの敬意を忘れたくないとつくづく思う。

新作小説「BAR90's」は、Kindleで500円です。Kindle Unlimitedご加入の方なら、無料でお読みいただけます。

<ここは、1990年代の楽曲が流れる一軒のバー。お香のにおいに包まれて眠った客は、歌に乗って、あの頃に帰る>
「BAR90's」には、人生に疲れた客が訪れる。小説家になれないフリーライター、不倫で狂ったキャリアウーマン、窮地に陥る政治家、同窓会帰りの気まずい女性2人組……。不思議な力を持つ店主のバーテンダー傘木(かさき)は、訪れた客にとって必要な90年代の楽曲を選んで流し、お香を焚いて過去への旅へと誘う。彼ら彼女らは、あの頃に帰って何を思い出すのか。
目次
第1章 空も飛べるはずだったのに
第2章 踊る君に狂った女
第3章 孤独な政治家
第4章 輝き忘れた私たち
第5章 逃避行ノムコウ
第6章 やっぱり何も言えなくて
エピローグ たまにはこうしてさ

小説「BAR90's」

90年代の楽曲に乗って、あの頃へ。

お読みいただければ嬉しいです。下記YouTubeには、新作小説のリリースにあたり、僕からの「お願い」メッセージをアップしました。

おもしろかったら、ぜひレビュー投稿をお願いいたします。おもしろくなかったら、そっと心に閉まっておいてください。傷付くから笑

★Kindleにて小説「おばけのリベンジ」販売中!

★いしだえほんにて絵本「スマバレイの錆びれた時計塔」販売中!

★YouTube「FMスマバレイ」たまに配信中!


よろしければ、サポートお願いいたします!頂戴しましたサポートは、PR支援や創作活動の費用として大切に使わせていただきます。