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オーケストラ部長で学んだ、引き算の組織作り 【小笠原剛:第3回】

こんにちは、ゴール・システム・コンサルティング&リ・デザイン研究所の但田(たじた)です。チーフコンサルタント小笠原へのインタビューということで、第1回ではどんな仕事をしているかを、第2回では過去に遡って話を聞いてきました。
第3回では、小笠原のプライベート、特に音楽との関わりを巡って小笠原ができるまでを探っていこうと思います。引き続きお楽しみください。

これまでの連載は、以下の小笠原マガジンからまとめてご覧いただけます。

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楽器をいじって過ごす週末

但田:さて、ここからは少しプライベートなところを聞いてみようと思います。週末は何をして過ごすことが多いですか?

小笠原:よく楽器をいじっています。楽器はトロンボーン、ギター、ジャンルはクラシックやロックをやっていることが多いです。

但田:普段もよく歌ってますもんね。ボーカルもするんですか?

小笠原:ボーカルもします、何でもやります、ドラムとかも。

但田:絶対音感とかあるんですか?

小笠原:絶対音感は全くなくて、あるのは相対音感です。ポーンと出た音がピアノの何の音かは分からないですが、その次の音との関係は分かる、「5度上の音ですね」と。だからハモることは得意です。京都に行くとお客様とブルーハーツをハモるのが、コロナまでは月例行事でした。

但田:月例…コロナでハモれなくなっちゃいましたね…。楽器の他にも趣味はありますか?

小笠原:お酒ぐらいかな、日本酒はだいぶ知識がついたから、コロナ以降はワインを家で研鑽(?)して多少は語れるようになりました。あとは、絵を見るのも好きです。

但田:絵はどんなジャンルがお好きで?

小笠原:ベタなところですが、油絵の印象派とか。出張で西の方に行くと大原美術館に立ち寄っています。千葉の佐倉の川村美術館も好きです。小さなレンブラントがあって。レンブラントはフェルメールと同時代のオランダ人ですね。

新しい知識を習得するカタ

但田:小笠原さんというと、広く浅くいろいろ知っているという…

小笠原:浅いは余計。

但田:すみません(笑)。新しい音楽のジャンルを知ろうとか、美術もかじってみようとか、新しいことを学ぶ時の型のようなものってありますか?

小笠原:とりあえず、ある程度の量を入れます。クラシックの演奏を始めた頃、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」について、周りがどのCDの演奏が良いか議論をしていたんだけど、自分にはさっぱりわからなかったんです。それでとりあえず2枚聴いてみて、どっちが良いか?、自分は「この部分はこっちの演奏が好き」というような所から始めることにしました。

そこから「なんでこの演奏が好きだと思ったんだろう?テンポが好きなのか」とか考え出して、だんだんわかるようになっていきました。

但田:今では、クラシックはいくらでもうんちくを言える域に達していらっしゃいますが、2枚を比べることから発展していったんですね。

小笠原:うんちくはこねないけど…普通に好きで、たまにオペラとかも観に行きます。自分の考え方については、クラシックの影響が大きいですね。楽譜を見て音楽で表現するんだけど、クラシックって、何を基準にどう決めたらよいのか分からないんです。楽譜にアレグロ(速く)とか書いてあっても、昔の楽譜とかは「速く」がどのぐらいなのかは書いていない。そういう時に、自分で判断基準を探さなければいけなくなる。今でも、決めたことに対して「こう考えたから、こう決めた」と思えることを大事にしていますが、これは音楽の影響だと思っています。

オーケストラの部長の経験

但田:私も小笠原さんから「自分で決めること、そしてその理由を言えること」を大事にするようにと何回も指摘されてきました。小笠原さんのコンサルティングスタイルにもつながっていそうですね。

クラシックと言えば、小笠原さんは一橋大学のオーケストラで部長をされていたんですよね?私も学生オケに所属していましたが、一橋のオケは学生オケの中でもレベルが高い方だと噂に聞いていました。そういう場所で部長をやったことは、小笠原さんの考え方や動き方に影響していますか?

小笠原:部長をやったことで「自分で方針に向かって、仕切ってやるタイプではないな」という自分のクセが分かりました。人がやってくれる方が良いなと。

但田:部長という立場で、仕切ろうとはしてみたのですか?

小笠原:部分的にはやってみたけど、そんなに力も湧いてこないんだよね。仕切るよりも、人を見て「あれ、ちょっとうまく行ってなさそうだな、どうしたの?」と声をかけたりする方が合ってる。

演奏会の本番前にはステージの設営をするんですが、そのときによく思いました。朝ホールに集まって作業をするんだけど、部長の自分があれこれ言わなくても、ステージの仕事を前に出てやってくれる人はいる。だったら、そこに入ろうとするよりも、手薄になっている部分に手当した方が良い。足りないものをコンビニに買いに行くとか、そういう役割もあると思います。

但田:100人以上の部員をまとめるにあたって、どんなことが大変でしたか?

小笠原:大変なこと…大体、人間関係が悪いからね。どこの会社もそうですが、馬が合ってやっているなんて全体のごく一部ですから。そういうなかで、グレーゾーンの仕事ってあるでしょ。たとえば、練習場にストーブがあったんだけど、その灯油を買いに行くというタスクを誰もしてくれないので、私が部長だけれども、主たるタスクの一個は灯油を買いに行くことだったりもして。誰もしてくれない仕事はそういうところにあるなというのを思いました。

但田:なんか、深イイ話みたいなのが出てこなくて、なんていうか地味ですね。

小笠原:リーダーやっている人たちは、その感覚はあると思います。リーダーの孤独を経験できたこと自体、財産だとも思っています。誰も拾ってくれないものがある。人がやってくれることは任せて、人がやらないことをやる。カッコいいことではなくて引き算していく。Aさんがやる、Bさんがやる、Cさんがやる…で、誰もやらないことを自分がやる。

但田:誰もやってくれないことをやっても、誰も気がついてくれなくて感謝もされなくて「やってらんない!」って思わないですか?

小笠原:別にそれでいい。やってらんないって風には、基本的にならないから。それって、自分にとっては世話を焼くというアウトプットじゃなくて、人に関心を抱く時のインプットだから。

但田:どんなことをインプットされているのですか。ストレスには感じませんか?

小笠原:そのとき経験していることから「こういう人がいるのか」「こういう行動をするとこういう反応が返ってくるのか」とか、インプットしています。だから、ストレスもそこには感じないんです。

ご覧いただきありがとうございました。小笠原を見ていると、こんなに人の世話をしていて疲れないんだろうか?と時々思うことがありますが、第3回ではちょっと小笠原のシクミが見えてきたような気がします。次回は、コンサルタント小笠原の特徴をいろいろ探ってみます。引き続きお楽しみください!

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