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【ものづくり現場でドラッガー編2:事業とはなにか・顧客は誰か】


*前回までの投稿は上のマガジンに入れています。

 今回からドラッガーの言葉を紹介しながら、対話形式で製造現場での活用法を解説していきます。
 これまで勉強してきたショウの同期、雄大が現場マネジメントについて悩みを抱えタケルに相談します。ドラッガーを勉強しながら実践し、マネジメント改善を目指します。

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マネージャーの資質


🧒‍:おはようございます。よろしくお願いします。(6時30分!いい朝だ)

👱🏼‍;おはよう。工場の朝は早いぞ。今回は、ちょっと現場目線に立って“マネジメント”を解釈していきたいと思う。経営者目線でないんだ。

🧒‍:早速、ドラッガーの本を買って読み始めました。やはりなかなか難しいですね。でもいきなり、刺さる言葉がありました。マネージャーの資質のところです。まず勉強する前に俺資質あるのかなって。

-学ぶことのできない資質。後天的に獲得できない資質
-初めから身につけなければいけない資質が1つだけある。
-才能ではない真摯さである。

真摯さであるって、真摯さって何か調べちゃいまいたよ。“ひたむきに、誠実に事に当るさま。”と書いてあって、自信なくなってしまいした。。。

👱🏼‍;ははは。いきなり重いな。それは、勉強と経験を積み重ねていくうちにだんだん意味がわかってくるところだよ。ちなみ俺だって、まだわからない話だよ。そこもそうだけど、最初に事業とは何か?って問いがあったよね。

事業とは何か

🧒‍;ドラッガーは、「あらゆる組織において。共通のものの見方、理解、方向付け、努力を実現するには、“我々の事業とは何か。なんであるべきか”を定義することが不可欠である」といっています。

顧客は誰か

👱🏼‍;いきなり言われてもわからないよな。でもこの事業とは何かというのは、今回の場合“君の事業は何か”という問いに変えたほうがいい。さらに、顧客とはだれかについても書かれているね。「“顧客とはだれか”の問いこそ、個々の企業が使命を定義する上で最も重要な問いである」ともあったよね。つまり、事業の定義を考える前に、まず“君にとっての顧客が誰か”を考えようっているんだよね。そして、その顧客が何を求めているかというところから事業の定義がスタートしていくんだ。

🧒‍;顧客ですか。。もちろん、うちの製品を購入してくれるお客さんです。

👱🏼‍:君は工場で直接、製品を購入する取引先の人にどの程度頻度で会う?

🧒‍:1か月に1回程度ある工場見学くらいです。

👱🏼‍;だよね。確かに、製品を売る取引先は一つの顧客であるが、それは君にとって本質的な顧客ではないと考えている。社長や担当営業であったらそれが答えが一つかもしれない。そして、社長の場合でもそれだけが答えではない。そして今、君は製造主任だ。設計されたものを既定の品質で安く納期通りに作ることが役割だ。その上で、自分が価値を提供すべき人だ。利害関係者といったらいいかな。そういう意味で顧客を定義すべきなんだ。

🧒‍;価値を提供すべき人、利害関係者となると、上司であったり、営業であったり、ほかの課のメンバーであったり、うちの現場のメンバーであったりするってことですかね?

👱🏼‍;そうだ。そして、お客さんに売る製品は誰が造るんだ?その製品が売れて、君の給料が会社から支払われる。君が最も価値を提供すべき相手は誰だろう。

🧒‍;現場を動かしているメンバーですかね。それはうちの課の製造メンバーだけでなく、設備をメンテしてくれている設備課のメンバー含めてです。俺の現場には60人の現場メンバーがいます。そのメンバーたちが、価値を提供すべき相手、つまり顧客だと思います。だって、俺が製品を造れるわけではないです。こちらからの指示で、現場メンバーが作業をしてくれてそれで製品、つまり価値が生まれる。そしてその対価として、取引先から会社にお金が入って皆給料をもらえるんですから。

👱🏼‍;そうだ。だから、君の事業は“現場メンバーの作業を通して価値を取引先に提供すること”、目標は“現場メンバーを満足させかつ、設計されたものを既定の品質、最適化されたコストで納期通りに製品を造ること”と考えたほうがいい。

🧒‍;なるほどで、顧客の定義を改めて考えることができました。

マーケティング

👱🏼‍;では、現場メンバーの欲求・関心・期待は一体どんなものがあるんだい?ただ、もし求めているものがわかっても、聞くのと受け入れるのは別だ。すべて現場の話を受け入れて、言われたままになるというのとは全く異なるから注意してくれよ。あくまでも企業の目的は利益だ。矛盾しているようだが、このバランスを意識することが重要だ。

🧒‍;わかりました。欲求についてですが、お給料が欲しいはもちろんあると思いますが、具体的な彼らの欲求はちょっとわかりません・・。

👱🏼‍;じゃあ、どうするべきだい?60人全員の話を聞くのはできればすごいけど、それだけで1か月以上かかってしまうだろう。

🧒‍;まず、全体統括しているリーダー、三交代のリーダー3人、設備管理のリーダー1人、計5人に1対1で話を聞きます。彼らと彼らの部下が何を欲しているのか、何を期待しているのかしっかり聞きます。実は、去年開発の職場から工場に転勤になり、これまで面談は定期的にあったのですが、自分が価値を提供すべき相手としてリーダーたちときちんと対話をしたことがありませんでした。あと、リーダー同士の関係性も正直気になっています。

👱🏼‍;顧客対象が決まったら欲求を確認する。それがまさにマーケティングだ。ドラッガーはこういっているよ。

-真のマーケティングは顧客からスタートする。すなわち、現実、欲求、価値からスタートする。

-我々は何を売りたいかではなく、顧客は何を買いたいかを問う。

🧒‍:わかりました。やってみます。

👱🏼‍;では次回その結果を教えてくれ。

翌日、現場リーダーたちに真剣佑がヒアリングを開始します。

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 今回は、マネジメントでドラッガーが一番言いたいであろう、真摯さの簡単な説明と、最初の問いとなる、事業とは何か、顧客は誰かというの現場管理者としての目線で解説しました。現場で製品自体を日々扱いますが、製品の取引先と関わるのは主に営業であったり品質管理メンバーです。直接何か対応するのは、よほど重大なクレームくらいです。その最終的な取引先に満足してもらい会社に利益をもたらすためには、その価値提供プロセスに関わるメンバーの能力をいかに引き出すかだと思っています。そのために、現場管理者として「顧客は現場でかかわるメンバー」と定義しました。次回は、このメンバーの要望、想いをマーケティングし、何が必要なのかを探っていきます。


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