ドイツ留学日記

2002年9月から翌年8月まで交換留学にてゲッティンゲン大学に留学したものを再録したも…

ドイツ留学日記

2002年9月から翌年8月まで交換留学にてゲッティンゲン大学に留学したものを再録したものです。 写真を含む完全版:https://amzn.to/3i13D4G 社会的・経済的事情により、留学を断念した人たちが、この日記を読んだことで、何かの役に立てれば、幸いです。

最近の記事

マイナスの世界で心を暖めるニコラウス 十二月六日(金)

 昨日は深夜過ぎまで友達と気孔について勉強していた。寝たのが一時、しかし七時におきる。眠い。眠いまま動物学。  そして、すぐに動物学実習。今日は非常に簡単。顕微鏡で細胞観察。動物細胞と植物細胞を比較するという話。三人でやったのだけど、私しか植物学の顕微鏡を受講していないために、みんな顕微鏡の扱い方を知らない。予定より一時間半早く終る。  その後カフェで動物学の予習と単語、顕微鏡実習の勉強をして家に帰る。久々に空手部の同期の親友とチャットする。ビデオチャット。便利な世の中である

    • インターネット接続 九月二七日

       昨日とは打って変わって、今日は快晴。秋の香りを窓全開にして取り入れる。外に出たい。その気持ちを抑え、単語の練習。三時間くらいやるもなかなか進まない。問題に答える前に、選択肢の単語がまったく見たことがない。ふぅ、鍛えなおしだ。  ノルマの少し前でくじける。学生証発行が待ち遠しい。学生証がこないとメールがかけない。カレンダーを見る。大学の学生課は二から三週間かかるといっていたなぁ。今が一〇日目。まだ、こないだろう。  出口の近くに私のポスト。期待もせずに開いてみると、広告の裏に

      • 必要なことを先ずやる 九月二十六日

        朝起きる。だいぶ遅く起きた気がする。そのために、朝食兼昼食を食べに学校へ。今日はまだ行ったことない中央キャンパスの学食へ。レギュラーメニュを食べる。一.七〇€。うまいし、安いけど、少ない。そこで、帰りがけに鳥肉を食べることに。この国はよく鶏を丸ごと焼く。丸ごと食べる。三百円くらい。  最近ユーロが上がりかけてショックを受ける。万年筆を手に入れる。万年筆を 「フェダーをくれ!」  といっても通じない。どうやら 「フェラー」  らしい。フェダーじゃ「羽」の意味である。必死に説明す

        • 軽いフットワーク 九月二五日

           研究のために、先ず何を研究するか、だ。それを見出すためには、 ① 情報収集していなければならない ② これと決めたらすぐに動けるような、環境をつくらなければならない  ③ それと、情報分析、収集に必要な人脈を見つけなければならない。 情報収集する種類は、最新情報と、過去の情報。最新はインターネットと政府の出版物から。今行われている会議や、問題などに深く広くメディアを通じてかかわっていく環境が必要であろう。また、過去の情報は論文かされた情報。それを分析し、最新情報を扱うに当た

        マイナスの世界で心を暖めるニコラウス 十二月六日(金)

          シュパールカッセとバーンカード 九月二十四日

          家を出るときに、ポストを見ると、なんと日本からの贈り物が。ドイツに行く前に用意しておいた荷物である。そこには私の座右の書や、英語の辞書、専門の勉強用の本、そして、冬服一式が入っていた。ありがとう、お母さん!  ご機嫌で街へ。天気がいい。新しい冬服を身につけ、いざ街へ。今日はバーンカードを持っていないために罰金として払った五十ユーロを取り返すために、駅へ。駅へ行く間に文章を作る。今日の文章でついに「接続法第一式」を入れ込んでみる。  「昨日私はフュッセンからバーンカードなしでこ

          シュパールカッセとバーンカード 九月二十四日

          ミュンヘン旅行 世界一のビールパーティーを見る 九月二一-二十三日

          今日から南ドイツへの旅である。朝起きるのが早い。緊張しているためか、夜中一時間ごとに目を覚ます羽目に。七時九分にゲッティンゲンを出発予定。朝日本から持ってきた中華丼を食べる。  朝、余裕で駅へ。外はもう暗い。寒い。先ずはWürzburgへ向う。ここでバスに乗るためだ。快調に進んだと思ったそのとき、事件発生。切符チェックである。  駅員(美人) 「切符見せてください」 「はい」 と買っておいた切符を見せる。そして、 「割引が効いているので、割引証(バーンカード)を見せてください

          ミュンヘン旅行 世界一のビールパーティーを見る 九月二一-二十三日

          英語をしゃべる日 九月二十日

          朝起きて、新聞を音読の練習。徐々に慣れてきたけど、まだまだへたくそだなぁ。ドイツ語の発音は英語よりも楽であろう。というのも、日本語のようにつづりと発音がほとんど一致しているから。しかし、一つ一つが難しい。それをニュースキャスターがしゃべるように正確に、流暢にしゃべることができれば、ドイツ語の会話もましになるであろう。少なくとも、頭に描いたつづりを正確に相手に伝えられるようになる。これは、大切。  さて、先ず旅行の計画を立てることにする。私は以前ドイツに一ヶ月滞在していた。そこ

          英語をしゃべる日 九月二十日

          マック 九月十九日

          朝、おきてシャワーを浴びる。日課である。うちの寮の風呂はなんと男女共同!シャワー室が、である。もちろん仕切られているが……。そのために、私は空いている朝に入ることにしている。まあ、どうでもいいことだが。  ドイツに来て初めてマクドナルドに行く。うちの裏の大通り沿いにある。外見は日本のマックと同じ。働いている人は外国人。ドイツ人は働いておらず、そのためか、平日は夜中の一時、木曜、金曜は朝の四時まで経営している。客層も外国人が多い。ビックマックセットを頼む。なんと四,三五ユーロ。

          マック 九月十九日

          ハノーファ大国へ 九月十八日

          天気も悪くなさそうなので、今日はハノーファに行くことに。急行で三十分くらいかな。うちの実家から考えると品川に行くようなもの。ハノーファからブレーメンまで近いので帰りによってこようかな。  最近妙な夢を見る。高校一年生のときの授業参観(高校で授業参観はありえないが)の場面や、関甲信大会前日の夢などである。  ハノーファにはICEという急行で行くことに。受付で切符を買う。バーンカードがあるのですべて半額。一三,一〇ユーロであったので、本来ならば、片道三千円。ずいぶんする。これはま

          ハノーファ大国へ 九月十八日

          疲れがたまり寝込んだ日 九月十七日

          動きすぎたせいもあり、結局今日は一日寝ていることになりそうだ。偶然にごみを捨てに行ったら、 「あなた見ない人ねぇ。ここに住んでいる人?」  という人がいる。 「そうです。四〇九号室に住んでいますよ」  というと、 「いつから?」 「九月十日から」  という会話が続いた。そのあと名前を聞かれ答えると、 「あれ?日本人?」  と日本語で聞かれた。その人はドイツ人のハーフらしい。三一二号室に住んでいるので、何か質問があればどうぞとのこと。良かった。  本来ならば朝からハノーファに行

          疲れがたまり寝込んだ日 九月十七日

          一週間 九月十六日

          ドイツ生活も一週間が経つ。一週間もすれば、時差ぼけもだいぶ収まる。日が沈んで起きていられるのが嬉しい。さて、今日こそインターネット接続を家でやりたい。そのために、朝十時ちょうどの開始に間に合うように学生秘書課に行った。  先ず、受付のいかにも怖そうなおばさん。人相が悪いのか、あまり並んでいなかった。 「私は入学許可が欲しい。そのための試験免除申請と学生保険の秘書課の証明、それに振り込み超過分のお金を返して欲しいからここに来た」  というと、 おばさん「ここではない。ここででき

          一週間 九月十六日

          初の日曜日 九月十五日

           朝から、新聞を読む。今日のテーマはFarbe bekannenという記事。直訳すると[色彩を告白する]だけど、意訳すると、「主義を表明する」といったところかな。「EU議会がイラク問題の意見を選別した」という副題。読み込むというよりは音読を目的としているので、ひたすら声を出して読む。  次に文芸欄の演劇について音読。舌をかみそうになる。しかし、口がドイツ語に慣れ、耳がドイツ語に慣れた気がする。何事も三ヶ月続けないと何も変わらない。量質転化。空手の技と一緒である。  次に文法。

          初の日曜日 九月十五日

          ノーベル賞受賞への夢を 九月十四日

           今日から週末である。噂によると、この国は週末になるとみんな働かなくなり、首都機能が一切停止するという状況が起こるらしい。これから、楽しみである。  さて、私はドイツ語が他の人に通じているように書いてきているが、相手の言うことの五〇パーセント程度、自分の言いたいことの半分も言えていないのである。その状況を打開するために、毎朝勉強している。ドイツにいれば自動的にドイツ語がうまくなるということは、今までの生活から判断すると、ありえなさそうだ。まあ、ある程度は慣れがくるが、ドイツ人

          ノーベル賞受賞への夢を 九月十四日

          十三日の金曜日

          今日は朝からいつもと別の道を使い中心地に行くことにした。 朝起きるのは相変わらず早い。五時には目が覚めている。そのために、朝はドイツ語の勉強をすることにしている。ドイツ語の格変化の練習。これは毎日やらなきゃいけない。それと、新聞「ゲッティンゲン新聞」の記事を日本語に訳し、それをドイツ語に直す。意外と難しい。これはある小説に出てくる外務省の役人がやっていた勉強法。  最初は大きなショッピングセンターに行く。Bauhausとか書いてあるところ。建築用品が売ってある。その後、カフェ

          十三日の金曜日

          疲れた~!

          朝起きたのがまたもや三時ごろ。時差ぼけに逆らって強引に時差を治せばいいのだけれど、じきに治るであろうからほっといている。  朝からカレーを食べることにした。カレーはもうすでに日本食の一部と化している。これは口に合い非常にうまい。これを食べ、梅干しを食べる。まるっきり日本の食生活。  さて、今日は忙しい。まずは、市役所に行かないと。滞在してから一週間で入居申請しないと多額の金を払う羽目に陥るからだ。そして、シュパールカッセにいって、大学の入学手数料を振り込み、明子さんに頼まれた

          ドイツ生活基盤作り

          ゲッティンゲン二日目。時差ぼけと戦いながら、朝起きてまず街に出る。まず、自転車の不具合を直す。椅子の角度が前に上がりすぎているのだ。店に行き 「私の自転車の椅子には問題がある。角度が悪い」 とたどたどしいドイツ語で説明。何とか通じるが、結局最後のほうは英語で話しかけられてしまう。これが一番屈辱的だ。 次は電話。ドイツテレコムに単身で乗り込む。 「私は昨日引っ越してきた。学生寮に住んでいる。私の部屋で電話を使いたい。どうすべきか」と、大学一年生の前期で出てきたドイツ語をフル活用

          ドイツ生活基盤作り