生涯ベストライブ候補の筆頭! WRENCH 12inch EPレコ発
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2023年6月17日。下北沢CLUB Queで、WRENCHの新作12インチシングル『Breaking Man / MOONSHOT』の発売記念ライブが開催された。
対バンは、MELT-BANANAと黒電話666 (PROTOTYPE018)。
DJとしてL?K?Oも参加。
仕事が長引き、開演時間から20分ほど遅れてQueに到着。
受付を済ませてドアを開けると、入口の手前まで来場者で埋め尽くされていていた。
半ば強引に人混みをかき分け、ドリンクバーでビールを確保。パンパンに入った観客たちの隙間から、辛うじてステージ上の黒電話666の姿が見えた。
コロナの法的位置づけが「5類」に移行したことにより、ライブハウスもコロナ以前の風景に戻りつつある。
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多くの外国人を含む聴衆から送られた拍手を浴びながらMELT-BANANAがステージを去り、転換。
緞帳がないので、機材をセッティングするメンバーの表情を見られるのがよい。
ライブ配信が行われることもあって、定刻通りにスタート。
1曲目は「rising」。イントロダクションのようなインスト曲で、場内が徐々に熱を帯びていく。そして「lights give out all freedom」で、バンドも観客も一気に爆発。MELT-BANANAを目当てに来場したと思しき外国人客からも歓声が上がる。
3曲目は「Breaking Man」。YouTubeに公開されたMVや、5月26日にリリースされたアナログ盤でニューシングルを聴き込んできたであろう観客たちが、大きな盛り上がりをみせる。
MELT-BANANA、黒電話666という面子を考慮して持ち込んだというウーハーの効果で低音がいつもに増して鳴り響く。ただでさえWRENCHのライブは、普段から音圧が高いというのに!
それでいて耳が痛くなることもなく、音の分離がよく、各パートがクリアに聴こえる。Queの音響とWRENCHサウンドの相性は、予想以上に良かった。
(94年に一度だけこの会場で彼らライブを観たことがあるが、29年も前のことなので)
2019年に発表された最新フルアルバム『weak』から「ヘルノポリス」「KIRAWAREMONO」「NOCHINOI」の3曲を披露。
ハイライトは「KIRAWAREMONO」。ひりつくような緊張感と、圧倒的な存在感を放つ5人が神々しく「オレは今、歴史的瞬間に立ち会っているのかも?」と本気で思った。
ラストは、国内VJ界の先駆者である宇川直宏からも称賛されたMVが話題の「MOONSHOT」。もうひとつのシングル曲がプレイされるのを楽しみにしていたというのに、終わりが近づいていることに気づき、一抹の寂しさを覚える。
フロアを熱狂させた5人がステージから去ると、当然ながらアンコールの声が飛び交う。
数分後、ビール片手に満面の笑みを浮かべた5人が再び現れた。アンコールとはいえライブ中に、ここまで晴れやかな表情でビールをすする彼らを見た記憶がない。
『weak』発表以降、ライブの定番曲と化している「Nothing」で大団円を迎え、場内が拍手と歓声に包まれる。
一番好きな「Future Now?」をやらなかったので「二度目のアンコールを要求しよう」と一瞬思ったが、5人の充実した表情を見て、彼らがやり遂げたことを理解した。
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終演後、メンバーや関係者、常連客たちと談笑。
マッちゃんが「ライブ中、ずっと気分がよかった」と語っていたのが印象的だった。
コロナ以降初の有観客ライブ(2020年11月7日)や、現メンバーとオリジナルメンバーによる二部構成で開催された30周年ライブ(2022年12月3日)で感涙したことは、おそらく一生忘れないだろう。
それでもなお、バンドのパフォーマンスも観客の反応も素晴らしかった今回のレコ発は、生涯ベストライブの筆頭として、脳裏に刻まれるに違いない。
【追記】2023年6月22日
ライブ配信されたレコ発の映像から「MOONSHOT」がYouTubeで公開されました。
2023年7月1日まで、フルライブ配信のアーカイブが視聴可能なのでぜひ!
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