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働きマンな私の妊娠による苦悩と奮闘の徒然日記【妊娠から出産まで】

5月に男児を出産し、先日ようやく3ヶ月が経ちました。出産したばかりの頃の毎日大炎上&疲弊MAX &激痩せで心身ともにボロボロの状態から、ほんの少し、ほんの少しだけ余裕が出てきたので、転職、妊娠発覚から出産までを振り返って記しておこうと思う。

転職から入社までの流れ

前の記事で書いた通り、私は4ヶ月の転職期間を経て、大手外資系ITコンサル企業へ入社した。高卒で学歴もない、さらに派手な経歴や実績があるわけではないため、「どうして私が?やっていけるのか…」と思ってしまったのは言うまでもない。

入社後

正直、お恥ずかしながら入社後の研修では、周りのレベルが高すぎて全くついていけず、頭がおかしくなりそうだった。ほぼ毎日朝4時に起きて予習復習しても追いつけず、悔しくてほぼ毎日泣いていた。
次第に私は怯えだした。「クビになったらどうしよう」「迷惑かけたらどうしよう」「給料泥棒(=ただのコスト)になったらどうしよう」、そんなことばかり考える日々が続いた。
正直、若干ノイローゼ気味だったと振り返ると思う。

その後、苦しい苦しい2週間の研修をなんとか自分を鼓舞しながら乗り切り、新規業務システム開発案件のプロジェクトにアサインされた。
担当分野はWebディレクションと開発、UIUX。アサイン当初もまた、初めてのリモートワークで不慣れだったこともあり、なかなかPJメンバーとコミュニケーションがうまく行かず、迷惑ばかりかける日々が続いた。
ただありがたいことに、PJとは別の、所属部署および所属チームや直属の上司があまりにも優秀かつ良い方ばかりで、何とかおんぶに抱っこにサポートしてもらいながら、くぐり抜けることができた。

また、PJチームの方々と少しずつ打ち解けて行くことができ、「まぁそもそもこんなに優秀な人しかいない集団の中で働くことなど今後はないと思うから、クビになったらそれはそれでいっか」と割り切るようにした。
そうすることで、自分のやるべきことだけに集中することができ、少しずつ気持ちが楽になってきた。
ありがたいことに少しずつ仕事もで成果をあげられるようになり、承認欲求も回復してきた。

そんな中・・・・・・・・


まさかの妊娠が発覚


この時は、ちょうど入社して2ヶ月のタイミングである。
この時のわたしの心境はと言うと、

  • ちょうど仕事が楽しくなってきた時なのに嘘でしょ・・・・

  • 育成込みで入社してる(多分)のに会社に対して申し訳なさすぎる・・・

  • 面接で子どもの予定を聞かれた時にキッパリ否定したのに嘘つきかよ・・・

  • 産育休から帰ってきたら浦島太郎になる予想しかできない

  • 復帰後、戦力外通告が出て今以上に迷惑かけたらどうしよう・・・

  • クビになったらどうしよう

  • 妊娠中体調不良で働きづらくなった場合、お荷物になるのではないか


とまぁ、子どもが欲しくて恵まれない方には大変申し訳ない気持ちでいっぱいなのだが、正直、嬉しい気持ちよりもネガティブな気持ちのほうが圧倒的に強かった。
息子よ、本当に申し訳ない。これが母の本音だ。

もちろん、嬉しい気持ちもあった。30代後半のため、子どもを授かることはもう厳しいかもしれないと半ば諦めていたためだ。
諦めていたさなかに子どもを授かれたのは、有り難さがいっぱいなことは確か。

そして、そんなことを考えている私に、とんでもなくショッキングなことが起きた。

育児休業給付金が受給できない

それはなぜか。
「雇用保険を支払っていた期間が足りないから?」「雇用保険加入義務を違反していた企業で勤めていたから?」

いずれも違う。
一年間在籍した前職の退職後に失業給付を受け、さらにその後入社した会社に入って間もなく、出産までの期間が一年に満たなかったためだ。

詳しくは下記の通り。

“育休手当の受給要件には「育児休業を開始した日前2年間に、雇用保険の被保険者期間が12ヵ月以上ある」という要件があるが、退職して再就職するまでの間に失業給付を受けている場合、被保険者期間はリセットされます。したがって前職分の被保険者期間は育休手当受給のための期間に含まれず、要件を満たさないということで育休手当を受け取れないのです。”
by一般社団法人公的保険アドバイザー協会

は!?
「リセット」・・・!!?と。

失業給付の金額は給与による。恥ずかしながら前職は総支で20万円程度だったため、失業給付の金額はおよそ月11万円程度。それを僅か3ヶ月間受け取ったばかりに、最大2年間受給可能な育児給付金が支給されないことがわかったのだ。

試しに、仮に一年休んだとして、自分の場合いくらもらえるはずだったのか計算してみた。
すると、5月が出産予定の自分の場合、次の年の4月に職場復帰する場合、なんと約250万円!一年半だと、約495万円!!
失業給付をたった3ヶ月受けただけで、この大金を受け取る資格を失ったのだ。

そもそも転職は自発的にすることができても妊娠は自発的にはできないのに、なぜこのような策にしたのだろう。
国のこのような愚策が悔しくて悔しくて仕方なくて何度も泣いたし、自分の不運さを呪った・・・・。

また、実はあと3ヶ月・・・。あと3ヶ月遅く生まれていてくれれば、育児給付金は受給できたために、「なぜこのタイミングなんだ…どうしてなの?」と、妊娠したことすら恨んでしまったこともあった。悔しくて仕方なかった。

真面目に雇用保険をコツコツ支払い続けてきたのに、自分が何をしたのだ?などと考えていた。


妊娠初期

が、制度上どうすることもできないことをこれ以上悔いても仕事へのモチベーションが下がるし、悲しくて仕方ないため、諦めて仕事に励むことにした。

ちなみに世の中には、「魔の12週」と言うものがあるらしい。
年齢や状況にもよるのだが、基本的には12週を過ぎると流産の確率が著しく下がるため、 これまでに順調に進んでいれば基本的には安心しても良いと言う基準らしい。
幸い、私は難なくクリアすることができた。

徐クリニック ARTセンター


子育て中の働く友人に話を聞く

自分の場合は根っからの仕事人間ということもあり、また、先述の育児休業給付金が出ないことも相まり、すぐに働きたいと思った。

そのため、子育てしながら働くとはどういうことなのかということをイメージするために、働くママの友人や会社の人事の方から色々な話を聞かせてもらった。
その結果もらった意見はこちら。

  • 比較的半年くらいまでは子供の夜泣きがキツいので、日中は睡魔との戦い

  • 3ヶ月での復帰は無謀。少なくとも半年は空けるべき。

  • 母親は出産で身体がボロボロと心得よ

  • 子どもはしょっちゅう熱を出す上に、保育園で熱を出すと引き取りに行かないといけない

  • 子どもが入院となった場合、保護者として母親も一緒に止まらないといけない上に母親用の食事は用意されないため別途用意が必要

  • 行政によって様々な制度があるので一度区役所に聞きに行くべし

  • 行政で行われてるファミリーサポートが便利。事前に調べて登録すると良いかん

  • 病児保育は便利。すぐには使えないので事前に登録しておくと良い

  • 夫婦で分担はしっかり決めたほうが良い。夫の協力体制が生命線

  • 予防接種は大量に打つ。毎月打つようなイメージ。とても大変

  • 保育園は早く動いたもの勝ちなので事前に色々調べるべし。不明点は区役所に聞くべし

  • 母乳育児のまま働くと母乳に栄養が全部持っていかれるので体がかなりしんどい


などなど、ここに書ききれないほどのありがたいお言葉をたくさんいただいた。
また、この時に色々な意見をもらったおかげで、出産後はとても助かった。
この方々には感謝しかない。
この場を借りて感謝を申し上げたい。

妊娠中期

そんなこんなしているうちに、あっという間に妊娠中期。
直属の上司と、部長と課長クラスにはこのタイミングで報告した。

また、このくらいから、身体のあちこちで不調が出始めることになる。

ちなみに、日本人の4人に3人はひどい悪阻(食欲不振や嘔吐、吐き気、偏食、においへ敏感になる、食べ物の好みが変わる)などのの症状があると聞くが、同じく全く症状のなかった母親からの遺伝か、私の場合はラッキーなことにそのような症状がまったくなかった。

その代わりと言っては何だが、私の場合は普段から感じている腰痛や肩こりが著しく悪化した。
しかしお腹が大きくうつ伏せになれないため、マッサージ院にも行けない。
痛くて痛くて仕方ないのにも関わらず、医者としても手の施しようがないため、「産めば治ります」としか言われず、まさに地獄。。。
リモートワークで通勤がなかったために働けたものの、これが通勤がありであれば、私は早々に音を上げていたと思う。

そして当然だが、週数が増える度に体重が増えお腹が大きくなり、自由に動き回ることができなくなるため、ひどくストレスになっていった。
おまけに、妊娠中は食べ物や飲み物がものすごく制限される。
特に、生魚や生肉など生のものが大好きな私にとって、これらが食べられなくなったのはものすごくストレスだった。もちろんお酒も。

参考:これからママになるあなたへお魚について知ってほしいこと(厚生労働省)

体の不調からストレスが爆発

病は気からというが、この時の私はその逆で、体中が痛くなることで気持ちもどんどん落ち込んでしまい、ストレスが爆発した。
またこの時期、仕事上にて自分の不甲斐なさで色々な人に迷惑かけたり、思ったような成果が出せないことも重なった。
その上、お酒で憂さ晴らしをすることもできず、コロナのこともあり友達と遊びに行ってストレス解消することが叶わないことも大きかった。


そこでぶり返してしまう、「育児給付金の不受給」、「想定外のタイミングでの妊娠」、そして「キャリアへの不安」。

仕事しながら泣いたいたこともあったし、泣きながら運転して産婦人科へ通院したこともある。本当に本当に辛くて仕方なかった。


そしてついにこんな状態にまでなった。

祝福の言葉すら喜べない


下手すると、人から「おめでとう!」と言われることすら悲しくなった。

そもそも、妊娠は必ず祝福されるものなのか?本当に喜ばしいことなのか?
妊娠したことが知られると必ず「おめでとう」と言われるのはなぜなのか?そんな疑問すら感じるようになってしまっていた。

また、

命を預かるという責任重大な所業にただただ恐怖

これから自分が育てることになるであろう対象は、犬や猫ではない。「ヒト」だ。
「ヒト」・・・・・。

ペットとは大きく違うことは、動物愛護センターや里親を探したりすることができないこと。
一度産めば、死ぬまで面倒を見る責任がある。(もちろんペットだからといって簡単に捨てることなどは許されないことだが、その責任の重さは全く違う)

また、子育てに失敗したら?
教育を間違えて人生で足を踏み外したら?
自分が放った言葉によってその子の人生が変わってしまったら?
自分の行動一つで子どもに大きな傷を与えてしまったら?

ちなみに私は幼少期から、優秀な兄と弟といつも比較され、「お前は不出来な人間だ」「お前に〇〇は無理」「どうしてお兄ちゃんや弟と同じようにできないの?」「お前に〇〇は無理だからさっさと結婚しろ」などと散々言われて育った。
そのおかげで、自己肯定感が著しく低く、劣等感の塊のような人間になってしまった。

今でもその言葉は頭から離れないため、それだけ親の言葉は子どもにとって大きな影響を与えてしまうのだろう。



もしも誤って、トラウマを負わせるようなことを言ってしまったら・・・・

でも、仕事と違ってやり直しすることも中断することもできない。パソコンと違って「Ctr+Z」でなかったことにすることもできない。。
そんな「失敗の許されない」所業を、この私がしなければいけないのかと思うと、その重責に不安で不安で仕方なくなっていた。

また、人間の赤ちゃんは、その他の生物(多くの昆虫や犬、猫の哺乳類など)と違い、親が面倒を見てあげないと基本的には生きていくことはできないものである。
目を離した隙に命を落としてしまうということも、現実的にはあり得る。

そんな恐ろしいことをこれから私はするのか・・・・と恐怖に駆られていた。


悶々とマイナス思考に陥ってしまう

他にも、この時期には悶々とマイナスなことばかりを考えてしまっていた。
下記は一部。

  • 出産後の自分のキャリアはどうなるのだろうか

  • 万が一ニュースで毎日のように登場するような、子ども殺しの親になったらどうしよう

  • 自分の子育て一つで、人一人の人生に影響を与えてしまうなんて責任重大すぎて怖い

  • もしも自分の人生が上手くいかないと感じた時に子どものせいにして八つ当たりしたらどうしよう

  • 自分みたいな子どもには子育てする資格なんてない

  • 両親のことが許せていない私なんかに親になる資格はない

  • 万が一全く可愛いと思えなかったらどうしよう


また、友人に教えてもらったTwitterの記事を見て、まさに自分が感じてる不安が詰まっていて、何度もボロボロ泣いた。


坐骨神経痛で歩けない

ある日起きたら突然激痛が腰に走り、息苦しいほどの痛み。
タクシーを呼びようやく病院で見てもらったものの、やはり医師から告げられるのは、
「出産したら治ります。仕方ありません。」
の一言のみ。
この痛みはニ週間ほど続いた。
誰も治してくれない、改善する見込みもあるかどうかも分からない。治っても次にいつ痛みが再発するかも分からない。その恐怖。

優先席を譲ってもらえない

二度ほど電車で途中お腹が痛く、手すりにつかまっていたことがあったが、悲しいことに優先席を譲ってもらうことができなかった。
明らかに大きなお腹で、マタニティマークのキーホルダーもつけていたのに、だ。
これもだいぶ堪えた。

なんだかなぁ、マタニティマークとはただの飾りなのか。
こちらから声をかけることも変だし…これが日本の実情か、とそう思った。




そしてついにこの時期、私はこんな事を考える。

「中絶してしまおうか。」


「ろくでなし!」「せっかくの授かりものなのに何てことを!!」という声が聞こえてきそうだ。それはおっしゃる通り。
しかし、それほどまでに当時の私は追い詰められていた。

そこで、人工妊娠中絶手術をするためには、妊娠22週までにしないといけないことが法律で決まっていることも調べて分かった。
悩み始めたのは18週くらいのこと。まだ時間はある、そう思った。

ちなみに昔から私は割り切った性格で、「自分の子どもができないのであれば里親になり養子縁組を組めば良いのでは」「むしろ年を取り、稼いで経済的に自由になった時のほうが子どもに教育費がかけてあげられるので養子の方が良いのでは」と考えていたので、「どうしても自分の血を分け与えた子どもがほしい」という気持ちは別段なかった。だから人工妊娠中絶手術を受けることに対して引け目はなかった。

ただ、その後自分の両親や夫が子どもの服やおくるみを買ってきたり、すごく喜んでる姿を見て、とうとうこの話は打ち明けられなかった。


育児書の「母性は妊娠中に育まれる」のワナ

世の中には数多くの育児書や育児向け情報サイトがある。
また、ありがたいことに先輩たちがたくさんおり、様々な経験談や考えを伝えてくれる。

ある日母親は私にこう言った。
「妊娠する過程で女性は母親になっていくのよ。頑張ってね!」と。

そして多くのたまごクラブに始まる数多くの育児書や情報サイトの中に、決まって登場する有名な言葉があるのだが、下記である。

「女性は妊娠中に母性が育まれますが、男性は子どもが生まれて始めて父性が生まれます。そのため、女性は男性をちゃんとしたパパに育ててあげましょう」と。

え?なんで?女性だけどうして新しい命を産んでその子を育てて、さらにパパのことまで育てなくちゃいけないの?
しかも女性だって子どもを生むことも育てることも初めてなのに、なぜ「一緒に親になろう」ではなく「あなたが先に親になり、のちに男性にも親になってもらいましょう」という二度手間なの?非効率では?

この話題に触れると話が広がりすぎるため一旦区切るとして、ここで言いたいことはただ一つ。

「私は妊娠中に母性が育まれたとは全く感じなかった。むしろお腹に宿る我が子を愛しいと思ったことも一度もなかった。」である。


母親になる自覚だって正直生まれなかった。ただただ恐怖だった。
そこで私はこんなことを考えた。

「私は母親として欠陥品なのではないか。こんな人が母親になってしまっては社会悪なのではないか。なぜ神様は、母親として適正があり、かつ望んでいる方に授けずにこの私に預けてしまったのだ、と。子どもにとって、完全な罰ゲームなのではないか・・・?」

私はこう感じてしまい、どんどん自分を追い詰めるようになってしまった。

「親は子どもを愛すべき」という呪縛

出産した今振り返ると、そもそも「自分以外は他人」とした場合、子どもであろうと他人なはず。
その論理で言うと、「子どものことは愛すものだ、それが当然」というのは呪縛であり、危険な考えとすら思った。
「子どもは生まれる前から愛しい存在だし、生まれた後も愛しい存在、それが我が子」という風潮は、そうなれなかった者にとっては追い詰めることにしかならないのではないかと思う。

ましてや、生まれる前なんて実際に「生まれてくるであろう赤ちゃん」を見たことがないのだ。
どうしてこの目で見たことがないものに対して愛情をかけてあげられるのだろうか…。
例えば「あなたの生き別れた兄弟がフランスにいます」といきなり言われて、会ったことも見たこともない人のことを愛せるのだろうか。
意味合いが違うかもしれないが、そのような気持ちになっていた。

「エコー写真があるのでは?」と思われるかもしれないが、ちなみにエコー写真ってこんなのである。↓

はっきり言って、何がなんだか良くわからない写真である。

両親や夫は「すごい!」「ステキ!」とすごく感動してくれたが、やはり私は一度も「愛しい」と感じたことはなかった。

よく、エコー写真を見て「可愛い!」「パパ似かな、ママ似かな」という会話をすると聞くし、たまごクラブで読んだエコー写真の例は確かに人っぽくてはっきり分かるものが多かったが、自分が撮ってもらったエコー写真はそうではなかった。
そのため、こういった感動を感じられた方のことは心底うらやましい。


妊娠後期

そうこうしているうちに、あっという間に妊娠後期。
この時期には会社が気を遣ってくれて、身体に負担のないようにクライアントワークを外れ、社内改善寄りのPMO業務に付くようになった。
とてもやりがいがあり、楽しく仕事をさせていただいた。


逆子が発覚

30週くらいの時、なんと逆子という診断を受けてしまった。
日本の医療は、母体と子どもの安全性を優先して、逆子の場合はほぼ必ず帝王切開に決定してしまう。
子どもか危険な状態でやむなく帝王切開、もしくは内臓系の病気になり、手術が必要でお腹を切る、などの理由であれば致し方ない。それがお腹の子どもも元気でたまたま逆子になったという理由だけでお腹を切り、傷跡が残るのはどうしても解せない…。
自分の兄弟は皆帝王切開であったために、その大変さを聞いていたので、本当にそれだけは避けたいと強く思った。

ちなみに医師からは、効くのかわからないが、逆子体操なるものを勧められた。ただ、すでにお腹の大きな私にはかなりしんどい体操で、とても耐えられないと思った。
そこで、いつものごとく調査を開始。

  • 逆子体操をしてもあまり効果がないこと、むしろ無理することで体調を壊す恐れがあること

  • 昔は産婆さんや助産師さんがお腹の赤ちゃんを大きく回転させるマッサージを昔していたが、赤ちゃんのへその緒が絡んでしまい事故になるおそれがあるため、最近では行うことは少ないこと

  • 鍼灸による逆子治療が比較的治るケースが多いということ

  • 逆子治療は諦めて帝王切開にすることでデメリットはあるが、計画的に妊娠できるメリットもあること

私の場合は、どうしても諦めきれず、鍼灸による逆子治療に踏み出すことにした。
するとびっくり!運の良いことに、たった2回の治療で治すことができた。
治療に当たってくれた治療院の鍼灸師の方には感謝しかない。

産休から出産当日まで

その後は、会社の方々のおかげでとても楽しく仕事をし、あっという間に産休になってしまった。

そして、産休から出産までも本当にあっという間だった。
出産のための入院グッズを買い揃えたり、週1で産婦人科に行かないといけないので、重い体と格闘したり。
出産してからはきっと全く時間に余裕がなくなると思いここぞとばかりにいろんな友達に会ったり、勉強したり。。。

一点残念なことがあるとすると、妊娠してからというもの、体力が落ち毎日やたら眠くなったり、集中力が続かなかったり本が読めなかったりする。これは「マミーブレイン」と呼ばれるもので、正常なものらしい。

ブリティッシュコロンビア大学で心理学を研究するLiisa Galea教授によれば、ホルモン分泌量の変化の影響で、女性の脳は妊娠期間中に約4%から8%ほど萎縮し、産後6ヶ月ほどで元の大きさに戻るそうです。
マイナビウーマン

不謹慎にも、「休みだやっほー!勉強するぞー!!」などと目論んでいた私にとっては、少々期待はずれのものだった。


出産当日、無事完了

出産はありがたいことに非常にすんなり終わった。

前日に突如前駆陣痛がきて、次の日には本陣痛。その10時間後に元気な男児を出産した。
無痛分娩だったため体力の回復もものすごく早かった。なんと出産した数分後には、スマホをポチポチ触っていたほど!

ただ、無痛分娩を選択したのに、子宮口の開きが悪かったためになかなか脊髄麻酔を打ってもらえなかったことで、激痛に何時間も悶絶したり、痛い中子宮口を少しでも開けるために院内を歩き回ったりと、もうその過程はそれはそれは本当に大変だった・・・。
出産当日のことを思うと色々感じるところもあるが、正直陣痛が痛すぎたので、「もう絶対に産みたくない」と心に誓った(笑)。

この点を深掘りすると非常に長くなるので割愛させていただきます。

妊娠・出産にかかった費用について

最後に、通院回数と、それぞれ実費で支払った分について。
自治体によって様々だが、基本的に妊婦健診にかかる費用は公費負担される。
しかし、多くの妊婦が驚きを感じるところだと思いますが、まさかの公費だけですべてを賄えることは少ない。

通院回数… 20回
健診費用… 49,660円
分娩費用… 284,710円(出産一時金42万円を超えた金額)
合計 343,370円

・・・・・えっと、高すぎやしませんかね??そう思うのは私だけですかね?
分娩費用は、もちろん出産一時金の42万円を除いた金額です。

特に健診なんて、母子手帳のチケットで助成してもらえるものの、血液検査や胎児の心音検査、エコー検査は助成されないなどで、なんと毎回ほぼ必ず3,000円〜5,000円の出費があるのだ。

また、妊娠による諸症状(吐き気、便秘、貧血など諸々)のために処方される薬代も必ず費用がかかる。

それにより、諸々から合計343,370円かかった。
下手するとサラリーマンのひと月の給与レベルですよ?
なんだかなぁ…。
そもそも産んで終わりではなく、産んだ後の方が莫大にお金がかかるものなのに、せめて出産だけは負担額を減らして欲しいものだ。。。これではうかうか妊娠すらできない。

ちなみに、私のようにメンタル的に中絶を希望した人よりも、経済的な理由で中絶を希望、実際に実行した人が圧倒的に多い。
2016年の調査では4人に1人が経済的な理由で中絶したとのこと。

日本家族計画協会:「男女の生活と意識に関する調査」


これでは少子化は加速しますよねー、と感じた私でした。。


最後に

以上、転職から妊娠、出産までの苦悩を書いてみました。

妊娠期には様々な育児書や情報サイト、プロからのアドバイス、友人知人からのアドバイスなどにより、たくさんの情報を集めた。
性格的に、とことん調べ倒さないと気がすまないためだ。

しかし、あまりにも不測の事態が多すぎる。
育児の不測の事態の多さについては世の中に溢れているのだが、私は妊娠期の不測の事態の多さについては、あまり聞いたことがなかった。(あったとしても悪阻がしんどいというレベル)

世の中には育児の大変さを語る本や情報サイト、テレビ番組はたくさんあるのに、妊娠期の大変さを語る本や情報サイト、テレビ番組はあまりにも少ないと感じた。(私はほぼ見た覚えがない)

それは妊娠期があくまで限られた期間であり、ゴールがあるものだからなのだろうか。
もしくは、その苦しみよりも「授かれた喜び」の方が大きいがために、「苦しみ」だと感じない方が多いためか。
もしくは、本当は苦しいと思っていたとしても、私のように周りからの期待や喜びが大きすぎて、声を上げられない方が多いためか。

それとも・・・・
誤解を恐れずに言うと、昨今の不妊治療を受ける方が多いために、「妊娠できたんだからいいじゃない」という僻みを受けかねないかもしれないというセンシティブな問題のためだろうか・・・・。

いずれにせよ、妊娠した当事者にとっては、一時であれ、言いづらいことであれ、センシティブな内容であれ、苦しいことには変わりはないのだ。

これは「マタニティブルー」というような一過性の漠然とした不安ではなく、至極具体的で、その途方もない不安と戦い続けなければいけない女性の葛藤なのだ。

もちろん人によって全く違うでしょう。楽しくて楽しくてハッピーそのものだったという方も多くいらっしゃるでしょう。
その一方で、同じように苦しみを味わっているもしくは現在進行系で味わっている方も多くいらっしゃるのではないかと思う。
自分の場合は、少なくともそういった吐露が書かれた記事を他に見たことがなかったため、自分で書いてみた。これは、そんな私のエゴによる記事です。

できれば私は「マタニティカウンセリング」というものができればいいのになぁ…と思った。

おまけ

そういえば、この妊娠期により、一つ分かったことがある。
それは、私が「ゴールの見えないこと・ものに対する耐性が弱いこと」「計画を立てられないことに対して強い不安を感じること」だった。

仕事では多くの場合、ゴールが決まっているもしくは方向性が決まっており、そこから逆算して現在地との差異を洗い出し、方針を決めたり、計画を立てたりして、その後作業を実行する。
しかし、こと妊娠のような身体に関することは予測することできなさすぎるため、ほぼほぼ計画通りに行かない(ことが多い)。
そういった予測不能な不明確なものに対してあまりにも弱いことが今回のことで良くわかった。これは大変大きな学びだったかなぁと思っている。
今後の仕事にぜひ活かしたい!と思った。


以上、長文にお付き合いいただきありがとうございました。
次は、いつか・・・始めの3ヶ月までの育児の苦悩についても書いてみようと思う。
産後鬱になったりと、いろいろなことがあったためだ。


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