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書けるときに日経日記 2021年7月31日

■全体感
緊急事態宣言の拡大と延長により、紙面はコロナとワクチンが中心の構成。
経済も欧米から置いていかれている様が鮮明になってきている。新規感染者数の比較で言えば欧米の方が日本を上回っているにもかかわらず医療キャパシティーが圧倒的に足りていない。海外のオペレーションが素晴らしいのか、日本のやり方がまずいのか。

それでも日本の金メダル獲得数過去最多の17個は目立っている。


■今日の数字
・4割→ワクチン接種の2回接種完了割合を8月末までに4割とする目標

・17個→ 7月30日までの日本の金メダルの数。過去最多。

・5000人→ 移住公務員の数。自治体が地方への移住希望者を任期付公務員として雇用する。

・8.3%→ユーロ圏の4月から6月の経済成長率。年率換算。日本は0%台を予測している。

・300,000病床→一般病床の空きベッドは約300,000床。コロナ病床への転用が進んでいない。欧米より桁違いに少ない感染者数で緊急事態宣言の延長追い込まれる。

・40歳以上→ 44歳以上の人にはアストラゼネカ製のワクチンを公的接種の対象に加える

・3倍超→デルタ型の感染力は1人の感染者が平均8から9人に感染させる。変異前のコロナウィルスは1人の感染者が2.5人程度にうつすとされていた。

・3.5%→米国の個人消費支出物価指数の前年同月比伸び率

・1.84%→経団連が30日に発表した2021年の春季労使交渉の最終集計結果による大企業の定期昇給とベースアップを合わせた賃上げ率

・2倍→ロビンフッドが創業8年で上昇。時価総額は約3兆円となり野村ホールディングスの2倍近い価値となった。

・88%→米国の巨大IT企業の利益が急増。2020一年4月から6月期決算の主要五社の集計値で前年同期日の88 %増。コロナの流行により社会のデジタル化が加速した。


■所感
ワクチン接種が遅れている。それによって経済も欧米と比べて立ち上がりが遅くなっている。もともと私はポジティブに民間の力を生かせばオリンピック開始前までに4割の2回接種完了がいけると思っていたが、やはり予想は甘く大幅に後ろ倒しになってしまった。

どれだけ頑張っても現状は変えられないため、これから先を前向きに進んでいくしかない。


緊急事態6都府県に拡大決定 首相「2回接種、来月で4割」
5道府県まん延防止、酒提供の制限強化

緊急事態宣言が拡大と延長となった。
8月末までにワクチン接種を2回完了させた人口割合を4割まで持っていくと言う。
それが実現されればある程度新規感染者数は抑えられると言うところではあるが、欧米など先行している国の推移を見ると4割程度ではコロナウィルスの新規感染者数が落ち着く気配が見えない。

新規感染者数の増加を踏まえて、何か施策を公表せざるをえない状況に追い込まれたと言うことだろう。
とは言え、ワクチン接種の進行以外は人の動きを抑える以外の手は打ちようがなく、そしてそれを強制できない日本としては結局は何も変わらない。

以下の記事にもあるようにおそらくは、2回接種を完了したとしてもその人はウィルスの宿主にはなるのだろう。
2回接種を完了して、無敵になったつもりで動き回っていると宿主としてウィルスをまだワクチン接種してない人にばらまくことになってしまう。

このように考えていくと、ワクチン接種の完了(100%接種完了することがないことを考えると何をもって終わりとするかは難しいが)を持ってコロナとの戦いは終わりではなく、単純に日常フェーズに入るだけだと思う。
継続的にコロナと共生していくための日常フェーズとして、継続的にワクチンを接種しながら生活をしていくことになるのだろう。

そして、継続的なワクチン接種率が低い場合にはマスクの着用を求められる事は場所によっては継続せざるを得ないかもしれない。

継続的にワクチンを接種することによって、2回目接種のときの免疫反応が弱まっていくことを期待したいが、毎回ワクチン接種のたびに発熱が起き、それを継続的に実行していくとなるとなかなか心理的にも体力的にもコストが高い取り組みとなる。

このように社会的にも個人的にもある程度のコストを継続してかけながら社会が落ち着いていくのを待つ感じになるのかもしれない。
飲食宿泊サービス業の方は、そういったことを想定した事業構造を構築した方が良いのだろうと思う。

つまり、全く元の通りには戻らない。元の通りになったように見えたとしてもその下には結構なコスト負担がかかっており、その継続性にはある程度のハードルがあり、それが緩んだ瞬間にまた新規感染者数が増加すると言うようなことが繰り返されるのだろうと思う。


ユーロ圏、年率8.3%成長
4~6月、接種進む欧米は回復基調 日本は0%台予測

先日は米国が成長率6.5%と発表され、今回はユーロ圏が8.3%成長と発表された。
日本はおそらく0%台と想定され、明らかな差が生まれている。
以下のグラフは、記事からの抜粋。

ワクチンの接種が十分に進んでいないため、日本におけるサービス業況感指数PMIが下落傾向なのは仕方がない部分があるが、いかんせん元気がない。

一方で、凄いと思うのは欧米の元気の良さである。冷静に考えて、米国は別にワクチン接種の進行によって新規感染者数がそれほど抑えられているわけではない。

もともとが極端な数字であったため、現在のピークを迎えた日本の感染者数よりも多い位の水準では落ち着いたと言う認識なのかもしれないが。

国を挙げて経済をもとに戻そうとする意図が感じられる。その意図が実質成長率にも表れていると言うことなのだろう。ワクチン接種が進む前に、経済をもとに戻そうと頑張ればそれだけ重症者が増えて人々の死亡リスクが増加する事は間違いない。また、そうなると重症者に向けた医療キャパシティーの問題が出てくる。以下の記事にもあるように医療体制が分散化してしまっている日本は欧米と比べると重症者医療キャパシティーが圧倒的に少ないのだろう。

8月末にワクチン接種の2回目完了率が4割に足したとしても、今の欧米のように国を挙げて経済を元に戻すようなアクションを取る事はなかなか難しいだろう。
その頃にはある程度風景が変わっているとは思うが、重症者医療キャパシティーが一切増えていないと言うことにやはり圧倒的な問題があると思う。

これは、今後のコロナ共生社会になった時にも言えることで、常に隣り合わせの変異株との共生を強いられる中では、一時的に重傷者が増加するケースも考えられるだろう。
今からでは遅いが、これからを考えるとやはり必要だと思われるため今からでも重症者医療キャパシティを拡充させることを進言したいと思う。

中国、海外上場の監督強化
政治局会議で方針 データ流出警戒


中央政治局会議のメンバーは25人しかいないようだ。
25人で中国全体の経済の現状認識と方向付けを行うということで、その会議体の密度と情報量はものすごいものになると思われる。
多岐にわたる情報収集と、情報整理、インテリジェンスによって適切な情報提供が行われ、限られた人数で14億人の国家の方向付けがなされる。

企業経営において、マネジメントチームが会社の方向付けを行うように、国家運営がなされている。
その分、意思決定は早く効率的ではあるが、一方で現場があまりにも幅広い。それこそ14億人の社員がいるようなものである。
その情報をいかに本質を見極めて収集できるかと言う所にポイントがあるのかもしれない。そしてそれをAIやIT技術によって効率化しているところもあるのだろう。

過去はAIやIT技術の存在がなかったため一党独裁はやりづらかったが、今の時代はひょっとしたら一党独裁には非常に向いているのかもしれない。

海外での上場は、その企業が海外のマーケットにおいてパブリック化されることでもあるので上場手続きの過程や上場後についてもある程度の情報開示が求められる。単純なマーケットへの信頼性の担保のための情報提供であれば良いが、そこに政治が入ってくると厄介な問題になる。
そして今の米中覇権争いの状況の中では、その情報提供に政治的な横槍が入ってくる懸念は排除できないと言うことだろう。
この中国企業の海外上場の抑制と言う流れは、今の米中の構造が変わらない限りなかなか変化することは難しいだろう。

消費地と言う市場においては、ある程度米中相互に依存しあう事はあるのだろうが、エクイティーマーケットとしては先行してデカップリングが進んでいくことになるのだろう。


米経済の安定に万全尽くせ

米国経済は4月から6月期で年率換算6.5%成長と、4四半期連続のプラス成長となった。
一方で、デルタ株を中心とした新型コロナウィルスの感染が再拡大しており、物価の上昇も続いている。

問題はこれらが相互に関係する可能性があると言うことである。
新型コロナウィルスの感染が再拡大していることを受けて、生産面が抑制された場合に、回復傾向にある需要が増幅し一時的に抑制された生産面とのギャップを生みさらなる物価の上昇をもたらす懸念がある。
どれだけ需要があったとしても、原材料や建築物等実際に人が動いて確保せざるを得ない物に制限があれば需要のすべてには応えることができなくなる。
そのような、物の制約によって起きる物価の上昇がまずは懸念される。

そのような状況で、金融緩和を縮小してしまうと本質的な需要回復の前に金融緩和の縮小となってしまい経済の回復が中長期的に遅くなってしまうことも想定される。

一方で、そのような状況で金融緩和に触れなければ局地的に高まった需給ギャップによって上昇した物価に引っ張られてバブルが発生しかねない。

まずは、デルタ株を中心とした新型コロナウィルスの再拡大がどのエリアでどの程度起きているのか、そしてその影響が特定の原材料や商品の生産にどのような影響与えるのかということを注視していく必要がある。
特定の産業の、特定のエリアの問題であれば冷静に個別論点として対応していくことが求められるだろう。それを全体の問題と捉えて金融緩和の縮小など国全体の政策としてしまう場合には大きな問題になりかねない。

FRBが常に言っているように、インフレが一時的なのかそうでないのかと言うことの見極めはこのような個別の事象の検討と、全体への影響を丹念に行うことによって判別されてくることだろう。


巨大IT、異例の88%増益 米5社4~6月最終
デジタル化追い風 寡占批判、成長に影も

考えてみれば当たり前の結果かもしれないが、コロナが引き起こしたデジタル化の流れはもう止められない。
先にも記載したが、ワクチン接種が進行したとしてもコロナが死滅するわけではない。

重症化や具体的な症状が出ないまま社会に留まり続けることになるだろう。
そうなったときにすきが有ればがまた変異株などによって重症者や感染者が認識されるようになるだろう。

やはりリアルではなくデジタルで済ませられるものはなるべくデジタルで済ませる需要はこれからも伸びていくことになると言うことだろう。

ただでさえ生み出す付加価値に対する雇用の少ない巨大ITの成長が、資本主義の2極化をさらに進めることになるため、それを是正するために、法人税の最低税率の引き上げや、デジタル課税等の資本主義の修正策を行っているが、どの程度の実効性があるか。

とは言え、巨大IT企業は消費者にとってはありがたい存在ではある。我々は巨大IT企業によって検索サービスにしても、欲しいものが翌日に手に入るサービスにしても、友達との気軽な交流にしても実現できている。

一方で自分たちが働く環境の中においては、これらの巨大IT企業から利益を一部搾取されている可能性もあることを考えなければいけない。消費者としての立場と、社会を構成する企業としての立場と、双方の観点から巨大IT企業をとらえることが、今後の資本主義のあるべき姿を考える上では必要なのだろうと思う。

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