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「迷惑行為」と炎上屋:分断へと導く牧羊犬

飲食店での「迷惑行為」が社会問題と化したのは,
1. 店でなく客の行為だった,
2. 炎上屋の影響力が増した,
3. マイナンバーとの親和性が高かった,
ためと考える.

0. 序論

2023 年の話題は,回転寿司における「迷惑行為」でスタートを切った.

大手マスメディアによる報道では,スシローでしでかした超高校級のぺろぺろが主人公として描かれている.

しかし,一連の炎上騒動の発端となったのは,1月7日.
はま寿司においてレーンを回るすしの一貫を箸でとって食べる動画が,TikTok に投稿され,Twitter で拡散した.

その後,1月中に3件ほど,はま寿司・くら寿司における不快な動画が,Twitter で炎上している.

そんな背景があり,満を持して登場したのが,Twitter 最大手の炎上屋:滝沢ガレソに取り上げられたスシローの動画である.

問題とされる行為はいずれも,いつものバカッターと同じ若気の至りだ.
メディアお得意のエコーチェンバーで,焚き火が山火事に見えているだけだろう.

エコーチェンバー(echo chamber)
閉鎖的空間内でのコミュニケーションを繰り返すことによって,
特定の信念が増幅または強化される状況

しかし,今回の炎上は Twitter にとどまらなかった.
メディアミックスで,ニュースは回転ずし(ことにスシロー)一色となり,インパクトのある「迷惑行為」を世に広めることが自己目的化した.

では,なぜ今回の炎上騒動はここまで話が大きくなっているのだろう?
私は,次の3つの理由があると考える.

1. 店側ではなく客側の行為

今回の「迷惑行為」が,これまでのバイトテロの炎上と決定的に違うのは,店側のではなく客側のモラルの問題という点だ.

バイトテロも「迷惑行為」も,やっていることは大差ない.
しかし,対策のしやすさには天と地ほどの差がある.

バイトテロの場合,店側は

  • 当事者の解雇

  • 従業員への周知・教育

  • 採用基準のみなおし

といった対策が容易で,短期的には再発しにくいと予想される.

また一般に,労働力の対価としてお金を得るという相互関係が,社会に対する信頼を担保しているとの共通認識がある.
したがって,バイトテロの影響は限定的で,ほかの従業員がこうむる不利益は,長期的にみて小さいといえよう.

一方で,客による「迷惑行為」の場合,

  • システムの変革をともなわない対策が思いつかない

  • 強制力のある対策と売り上げとのトレードオフ

  • 母数はおっくせんまん

といった課題があり,効果的な対策は非現実的に思える.

さらに,客がワルモノで,店が被害者という構図もいけなかった.

バイトテロの場合,店という組織にも問題があって,特定の被害者は登場しないことが多い.
ところが,客による「迷惑行為」では,店側が 100% 被害者であり,ワルモノもはっきりしている.
これが,Twitter にはびこる正義マンたちの加虐心に火をつけた.

2. 炎上屋の影響力

先に述べたように私は,今回の騒動の火付け役として,Twitter 最大手の炎上屋:滝沢ガレソが重要な役割を果たしたと考える.

ガレソ自身は,基本的にただバスっている内容を転載しているだけだ.
しかし,170 万以上のフォロワー数をほこり(2023.3.13 時点),多くの有名人からフォロー・引用されることから,その影響力は計り知れない.

若い世代にとっては,オールドメディアよりもはるかに影響力を持つと考えられ,一テレビ局に並ぶほどの一大メディアといえよう.

しかし現時点で,我々にダレソの中身を知るすべはない.
影響力があるだけの個人だと思いこみがちだが,“一般人風”漫画紹介アカウントや政治系アカウントのように,企業・団体が運営している可能性は否定できない.

もしガレソがスシローの動画を拡散していなかったら,このような社会現象に発展しただろうか?
ガレソが本気で潰そうと思ったが最後,意のままに炎上へと誘導できてしまうのではないか?

追記:ガレソが教祖様として大成功していることがよくわかるリプ欄.

また,「炎上したくない」というのが一般人の感覚だと思うが,世のなかには大枚をはたいてでも炎上したいという人もいる.
なぜならば,炎上すれば売名もできるからだ.
炎上屋は,そういった炎上商法の火付け役となることで報酬をえている可能性がある.

炎上を煽る目的が,正義感にせよ,金にせよ,世論操作せよ,その絶大な影響力は危険だ.
メディアが大衆をコントロールできることは,モッキンバード作戦から明らかだが,過去の話とも限らない.

影響力の最大のおそろしさは,人々を分断することができる点だ.
分断され,対立した人々は,容易にコントロールされる.
右翼 vs. 左翼 といった対立構造はまさにそれであり,人々が争っている限り,権力がいくら悪事を働こうが,対立構造でカムフラージュできてしまう.

TOGETHER you are STRONG.
APART you are weak.
THEY WANT YOU DIVIDED.
THEY WANT RACE WARS.
THEY WANT CLASS WARS.
THEY WANT RELIGIOUS WARS.
THEY WANT POLITICAL WARS.
THEY WANT YOU DIVIDED!

団結すれば 強くなる
分断すれば 弱くなる
ヤツらは 君たちを分断させたがっている
ヤツらは 人種戦争を望んでいる
ヤツらは 階級戦争を望んでいる
ヤツらは 宗教戦争を望んでいる
ヤツらは 政治戦争を望んでいる
ヤツらは 君たちを分断させたがっている!

https://qposts.in/japanese/563

今回の炎上も無関係ではない.
ガレソが正義の主導者としての影響力を持つなら,人々を分断に導く牧羊犬にもなりうるということを認識すべきだろう.

人々が ワルモノ vs. 正義マン の対立構造で怒り狂っている間に,次の政治的な変革が行われようとしている.

3. マイナンバーカードによる認証

「迷惑行為」が一通り浸透してから,下記のニュースが飛び込んできた.

おそろしいデザインの T シャツにもツッコミたいが,発言内容はもっとひどい.

権威主義者ですら安全性を懸念しているマイナンバーカードを,SNS の認証に利用することで,アカウントと個人情報とが完全に紐付き,それを企業も国も把握できるということだ.
そもそも,SNS の多くは外国企業なので,マイナンバーカードの情報が国外でも管理されることになる.

権力側からすれば理想的な超監視社会だが,
番号で管理される我々は,まさに家畜・奴隷だ.

スシローのぺろぺろ動画の主人公は,高校生とされる.
したがって,年齢制限のために認証が必要だというストーリーに繋げやすく,メディアが前面に押し出したと考えれば,スシローが話題の中心になっていたことにも頷ける.

期間限定のマイナポイントで射倖心を煽るのも,マイナンバー制度のうさんくささに拍車をかけている.

もっとも,実際にそのような社会になるとは思っていない.
むしろ,こういうパンくずで大衆🐑が徐々に不信感をつのらせてゆき,いつしか自力で目覚めるという道のりが,人類が幸福を取り戻すためには必要なのだと思う.

4. 結び

飲食店での「迷惑行為」が社会問題と化した原因は,
1. 店でなく客の行為だったこと,
2. 炎上屋の影響力が一メディアと呼べるほど大きくなっていること,
3. マイナンバーカードの推進に好都合だったこと,
だと考える.

この炎上の構造を理解するには,炎上屋・メディアの影響力についての認識が不可欠だ.
でなければ,対立構造のエキストラとして不毛な争いを続けている間に,いつの間にか社会システムがおかしなことになってしまう,
人類の幸福は,分断ではなく団結することでしか取り戻せないのである.

「迷惑行為」を見て不快な思いをするのは当然だが,そもそも飲食店を利用すること自体が自己責任だ.
表示義務のない外食を信用し,無駄に高い金を払って安全とはほど遠いものを食べるのも結構.
しかし,本当に衛生や健康を望むのならば,自分の食べ物くらい自分で用意すべきだろう.

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