憧れの年賀状
今年は、私宛の年賀状は一枚もなかった。
私も、一枚も出さなかった。
去年は2人、送ってくれる友達がいて、ほくっと嬉しかったのを覚えている。
でも別に。なければないで、もう今は仕方がない、と思ってしまう。
小学生とか、中学生の頃くらいまでは、「年賀状送るね!」が年末の挨拶でもあった気がする。
みんなが送ってくれる年賀状が可愛らしくて、一言のメッセージが嬉しくて。休み明けに会えるのが楽しみだったり。すぐに会えない離れた友達とは、年賀状で繋がりを感じていた。
わたしも可愛い年賀状を作りたくて、母に付きっきりで手伝ってもらっていた。
ケータイを持つようになってからも、1月1日の0時ぴったりにメールを送り合いながらも、朝には年賀状も届いて。
年賀はがきのお年玉チェックも楽しみの1つだった。
LINEでサクッと挨拶を済ませるようになった最近とは、全然違う世界線にいたかのように感じる。
パパッと繋がれる今も今でとっても便利だけど、やっぱり年賀状ってとても素敵なものだと思う。
母に届く年賀状の束。家族の写真が使われているものが多く、近況や子供たちの成長を知ることが出来て、母はいつも楽しそう。
私も「年賀状用に!」と何度も撮られていたっけ。最近はさすがに撮らなくなってしまったけど。
それぞれ地元を離れ、すぐに会うことのできない母たちだから、とか
年賀状離れしやすい若者たちだから、とか
生活の環境、時代の流れとかもあるのかもしれないけれど、
年の初めに手に届く、とっても暖かいものを、私は失ってしまった気がして、なんだか少し、さみしくなった。
けれどそれと同時に、家庭を持ったら、子供が生まれたら。
大切な友達や、自分の親に、あたたかい ”今年もよろしく” を、母たちのようにまた伝え合いたいなあと憧れがうまれた。
来年、急に年賀状を復活させたらみんなびっくりするだろうか。
家庭を持ってとか、家族の写真とか、いつか憧れの年賀状を送れたらいいなと思うけれど、また昔みたいに、楽しい気分で年賀状を送っちゃってもいいかな。
今年は、始まったばかりでした。
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