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◎玄米菜食のすすめ◎食育の祖、「石塚左玄」の粗食健康法◎

石塚左玄先生は、約100年前の明治時代に、日本で初めて「食育」と「食」の重要性を提言しました。

現在、マクロビオティックスローフードなどのブームが世界中で巻き起こっていますが、その考え方の根源となるのが、左玄先生が100年も前に取り組み、広げようとしていた「粗食健康法」なのです。

玄米のすすめ

なぜ私たちは米を食べるのでしょう。

私たちが生きるために必要なエネルギー源として、石油や石炭の代わりに澱粉を摂ります。澱粉は化学反応によって、炭酸ガスと水に分かれ、それでエネルギーが生じます。

この化学反応を起こすためには、様々な作用と部品が必要となりますが、米はその一粒の中にワンセットとして過不足なくそれらを持っています。

そして玄米には、白米よりもビタミンやミネラルを多く含んでいます。

「人間は穀食動物である」

左玄先生は、人間は「肉食動物」でも、「草食動物」でもなく、「穀食動物」であるということを提言されました。

「穀食動物」として提言する根拠として、
⑴歯の構造
⑵口の構造

が挙げられています。

⑴歯の構造
犬歯4本は、果物や野菜を噛みとるための前歯8本の補助であり、残りの20本の臼歯は穀物を噛むためのものです。

下顎は、肉食・草食動物のものよりも発達しているので、穀物を噛みこなすのに適しています。

また、下顎の骨は、肉食動物は上下運動のみ。草食動物は左右運動のみ。人間は上下左右、自由自在に運動することができることからも、穀物を噛みこなすのに適していると言えるでしょう。

⑵口の構造
肉食・草食動物にはない、人間だけが持っている澱粉分解酵素「プチアリン」を唾液の中に持っています。そして、人間の唾液には、タンパク質を分解する酵素がないということを考え合わせると、人間は澱粉食を摂る動物であるということが言えます。

肉食後の体内

肉を分解したアミノ酸からは、アンモニアと有毒な各種のアミン酸が作られます。肉食後の糞便の不快臭量は、菜食の場合の何十倍になると言われます。

肉を食べると、肉に含まれている燐酸や硫酸が血液を酸性にするので、これを中和するために歯や骨のカルシウムを溶かすことになります。

肉食動物の腸は、人間に比べると短いつくりになっています。そのため、人間が肉を食べると、腸の中で腐敗してしまい、毒素を生み出します。

「噛む」こと

ものを食べる最初の消化作業は「噛む」ことです。

左玄先生は、「消化すること」を「こなす」と言いました。
これは、「粉す」からきている言葉です。
噛んで粉にすることを指します。
文字通り、「粉」は「米を分ける」と書きますよね。

「粉砕し唾液を混じえて飲み下せる穀物が最良である」
と記して、よく噛むことの大切さを強調されました。

「噛む」行為で、唾液腺から「パロチン」というホルモンが分泌されます。

パロチンの作用
⑴歯や骨の再石灰化を助ける
⑵毛髪の発育を促す
⑶血管の老化を防ぐ
⑷全身の代謝をよくする

他にも、体内組織の老化を防ぎ、ガンの防止作用があると言われています。

よく噛んで食べることは健康に良く、白米よりもよく噛んで食べることのできる玄米は、人間にとって穀物の中でも最良の食べ物だということが言えます。


日本人は、古来より穀物と野菜、階層を食べ、長生きをした人はたくさんいました。

僧侶は、精進料理で長命を保ちました。


現在、コロナウイルスの影響で、人々の健康が脅かされ、過度の買い占めによる食料困難が起ころうとしています。

こんな時だからこそ、日本の古来からの食生活を取り戻し、「粗食健康法」を取り入れていくべきだと思います◎

出典
幕末名医の食養学 沼田勇 光文社文庫

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