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余人をもって代え難いくらいの仕事ができる人になりたければ。

しゅんしゅしゅんです。

山口周さんと楠木建さんの「語る内容」と「語り口」が好きだ。特に好きな本がこれ。人生に影響を与える本があるとしたら、こんな本だろうと思う。

そんなお二人が「仕事ができるとはどういうことか」について、対談形式で語った本がこれ。


これは買うしかないのだ。そして読んだ。やっぱ面白かった。


タイトル通りなのだが、「どうしたら仕事ができるようになるか」ではなく「仕事ができるとはどういうことか」について語っている。

「ある何か」が、なんであるかについて考える時に、「その何か」が、なにではないかを考える思考のアプローチは有効だ。なにではないかを考えれば考えるほど、余計なことはそぎ落とされ、シンプルに本質が残る。本書のアプローチはこれ。

how to本と違って仕事ができるようになる方法をストレートには教えてくれないが、「仕事ができるとは何か」は「仕事ができるようになる方法」より大切だ。

課題解決のスキルがあっても、解決する課題が間違っていれば意味がないとのと同じ。また、whatさえはっきりとしていれば、手段が目的化することもない。

仕事をしていればどうしたって、「自分は成長しているのだろうか」「自分は仕事ができるのだろうか」「このままのキャリアでよいのだろうか」などの迷いが出てくる。どうしたって出てくる。

そして優劣比較しやすいスキルとか肩書きで急激に不安に襲われ、スキル本を読み漁り、勉強会に足しげく通う、はくをつけるために優秀な人がいるサロンに参加し、有名企業や、イケてるベンチャーへの転職を考える。

これらは全て手段であり目的ではないはずだ。でも手段が目的化している。

人間だもの迷いは生じるとした時に、対処するために道しるべが大切になってくる。「仕事ができるってどういうことか」を突き詰めて思考し、自分なりに言語化して、道しるべにできている人はほぼ皆無だろう。

キャリアに迷っている人こそ読んでほしいと思う良書だ。

とまあ、そんな感じで本書をご紹介したところで、本書内のこんな一節を。

スキルを高めれば仕事ができるようになるのか?もちろんできるようにはなるんですけど、それはその特定のスキルセットが対応した領域に、はまったときに「できる」という話であって、必ずしも「仕事ができる」わけではない。

仕事ができるというのは、僕の考えはごくシンプルで、状況にかかわらず「人に頼りにされる」ということなんじゃないかなと思う。つまりバイネームで「あ、山口さんだったら大丈夫だ」とか「もう山口さんじゃなきゃダメなんだ」とか。この人だったら大丈夫、どうしても必要とされているという状態が人として仕事ができているということです。

これはスキルの単純延長上には必ずしもない話だと思うんですね。スキルのある人は掃いて捨てるほどいます。「あれができる、これができる」と言っているうちは、まだまだなんですよ。それができる人、代わりになる人はいっぱいいる。このレベルだと、極論すればマイナスがないだけでゼロに等しい。そのゼロの状態からプラスをつくっていくというのが、その人のセンスに強くかかっている。

これが本当に「仕事ができる」ということだと思うんです。


含蓄に富んだ、刺激になる一節だ。


ここで突然ですが。


少し前まで僕は、転職活動をしていた。転職活動でもしない限り、本腰を入れて、自分の社会人人生の経験とスキルを棚卸しすることなんてない。ましてや、それをプレゼンする(転職面接)ことなんてない。

その転職活動中に身をもって思い知るのですが、センスってのは実に伝えにくい。

客観的に見て難解な仕事でも、結局のところ最後には達成してしまう人はいる。そんな人だからどんどんと難易度の高い仕事がその人に集まってくる。「うわーやっかいな案件だ。とりあえずあいつにふっておこう」とか「とりあえずあいつに任しておけば何とかなるだろう」などと言った言葉は、この上なき褒め言葉だと思う。「仕事ができる」の証跡だ。

そんでも、それを1時間やそこらの面接の場でわかりやすく伝えるのは難しい。スキルとセンスの違いは、職務経歴書に記載できるかどうかとも言えそうだ。職務経歴書に直接的に書けないことがセンスなのかもしれない。

一方で、一緒に仕事をしたいなあと他人に思わせる人間力という力は確実に存在する。誰しもが固有のパーソナリティをもっており、多かれ少なかれの人間力をもっている。この人間力はセンスと同様に一見わかりにくいのだが、意外にもわかるものだ。1時間も面接せずとも、最初の10分程度で人間力に溢れているか否か、人柄がよいか否かは、直感的にわかる。

ちなみにその人間力がセンスなのではないかって疑問があるかもしれないが、センスを構築するのは人間力だけではない。センスってのはスキルと人間力の間にある概念だ。

転職面談では、職務経歴書に書けるわかりやすいスキル、肩書、経験の大きさと派手さ。そして人間力で評価の大部分が構築される気がする。そして最後に転職の目的とか志望理由が適しているか、その会社のカルチャーと合うかを参考的に確認し、合否を決定する気がする。

これはそうしているという話ではなく、そうしたくはない(もしくはそうしているつもりなどない)のだが、そうなってしまっているという人間心理的な話。

多くの面接担当者が左脳で論理的に判定できる「スキル」と右脳で直感的に判定できる「人間力」で、志望者を判定し合否を決める。志望者が伝えることが難しく、面接担当者が感じ取ることが難しい「センス」は置き去りにされる。

ああ、こうして、面接時と入社後において、仕事ができるにズレが発生するのかもしれない。

センスってのはどうやって磨くかはもちろん気になるが、どうやって伝え、どうやって見極めるものなのか、そこもそこそこ大切な論点なんだろう。

そうすると転職・面接みたいなことでいうと、リファレンスチェックなんてものは、とても有意なのかもしれない。その意味でも、下記のようなサービスはもっともっと必要なのかもしれない。そんなことに思いが馳せていく。

(わたしは、この会社・このサービスに何の関係もありません。)

僕の転職活動は終わった。転職先にいくのは4月からだ。

「仕事ができる」の評価で面接時とのズレが発生しませんように。

いやいや。期待よりはるか上に、ズレが起こすようにがんばる気概か。

では。






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