見出し画像

著者インタビュー #02【三宅哲之さん】

今回は2021年1月14日に発売し、好評発売中の『そうだ、焚き火をしよう 忘れかけていた大切なものを取り戻す焚き火コミュニケーション』。その書籍の著者である三宅 哲之(みやけ てつゆき)さんに、執筆時のエピソードや内容についてのポイントなどについて伺いました。

著者プロフィール

三宅 哲之(みやけ てつゆき)

焚き火 場づくり師
大手電機メーカーで幹部候補生、公式の場で本音の進言をする事件で大きく失墜、降格、パワハラなど苦悩を味わう。ベンチャーに転じ一匹狼の営業マンをまとめるも倒産により解散。中小ワンマン社長の傘下で仕事を干されるなど23年サラリーマンで多岐にわたる組織風土を経験、46歳で独立。経営者として10年働き方支援コミュニティを運営。自律型人材育成の知見ノウハウと焚き火技術を掛け合わせた独自の手法で「個を尊重した場づくり」を行なう。いつでも焚き火ができる山の拠点をベースに全国への講演活動、働き方多様化、時間と場所を選ばないシゴトづくり、二拠点リモートワークのコンサルティング活動を行なう。1964年広島出身。

著者インタビュー

――まず、出版してみて周りの反響はどうでしたか。

三宅:おかげさまで発売以来、多数のレビューをご提供いただきました。
「子どものころ父に何度かキャンプに行こうと誘われましたが、家族みんなが反対して実現しませんでした。父は既に他界していますが、あの時行って一緒に焚火を囲んでいたら、また違う親子関係が築けたのかな……」
「かつて、誰でもどこでもやっていた焚き火について、都市部に住む現代の多くの人々がなんとなく郷愁を感じ、心のどこかにひっかかっていた思いを言葉にすると、こうなんだと腑に落ちた」といった、読者さん一人ひとりの体験談にもとづくフィードバックもありました。
中でも貴重だったのが、これまで焚き火をしたことがなかった人からの声でした。気づきが満載でした。その意味でも自分の頭の中を一冊の本にまとめること、そしてそれを第三者に読んでもらうことの価値を再認識しました。


――焚き火の経験がないからこそ、新しい発見が三宅さんの中でたくさんあったようで、それは本当に良かったですね! それでは、本題に。なぜ本書を書きたいと思ったのかを教えてください。

三宅:僕がこれまでの人生で自分の中の軸として据えてきたもの、それは「個を尊重した場づくり」です。個人個性に目を向けて、その人の中にあるものを引き出すそんな場づくり。どうしたらそれができるのか、ずっと考え、いろいろなことを学び、試し、実践、試行錯誤してきました。
誰もが肩の力を抜いて素の自分に戻る。自然体になってコミュニケーションができる場をつくりたい。答えは焚き火の場にありました。そこから生まれた焚き火コミュニケーションという文化を世の中の人に知ってもらいたい。

ぜひこのテーマで書かせてください!
編集長に直談判しました。
「面白そうですね、作ってみましょう」
僕の無謀な依頼を快く受け入れていただきました。そんな裏舞台とともに思いをこめて執筆させていただきました。


――その人を引き出すために焚き火を囲む。コンセプトが面白いと思いました。執筆時に大変だったことや苦労したところは何でしたか。

三宅:このように何としても書きたかったので、大変だった苦労したという感覚はありません。それよりも、どうしたら自分の思っていることを読者さんにわかりやすく伝えることができるのかに、頭をひねり時間をかけました。
伝えたかったのは焚き火のやり方とかそういうことではなく、焚き火を介して得られるコミュニケーションの場のつくり方とその重要性です。独りよがりになることなく、理屈をこねることなく伝えたい。どうすればいいのだろう? と。

そんなとき「ひとり、ふたり、親子、チームといった事例からひも解くといいのでは?」と、編集長からとびっきりの助言をいただきました。
「これだ!」
腑に落ちた瞬間です。こうして本の構成は出来上がりました。僕の頭の中をあぶり出していただいた編集長には大変感謝しています。


――伊藤編集長のファインプレーがあったとは! 焚き火と一言でいっても、色々なシチュエーションがありますもんね。そもそも三宅さん自身が、焚き火の魅力にはまったキッカケは何だったのでしょうか。

三宅:著書の中でも書いていますが、学生時代一緒に野外活動をした仲間と焚き火を囲むと、不思議と素直な自分を出せた「あの感覚」が原点です。家族ができてキャンプには行くものの、焚き火そのものに意識を置くことからは少し離れた気がします。
独立して「個を尊重した場づくり」をテーマにするようになり、改めて焚き火を生業にしたことで、焚き火の奥深さを知ることになりました。焚き火の魅力は、そのままの自分に戻れること、自然体になれること。本当の意味での安心安全な場が得られる。他には代えられないものだと思っています。


――子どもの時にキャンプファイヤーなど経験したことがある人も多いと思いますが、確かに皆はしゃいでいて、仲良くなかった子とも肩組んで歌ったり(笑)、まさに素の姿を出していたのですね。
コロナの影響もありデジタル化が進み、お家時間が増え、周りの人と直接交流する機会が減りました。この時代においてコミュニケーションの大事さが改めてささやかれていますが、三宅さんが一番大事にしている人とのかかわり方は、どういった点でしょうか。

三宅:コロナ禍でオンラインが一気に普及しました。「オンラインだとコミュニケーションが取りづらくなる」「リアルとオンラインは別のもの」そんなふうに思っているかもしれません。
僕の中ではリアルとオンラインに違いはありません。目の前に人がいるということでは何も変わりがないからです。その意味では、目の前の人にしっかり向き合うことを一番大切にしているような気がします。向き合うにはパワーが要ります。だからいつもはできません。今ここでは向き合った方がいいよね! そんな時には力を注ぐようにしています。コミュニケーションとは相手との心の通い合い。人とのかかわりの基本もここにあります。


――リアルでもオンラインでもせっかく繋がれているのだから、目の前の人の存在を大事にしないとですね。話は変わりますが、三宅さんがお気に入りのキャンプ場はどこかありますか。また焚き火をするのに良いロケーションはどこかなども教えてください!

三宅:お恥ずかしい話ですが、自分自身の焚き火の拠点をもってからというもの、キャンプ場にはほとんど足を運んでいません。なのでご期待に添えませんが、固有名詞でおすすめできるキャンプ場というのはないのですね。周囲に気兼ねすることなく、自分のペースで自分の好きなように焚き火ができる。そんな場所です。管理されたキャンプ場ではなかなか叶わない高い要望ですね(笑)
焚き火をするには静かで周りに人がいないようなロケーションがベストなのですが、そんなところはなかなか見当たらないでしょう。まずは身近にある自然の中で安全管理がしっかりできる場所でやってみてください。


――その場所を見つけるのも、楽しさの一つになりそうですね! 本の話を改めて。どんな人へ特におすすめしたいですか。

三宅:これから焚き火をやってみたいという人はもちろんですが、これまで焚き火に関心がなかった人にこそ読んでもらいたいと思っています。忙しい毎日からちょっと抜け出して休憩したい、たまには自分自身を振り返ってみたい、ゆったりじっくり心を整える時間がほしい、そんな人の相棒になるのが焚き火です。


――本書の教えを読者が最大限に活かせるように、有効な読み方を教えてください。

三宅:思い立ったら焚き火をしにいこう、「そうだ、焚き火をしよう」まさにタイトル通りです。頭の中でわかったつもりでも、実際にやってみないと体感はできません。 焚き火のつくり方がわかっていないと現地で困ってしまいますよね。そんなとき、本に書いてあるつくり方を思い出してください。金鉱物ではなく、自然の材料を活かしてつくる焚き火の魅力を体感してください。そして焚き火がもたらしてくれる感覚を味わってみてください。きっととりこになるはずです。


――電子書籍なら荷物にもならないですし、スマホやタブレットでいつでも現地で確認もできますね! 本書で一番気に入っている推しのポイントはどこでしょうか。

三宅:一番気に入っているものといえばタイトルです。焚き火は特別なものではなく、もっと身近にあるものです。心にそっと寄り添ってくれるものです。日本の良さが出る独特の文化です。毎日いろんなことがあります。そんなとき、「そうだ、焚き火をしよう」が合言葉になるとうれしいです。


――デイキャンプやソロキャンプというスタイルもありますから、気軽に体験できる場も今は多いですよね。「そうだ、焚き火をしよう」流行らせましょう! 最後に、今回のnoteを読んでいただいた読者へメッセージをお願いします!

三宅:焚き火というとキャンプというイメージがあるかもしれません。実はそうではないのですね。実際に焚き火ベース コッコ(※)には「キャンプではなくて焚き火そのものがしたい」という人が多数を訪れています。「趣味は焚き火です」そんなふうに言ってもらえる人が一人でも増えればいいなと思っています。

(※)焚き火ベース コッコ
https://jmtf.jp/kokko/

書籍紹介

焚き火ときいてどんなことをイメージしますか?

木枝を拾う、薪を組む、火をおこす、煙のにおい。刻々と姿を変える炎。やがて燃え尽き灰に還る。炎をぼんやりと見つめていると心が落ち着く。安らいだ穏やかな気持ちになる。

焚き火は現代人が忘れかけていた大切なものを取り戻させてくれます。

ウイルス禍、自然災害……日々想像もできなかったことが起こっています。そんな中、自分の内面を吐露する、ホンネで話せる場を持てることが大切です。人はつながりを意識したときに仲良くなります。つながりをつくるのがコミュニケーションです。コミュニケーションとは「心と心の通い合い」。

焚き火は心と心をつないでくれる存在です。

サラリーマン時代、ひたすら現場と向き合いホンネを貫きました。それが原因で失格人生を歩みました。独立後はシンプルに生きてきました。フラットな関係性をつくるにはどうしたらいいか? そんなとき学生時代の焚き火のシーンが蘇ってきました。それ以来約10年間、焚き火コミュニケーションの場づくりをシゴトにし、一般社団法人 日本焚き火コミュ二ケーション協会も運営しています。

「仕事や人生に疲れてきたと感じている」
「子どもが持っている可能性をもっと引き出したいと思っている」
「風通しの良いたのしい職場をつくっていきたいと思っている」
「社員のホンネコミュニケーションを活発にしたいと思っている」
「余計なものをはずして、本来の自分に戻りたいと思っている」

そんなあなたに読んでほしい。さあ一緒に焚き火しませんか?


【目次】
第一章 焚き火の原点 ~今なぜ焚き火、焚き火づくりのキホン
第二章 ひとり焚き火で得られる新発見
第三章 親子焚き火で得られる新発見
第四章 チーム焚き火で得られる新発見
第五章 焚き火コミュニケーションの本質


書籍は各電子ストアにて好評発売中!
下記リンクはAmazonストアでの商品ページになります。電子書籍版、ペーパーバック版(紙)の両形態取り扱いあります。

関連記事もあわせてお楽しみください!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?