海の家で制約理論(TOC)
ゴールドラットのオバタです。
わが家では、海水浴に出かけるのが夏休みの恒例。平日の昼間に、ゆったりと海で過ごし、夜は花火で遊ぶ、ちょっとした非日常を楽しむ日帰り旅行です。
ランチタイムに差し掛かり、海の家へ。注文を受け付けるアルバイトが5人、調理担当は1人、できた料理を客の待つカウンターまで持っていく品出し係は3人です。大量の注文を5人が一気に受け付け、調理場へ食券を送ります。それを1人で調理しているため、時間がかかっており、料理を受け取るまでの長い行列ができていました。
明らかに、調理担当者のキャパオーバーで、注文からの流れがストップ、いっこうに待ち時間は短縮しません。結果、楽しそうなアルバイトの会話にイライラしながら、猛暑の中、10分以上も待たされました。
「料理する人を増やせばいいやん」と息子。
調理担当を増やすか、能力の高い人を配置する、最新の調理マシーンを導入するなど、調理する能力を改善しないと、行列はいつまでも続きます。
「制約」となる調理工程を改善すれば、待ち時間が減り、もっと多くの注文を得ることができる。売上げが上がり、お客様を待たせることがないので(お客様の機会コストを減らすことになるので、顧客満足度も上がると、いいことずくめです。
「調理」の改善が、店全体の売上増を実現する好循環です。これは「待ち行列理論」の教えです。これがまさに、全体最適の制約理論(TOC)。業績の「制約」となっている要因を特定し、そこに集中して改善を行い、お店の売上げの最大化を実現します。
「TOCを導入する」というと、大それたことに思われるかもしれませんが、とてもシンプルなので、仕事や家庭でも試してみてはいかがでしょうか。
まず、仕事全体の流れを書き出す。けっして、自分の机の上だけを見るのではなく、全体を俯瞰してください。たとえば、この部品は、どの工程で組み立て、仕上げたのか、書類はだれが作成し決裁したのかなど。その中で、遅れやミスが頻繁に発生しているところが、「制約」となります。まず、制約を明らかにし、改善に集中すれば、仕事全体の最適化が実現できるはずです。
さて、制約理論をベースとした小説『ザ・ゴール』(ダイヤモンド社)は、厚さ3.7cm、重さ568g。読破には、時間と根気、ある程度の根性も必要そう。
そこで、アニメーション映画がおすすめ。90分間に、520ページある『ザ・ゴール』の真髄が詰まっています。観るたびに新たな発見があり、TOCの理解が深まっていくのが実感できます。映画『ザ・ゴール』プレミア試写会、9月は連休に合わせ、開催日程を延長し、実施中です。
▼『ザ・ゴール』プレミア試写会