6*帰宅
バルアトルケものがたりⅣ*6
「待って~~~。わたしも一緒に行く~~。」
3人が歩きはじめると、ルシスがとんできました。
「じゃあ、明日ね。」
茂みの前でピリルと別れ、セオナルドとアリィは歩き出しました。ルシスは二人の周りを飛んだり、ときどきアリィの肩にとまったりしています。セオナルドの家が見えてきました。おかあさんが庭にいるのが見えたので、セオナルドは思わず走り出しました。アリィも走りだしました。
「おかあさ~~~ん!ただいま~~~~~!!」
セオナルドの声にお母さんは振り向き、両手を広げました。セオナルドは母さんに飛びつき、少し遅れてアリィもセオナルドのおかあさんに抱き着きました。
「ふたりとも、おかえり。思ったよりも早かったわね。」
セオナルドとアリィに言った後、ルシスにむかってセオナルドのおかあさんは言いました。
「あたらしいお友だちね。初めまして。わたしはセオナルドのおかあさんでリリと言います。」
「わたしはルシスです。おかあさんも一緒に来ています。いまルプアの木のところにいます。」
「ルプア?」
首をかしげるおかあさんにセオナルドがいいました。
「おかあさん、ルプアはりんごの木だよ。ルシス達のルミナ島ではりんごの木をルプアと呼んでいるんだって。ルミナ島のルプアと僕たちがしっているりんごはちょっと違うらしいんだ。よくはわからないけど・・」
「わたしのおかあさんはこれからちょっとの間、ルプアの木の面倒を見ているアースにルプアの世話の仕方を教わるんです。」
ルシスも言いました。
「それじゃあ、しばらくここにいるのね。よかったわ。さあ、家にはいって。お茶の時間にしましょう。ビスケットが焼きあがるところよ。」
「わーい!焼きたてのビスケット!!大好き!!」
セオナルドとアリィとルシスは歓声をあげました。
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