博士がゆく 第13話「うまくいかないクローニング②」
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それでは本編をどうぞ。
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(前回のつづきから)
「やぁ。こんばんは、ひろし君」
「相変わらずタイミングのいいやつだ」
ちょうどクローニングがうまくいかずに猫の手、いや細胞の手も借りたいと思っていたところだ。
「クローニングがうまくいかないんだが、助けてくれないか?」
「もちろんさ!ひろし君もようやく僕の凄さがわかってきたかい?」
「そうかもしれないな」
コイツのいう通りにして実験も、研究発表も成功したからな。そういえばコイツに聞かなければならないことがあった。
「なぁ。そろそろ名前を教えてくれないか?」
「もちろんさ!」
「親しみを込めて僕のことはこう呼んでくれ」
「細胞くん、と」
「細胞くんか。意外と見た目の通りなんだな」
博士(ひろし)は初めて細胞くんに会った時のことを思い出した。たしか、線維芽細胞に紛れ込んでいたんだよな。あの時は顕微鏡でなければ見えないサイズだったはずだから、今やかなり大きい。
「それで、クローニングのどこでつまづいているんだい?」
「PCRはうまくいっているみたいだ」
そう言って博士はPCR産物をゲルに泳動した際の写真を見せる。
「確かにシングルバンドが観察できるね。この後のDNA精製の結果はどうだった?」
「2.5 ng/microLだった」
「ちょっと濃度が薄いね」
クローニングでは、PCRで増幅したDNAをベクターと呼ばれる大腸菌内で複製可能なプラスミドに挿入する。その反応に適正な濃度比は決まっており、PCR産物:ベクター濃度比は3:1~8:1であると言われている。PCR産物の方が多く必要なので、濃度は濃い方がいい。
「先生は1 ng/microLでもあれば反応は成功すると言っていたから試しているけれど、一向にうまくいかないんだ」
「うん。クローニングに関してあまり指導教員を信用しない方がいいよ」
「え?」
(つづく)
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