うぉ

ヘッダーの木を散髪してあげたい

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ヘッダーの木を散髪してあげたい

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当たり前、雨

 いま、雨が降ってる。当たる物によって音を変え、私たちの触り心地をジメッとさせる。雨だから長い丈のスカートは止めよう、雨だから電車が遅延するかもしれない、雨が与える影響は意外と大きい。今となっちゃ普通の顔して降ってきている雨だが、地球最初の雨の日に立ち会った人たちはどう思ったのだろう。もし自分がそれだったら、地球の外側にもう一つ層があり、そこには私たちのように何も知らない人たちが住んでいる。そして、その人たちが使った水が排水されたのが我々の雨となっていると考える。空を見ながら

    • 夢の国

      この広い世界のどこかに、夢見ていたことが実際に起こる【夢の国】という不思議な国があるらしい。 ある者はお城の前で推しのアイドルにプロポーズされ、またある者は園内で自由に空中を飛び回れたそうな。 そんな噂を聞きつけた大学1年生の少年が面白半分でその国に踏み入れると、目の前には、小学3年生の頃にいなくなった父親が立っていた。 「なん…で……」夢に心躍らせながら入った少年はその瞬間に全て裏切られ、自分を捨てた父親の年老いた姿に驚きながらも、沸々と怒りが込み上がった。「こんなの

      • 今日の気付き【男女の違い】

        「ピチッとした服を着たら、男性から気持ち悪い視線を向けられるんだよね」と男性に言ったところ「そんな経験したことない。そんな事があるんだね。」とビックリされたらしい。 たしかに男性がピチッとした服を着ていても露出の高い服を着ていても【セクシー】と感じることは全くない。 どうして女性だけが、そういった服を着るとジトッとした気持ち悪い視線を浴びせられたり、「そんなの着る方が悪い」と犯罪まがいのことをされたりするのか。 男女で切り分けたくはないが、男性の新鮮な意見を聞いて私はす

        • 女だけど女装する2

          2年前、これを書いた。 この時はまだ多様性の時代は始まりきっておらず、"女だけど女装する"自分は特別のように思え、かなり孤独を感じた。 しかし、時代が追いついた。多様性によって自分の知らない性別について考えることもできた。まだ自分のしっくりくる性別とは出会えてないが、孤独の仲間とたくさん出会えた。 今も変わらず女装するし、「彼氏いそうなのに」と言われると"普通の人"のように見られてるんだと嬉しくなる。それは最近話題の【正欲】という作品で色細やかに描かれていた。映画化する

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        当たり前、雨

          できなくても良い

          どうやら僕は人より長くは生きられないみたいだ。一人でどこかに行くこともできないし、身体が弱くて食べれないものも多い。生まれた時からそうだった。みんなの言ってることが理解できないし、言葉も発せられない。叫ぶことでしか人を振り向かせることができない。伝えることができないのはとても苦しい。相手が読み取ろうとしてくれなければ、僕の想いは永遠に伝わらない。言葉を一生懸命覚えようとはするけど、そうしてるうちに僕は天国に行ってしまうらしい。 それでも僕の親は、僕を愛してくれた。なにもでき

          できなくても良い

          バイキン○ンの成長

          バイキン○ンは毎週のように村人たちにいたずらをする。その度にアンパ○チやらカレーパ○チやらでやっつけられ、「はひふへほ〜」と言いながら飛んでいく。どうして彼は学習しないのか、どうして毎週同じことをしてしまうのか、それを今回は考えていこうと思う。 考えられる原因は3つある。 ①アンパ○チされる意味を理解してない まず初めに大きな要因としては、悪いことをしても"どうして悪いのか"を教えてもらえずにアンパ○チされてしまうことにある。 どうして村人は嫌そうな顔をするのか、どうし

          バイキン○ンの成長

          帽子を求める人

           個性的なものからシンプルなものまで色々置いてある都内のとある帽子屋さん。お昼に開くそのお店には、今日もたくさんの"帽子を求める人"がやって来る。 『いらっしゃいませ〜』 白髪が綺麗に染まった優しそうなおじいさんが入って来た。しっかりとしたウールのコートに真っ赤な細いマフラーを仕舞い込んでいるお洒落なおじいさんは、私が『どうぞご自由にお試しください』と話しかけ終わる前にポツポツと話し出す。「もうすぐ、髪の毛が全部なくなっちゃうんだ。」「その時にかぶる帽子を下見に来たの。」「

          帽子を求める人

          失恋ラプソディー

          私は吉祥寺の雑貨屋さんで働いてる、しがない24歳。普段と何ら変わらぬ午後3時半、私が2ヶ月片想いしている好きな人がお店に現れた。彼女らしき女性を連れて。「どうぞお試しください」そう声をかけた時に気がついた。「○○ちゃん?」まだマスクの続く時代に疑わしそうに聞いてくる彼。「先輩!お久しぶりです!」ほんとは入って来た時に背筋が凍ったくらいにすぐ気づいたけど、白々しく返事する。手を動かさないと彼女さんに勘付かれる気がして、全く乱れてない商品を何度も並べ直す。 一周まわったあたりで

          失恋ラプソディー

          夜職に向いてない人

          昨夜、スナックでのバイト2日目を終えた。高いピンヒールにギラギラしたドレス、それが私にはキツかった。おじさんと話しているだけで時給が発生するのは決して苦ではないし、想像と違ってキャストの皆さんもすごく優しかった。唯一私に合わないとこは、服装だった。肌色のストッキングを履いて、パールやらスパンコールやら付いている黒のドレスを着る。座ると太ももは露わになるし、自分の体型の惨めさも実感できてしまう。履いたこともない高さのヒールは足の太さを紛らわしてくれるわけでもなく、私の歩き方をさ

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          女だけど女装する

           わたしはたまに女装する。普段は無造作なショートヘアに、体型を隠すためのダボっとした服装を着る。しかし本当ごくたまに、女になりたい時がある。好きな人とデートするわけでもなく、推しのコンサートに行くわけでもない。ただ新宿の生地屋さんに行く時などだ。女装するって言ってもそのまんまの意味で、ロングヘアのウィッグを被ってお化粧して、白いワンピースを着ることだ。自信がないとすぐ被りたくなるのが人間のサガである。なにか自分じゃないものを纏うことで、"他人が作った可愛くなれるもの"を身につ

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          夢を買う世の中

           会社と家の行き来で1日が終わる。その疲れを癒すために休日は寝て過ごし1週間が終わる。そんな世の中で、せめて寝てる間だけでも良い夢を見ようと世界中の博士が奮闘した結果、夢を買える時代へとなった。最初は直接人体に関わることだから嫌煙されていたものの、需要が高まり、供給も高まり、1回の値段がお手頃になったために、みんなの日課へと昇格していった。  でもある日、その日課がきれた時。人は自然と、不安に飲み込まれる。今までの普通に、普通じゃなくなった今、悩み苦しむ。  牡蠣が大好き

          夢を買う世の中

          避暑地、図書館

           どうやって生計を立ててるのか分からない電気屋を右に曲がり、ファミマとセブンを通り過ぎたらゼリーの種類がやたらと豊富な小さなケーキ屋さんがあって、その分かれ道を古びた黄色い看板の喫茶店の方に進んでいったらお墓がある。突き当たりを右に進み、足が疲れた頃に左斜めに行く道を選択すると、すこし向かう先が競り上がってきてアキレス腱が伸びてきたら右手に見えるのが図書館だ。 3階建てになっており、現代図書を好む私は1階にそのまま入れば良いものの、手前に堂々と鎮座しているコンクリートの冷た

          避暑地、図書館

          失恋した、たい焼き

           失恋をしたところで、日常は何も変わらない。(あの人のことを本当に好きだったのかな?)と思ってみたり、出会う気のないマッチングアプリを入れてみたり、それで会話してみたり。彼に片思いを始めたのは"恋をしたかったから"だけであって、その時に出会ったのが"彼だった"だけなのだ。私が小学5年生の頃に片思いをしてた お兄ちゃんの友達で、上京した今もちょくちょく会っていた。彼は、私の気持ちなんて知ろうともしない代わりに、どんどん私のタイプの擬人化へと成長していく。先週の土曜日、また彼はフ

          失恋した、たい焼き