#PoetryReading
朝の音/詩と朗読 poetry night 第81夜
夢の中で私はいつも小学生だ
天気は晴れ
父は銀行員
庭の花がうららかな風に揺れていて
(「朝の音」より)
🌿「詩と朗読 poetry night」 第81夜は「朝の音」。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓
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「朝の音」
階下で動き回る気配に
目を開けた
洗濯機を回す音
味噌汁の匂い
母が昨夜の残りを温め直している
タンスの扉を
父が開け閉めする
掛けてあるベルトが
れんげ摘み/詩と朗読 poetry night 第80夜
厳しかった季節はもう終わり
さわさわ揺れる緑葉を踏みながら
わたしのほうへ
歩いてくるひとがいる
💎「詩と朗読 poetry night」 第80夜は「れんげ摘み」。
スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓
「れんげ摘み」
昨夜あんなに降った雨のあと
たくさんの蝶がとまっているような
小さな花が
春田(はるた)で次々と開いた
厳しかった季節はもう終わり
さわさわ揺れる緑葉を踏みながら
calling〜薇(ぜんまい)/詩と朗読 poetry night 第79夜
💎詩と朗読 poetry night 第79夜は
「calling〜薇(ぜんまい)」。
スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓
「calling 〜薇(ぜんまい)」
ひらいてごらん
微か(かすか)に湿りを帯びた
温かな声に
そろそろと眼をあけた
あなたの祈りが届きました
わたくしはあなたのしもべであり
共に歩む者
心を安んじて
生まれなさい
首をもたげ
祈りのカタチをほ
九份の猫と「春暁」/詩と朗読 poetry night 第78夜
人もまばらな裏通りも歩きました。
あちこちに猫がいて観光客に撫でられたりしていましたが、見上げる観光客(=私)を一顧だにしない猫もいました。
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💎詩と朗読 poetry night 第78夜は、
台湾旅行の話「九份の猫」と漢詩「春暁」。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。
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「春暁」/孟浩然
春眠不覚暁
処処聞啼鳥
夜来風雨声
花落知多少
詩作講座と「無限の朝」/詩と朗読 poetry night 第77夜
3月17日は、岡山県赤磐市の永瀬清子生家にて「そろそろ詩が書きたくなってきた人のための詩作講座」が開かれ、その講師を務めさせていただきました。詩作講座の講師は2年ぶりで、前日までめっちゃ緊張してましたが、当日の朝になったら落ち着いてなんとかなりました。講師に来てくださった方々には、私が緊張症だということはわからなかったと思います。
永瀬清子さんは明治39年生まれ、岡山県赤磐市出身の詩人で「現代
無題(エールのようなもの)/詩と朗読 poetry night 第76夜
心なんて もうとっくに折れてる
でも歩く
折れてても
雨が降ってても
傘をさしてaruku
💎詩と朗読 poetry night 第76夜は「無題(エールのようなもの)」。
スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓
君の原石/詩と朗読 poetry night 第74夜
💎詩と朗読 poetry night 第74夜は「君の原石」。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。
「君の原石」
薄明るい夜の底
深紅に輝く
君の原石を見つけた
砂に埋もれた
私の腕(かいな)に
宝石の鼓動
君の心臓(ハート)は
内なる火を持つ
紅い原石
その輝きは
闇の中でも
私の道標となり
ああ もうすぐ夜明けだ
「夜香蘭(ヒヤシンス)」とコロナ禍のこと/詩と朗読 poetry night 第73夜
🌿詩と朗読 poetry night 第73夜は「夜香蘭(ヒヤシンス)」とコロナ禍のこと。
スキマ時間に聴いていただければ幸いです。
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「夜香蘭」(ヒヤシンス)
不意に
甘い香りに包まれた
部屋の中で水栽培している
ヒヤシンスが咲いたのだ
無数の美しい根っこに支えられ
ぐんぐん伸びた茎
六芒星に似たピンクの花
ぼんやりしていた気持ちの境目が
くっきりするような
鮮やかな芳香
禍(わざわ
立原道造『詩集さふらん』と《ヒアシンスハウス》と「浅き春に寄せて」/詩と朗読 poetry night 第72夜
脳髄のモーターのなかに
鳴きしきる小鳥たちよ
君らの羽音はしずかに
今朝僕はひとりで齒を磨く
(立原道造「詩集さふらん」より)
🌒詩と朗読 poetry night 第72夜は、立原道造『詩集さふらん』と《ヒアシンスハウス》と「浅き春に寄せて」です。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。
愛の山越え/詩と朗読 poetry night 第71夜
愛の山越え私は往こう
温かな風に胸はふくらみ
とまどいの谷も
渡らば渡れ
🌒詩と朗読 poetry night 第71夜は「愛の山越え」です。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。
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「愛の山越え」
愛の山越え私は往こう
温かな風に胸はふくらみ
とまどいの谷も
渡らば渡れ
哀しみの森を抜けて私は往こう
失くしたものが返らない
後戻りの川に身を映し
繰り返しながら
時は過ぎて
立原道造『散歩詩集』より3篇/詩と朗読 poetry night 第69夜
或る魚はよいことをしたのでその天使がひとつの願をかなへさせて貰ふやうに神様と約束してゐたのである。
(立原道造「魚の話」より)
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🌙詩と朗読 poetry night 第69夜は立原道造詩集『散歩詩集』より「魚の話」「食後」「日課」。
スキマ時間に聴いていただければ嬉しいです。
近況報告/立原道造「薊の花のすきな子に Ⅰ 憩らひ」/詩と朗読 poetry night 第68夜
風は 或るとき流れて行つた
絵のやうな うすい緑のなかを、
ひとつのたつたひとつの人の言葉を
はこんで行くと 人は誰でもうけとつた
🌙詩と朗読 poetry night 第68夜は
近況報告と
立原道造詩集『優しき歌 Ⅰ』より
「薊(あざみ)の花のすきな子に
Ⅰ 憩(やす)らひ」
スキマ時間に聴いていただければ嬉しいです。
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射干玉のuso/詩と朗読 poetry night 第67夜
ぬばたまの夢の中で
嘘をついた
月に群雲 花に風
もう忘れた
愛しいひとのことなど
(「射干玉のuso 」より)
🌙詩と朗読 poetry night 第67夜は
「射干玉のuso 」(ぬばたまのうそ)
スキマ時間に聴いていただければ嬉しいです。
https://stand.fm/episodes/6568c012c7d12c4359c4579b
宮澤賢治『銀河鉄道の夜』より「六、銀河ステーション」詩と朗読 poetry night 第63夜
するとどこかで不思議な声が、銀河ステーション、銀河ステーション、と云う声がしたと思うといきなり目の前が、ぱっと明るくなって、まるで億万の蛍烏賊の火を一ぺんに化石させて、そら中に沈めたという具合、…(「銀河鉄道の夜」より)
🌙詩と朗読 poetry night 第63夜は、宮澤賢治『銀河鉄道の夜』より「六、銀河ステーション」。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。