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バルアトルケものがたりⅣ

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バルアトルケものがたりは読み聞かせられるように、と思って書いています
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#ファンタジー小説

8*バーベキュウ

8*バーベキュウ

バルアトルケものがたりⅣ*8

セオナルドのおとうさんと、カイトが庭で火を起こしている間、おかあさんは大忙しです。

バーベキュウ用にたくさんの野菜を切り、チーズをスライスしました。食料庫に保管してあった、ドライトマトを水でもどします。おかあさんが煮て、保管してあった、瓶詰のひよこ豆の水煮も鍋に入れてあたためています。ひまわりの種も水でもどします。

そのあと、どんぐりの粉を練っています。どんぐり

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7*おかえりなさい

7*おかえりなさい

バルアトルケものがたりⅣ*7

「ただいま~~~!あ~~疲れた~~」

ドアを開ける音と、大きな声がほぼ同時に聞こえました。

「おとうさんだ!」

アリィは椅子からとびあがり、ドアのところまで走って行き、

汚れた靴を脱ごうと腰をかがめていたカイトに飛びつきました。

「うわ~~!なんだあ?アリィ!!!おかえり!」

カイトのおおきな声にルシスは目を丸くし、その様子を見てセオナルドとおかあさんは

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6*帰宅

6*帰宅

バルアトルケものがたりⅣ*6

「待って~~~。わたしも一緒に行く~~。」

3人が歩きはじめると、ルシスがとんできました。

「じゃあ、明日ね。」

茂みの前でピリルと別れ、セオナルドとアリィは歩き出しました。ルシスは二人の周りを飛んだり、ときどきアリィの肩にとまったりしています。セオナルドの家が見えてきました。おかあさんが庭にいるのが見えたので、セオナルドは思わず走り出しました。アリィも走りだ

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5*弟子入り

5*弟子入り

バルアトルケものがたりⅣ*4

「ぜひ教えてください!わたしたちのルプアが元気がないのです。なんとかしないといけないのです。」

スカイの言葉にノームは腕組みをしながら言いました。

「いいけど、特別なことはしていないぞ。ちょっとの間ここにいて様子を見てみればいいんじゃないか?」

「わかりました。そうすることにします。わたしはスカイ。この子はルシスです。よろしくお願いします。」

「ルシスです。

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4*ノーム

4*ノーム

バルアトルケものがたりⅣ*4

セオナルドとアリィは声の主のほうへ向かおうとしました。セオナルドの胸のあたりまでの草が二人の行く手を邪魔しています。

二人は、木の周り1メートルほどのところについた踏み跡をたどり、声のする方へと行きました。

りんごの木の根元には、セオナルドの膝くらいまでの背丈の小さなノームがたっていました。

ノームはひげも生やしておらず、とても若く見えます。緑色のベストに白い

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