#001 とりあえず大盛りで
「ご飯無料で大盛りにできますが、いかがいたしますか?」
「あ、じゃあとりあえず大盛りで」
と、私は流れるように答えた。 決して無料ならば!という貧乏性でも、お腹が空いて気が狂いそう!という飢餓症状があるわけではない。 だが、せっかく定員さんが気を利かせてサービスを提示してくれたのだ。 それを無下に断るのは無粋ではないか。 私はさも当然のように、かつ感謝のほほえみを忘れずに大盛りをお願いした。 端的に言えば、そう聞かれれば習慣的に(あるいは考えなしに)そう答えてしまっているだけ