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特別対談|デジタルとアナログを融合した「元気を持って帰ってもらう店」【株式会社ヨシックスホールディングス】

こんにちは。モバイルオーダーサービス「ぐるなびFineOrder」の企画運営を行うオーダー事業推進部 営業企画担当の吉川です。

オーダー事業推進部では、2021年7月の「ぐるなびFineOrder」リリース以来、人手不足の深刻化が経営の重荷となる飲食店に対し、DXによる業務効率化支援に取り組んできました。

今回は、「ぐるなびFineOrder」のテスト導入を経て、主力業態である「や台ずし」約300店舗全店への導入拡大を進めているヨシックスホールディングス様とぐるなびの両社長・経営陣による対談をお届けいたします。

「ぐるなびFineOrder」に何を期待されていてどんな価値をお客様に提供していきたいのか?「モバイルオーダーを使った省力化」と「心がこもったおもてなし」を両立させるために、どうオペレーションを工夫して取り組んでいるのか?「ぐるなびFineOrder」だからこそ実現できる、デジタルメニューをお客様に楽しんでもらえる方法の可能性についてなど、幅広くお話しいただいております。ぜひ、ご一読ください!

「ぐるなびFineOrder(ファインオーダー)」は、ぐるなびが提供するモバイルオーダーシステムです。 来店客自らのスマートフォンで注文・会計ができるため、飲食店は店舗運営の効率化を図ることができ、また来店客はよりスムーズに外食を楽しむことができます。

株式会社ヨシックスホールディングス
代表取締役社長 瀬川雅人様(写真中央右)
取締役     伊達富夫様(写真右)    

株式会社ぐるなび
代表取締役社長 杉原章郎(写真中央左)
執行役員    行武耕司(写真左)   


両社企業紹介

ー まずはヨシックスホールディングス様より会社紹介をお願いいたします。

瀬川社長(以下敬称略):弊社の1号店である「や台や」がオープンしてから今年で25年になります。私も「や台や1号店」のオープンと同年に入社しまして、会社全体ではコロナ禍を除き右肩上がりに増収増益を実現してまいりました。

ヨシックスホールディングスの傘下には「株式会社ヨシックスフーズ」(飲食事業)を始め、合計5社ございます。

「元気を持って帰ってもらう店なんやで」を基本理念としており、居酒屋業態を中心に老若男女問わず気軽にご来店いただけるような業態展開をベースとしております。

主力業態である本格職人握り寿司居酒屋「や台ずし」は、居酒屋でのブランド別出店数が全国5位の展開数(※)となっており、多くの方々にご愛顧いただいております。
(※)2023年1月 日本ソフト販売株式会社調べ。出典元詳細はこちら

その他にも280円均一低価格居酒屋「ニパチ」、お好み焼き鉄板焼き居酒屋「や台や」、大阪の味・串カツ居酒屋「これや」など多様な業態を展開しております。

最近は新業態の開発にも力を入れており、「玉鋼(たまはがね)」は、従来取り組んでいなかった高級寿司業態として新たにチャレンジしておりまして、日本刀を店内に展示していたり、十三代柿右衛門の皿を一部使ったりとインバウンド需要や接待需要にも対応できるお店です。

合計店舗数は2023年8月末時点で337店舗となりまして、今期中に25店舗の新規出店を目指しています。

公式サイトより

ー 堅調に新規出店ができる秘訣を教えてください。

瀬川:グループ企業である「株式会社ヨシオカ建装」にて多数の設計・施工管理実績があるためスピーディで低コストな出店を可能にしています。

地方都市の駅前立地などで他社様が苦戦して空いた物件に出店して好評いただくことも多いので、選択できる物件幅が「や台ずし」ではより多く持ててきました。物件さえあれば、という感じですね。

ー 増収増益、経常利益率の高さの秘訣はなんでしょうか?

瀬川:弊社は田舎戦略といって、あえて1.5~2等地に出店しています。乗降客が6000人以上の駅前、30~40坪程度の中小型直営店舗です。
そのため、他社では10~15%程度の家賃比率弊社では7%台に抑えることができていることがポイントです。

弊社が出店することで町が活気や元気を取り戻して他社が続いて出店したりと地域の発展・再生に貢献したいと思っています。

ー ありがとうございます。それでは、ぐるなびからも会社紹介をお願いいたします。

瀬川:サイト名称変更のニュースをちょうど拝見しました。

杉原:ありがとうございます。先日、飲食店情報サイト「ぐるなび」の名称を10月2日から「楽天ぐるなび」に変更する旨を発表させていただきました。

今回のサイトの名称変更を機に、楽天グループのサービスの1つであるという認知を広げ、楽天会員を取り込んでいくための「サイト変革」を推進していきます。

ぐるなびも1996年に飲食店情報サイトを開設、楽天も1997年創業ですので、「や台や 1号店」と近い時期からのスタートですね。

ぐるなびは、創業時からつなぐ想いである「日本の食文化を守り育てる」という精神のもと、インターネットを通じた飲食店情報の提供や飲食店への送客を行ってきました。
今年度からの3年間の中期事業方針では、モバイルオーダーサービス「ぐるなびFineOrder」を注力サービスの一つと位置づけ「飲食店DXのベストパートナー」として「ITと人」の2つの力で飲食店の皆様の後押しをする存在を目指したいと思っています。

「ぐるなびFineOrder」導入の背景/ 求めていたこと

ー 2022年10月より導入をスタートいただいておりますが、実際に導入されてみていかがでしたか?

瀬川:「モバイルオーダー」を認知はしていましたが、すぐに導入に至ったわけではありませんでした。
ただ、仕入れ価格の高騰や人材不足などの問題が深刻化する中で、「店舗の適正人数を配置できない」というのが悩みでした。

ピーク時に料理が来ない、注文できないといったお客様のストレスもそうですし、週に1回休みにせざるを得ない店舗があったり、店舗の2階が営業できない、といった機会損失がありました。

こういった問題を少しでも解決できればと思ったのが導入のきっかけです。

良いお客様ほど、「もっと注文したい」と思っても店が忙しそうな雰囲気を見て遠慮されてしまうのですが、手元にモバイルオーダーがあれば、そういった抵抗感が薄れてお客様にご迷惑をかけずに済むかもしれないですし、店員も、行き来する手間が省けて接客に余裕が出る。

これが、「ぐるなびFineOrder」に求めていたことでした。

実際にデータを見ると、ある店舗では客単価が約500円弱、1人当たりの注文品数が約1品上がっていることも わかりました。

何より驚いたのは、約8割ほどのお客様に使われていることです。お客様に受け入れていただいていることに安心しました。

一方で、課題もありました。ごくわずかではありますが、一部のスタッフが「注文はモバイルオーダーに任せればいい」というスタンスになってしまって。本来であれば、お客様の表情や手の動きの1つで気づくのが接客のプロだと考えています。「おもてなしの心で接客する」をポリシーでやっているので、気づいて当たり前なんです。その意識が薄れてしまうのが非常にまずいと思いました。
そこで、お客様に気軽に注文いただけるように口頭注文も受け付ける旨をご案内するシールを張ったりと、これまでやってきた人的なアナログの方法とデジタル化を掛け合わせたオペレーションを考えています。

杉原:実は先日、「や台ずし 西永福駅前町」に家族でうかがいました。瀬川社長がおっしゃっているようなアナログとデジタルの融合ができていることに大変感銘を受けました。
まず、店舗に入った瞬間にすぐに気持ちの良い挨拶をいただいたのもそうですが、ファースト注文の際に「ご注文はモバイルオーダーで承りますが最初の一杯は何になさいますか」と聞いていただき、「お飲み物を待っている間にモバイルオーダーで食事を選んでください」とQRコードをお渡しいただきました。モバイルオーダーを使うつもりで来店していましたが、そうでないお客様にも気持ちよく対応がされていると思います。
人でサービスをすることをベースにしながら、簡便にすべきことをデジタル化してうまく活用されていることがわかりました。

伊達取締役(以下敬称略):ありがとうございます。店舗のルールとして、まず最初の注文は店員が取るようにしています。
あとは、もともとテーブルトップオーダーを導入していた店舗もあり、注文業務はデジタルに任せながらも元気に声だしをするなど、DXツールを入れながらどうお客様と向き合うかを理解している店員も一定数いたのが良かったと思います。

杉原:また、お店の清掃が隅々まで行き届いており、テーブルの上の小皿にはプラスチックの蓋を置いてほこりがかからないように綺麗にされていたりと非常に感動しました。

瀬川:ありがとうございます。弊社の社是には「あたりまえやを当り前に」と定めていますが、ここのあたりまえとは具体的に「元気な声だし」「清潔感」「笑顔の接客」です。
飲食店である以上、ここの「清潔感」はあたりまえに守っていくべきだと考えていますので、モバイルオーダーで空いた時間に、「あたりまえや」の基本をさらに徹底できたらと思います。

「ぐるなびFineOrder」が持つ、デジタルメニューを活用したLIVE ECの可能性

「や台ずし」のデジタルメニュー 

ー 省力化・省人化を除いて、「ぐるなびFineOrder」に期待することはありますか?

瀬川:デジタルメニューの活用方法ですかね。モバイルオーダーで選ぶのと、通常のブックメニューで選ぶのとではメニューの出方が全然違いますよね。
画面が小さい中で、お客様の選択を狭めている感じはするけれどその反面で誘導はしやすくなっているとは思います。

杉原:顧客データと喫食データを蓄積し、確実に注文される商品を上位に表示しつつ、お店側がおすすめしたいものをレコメンドできるようなシステムはどう思いますか。

瀬川:リピーターのデータの蓄積方法はあるのでしょうか?基本、1人のお客様の注文パターンはある程度決まっているのでメニューレコメンド機能は非常に重要だと思います。

行武:顧客IDと喫食情報を組み合わせるとレコメンドが可能になります。弊社ではLINEミニアプリ連携ができるのでここから情報を貯めて自社でダッシュボードを作れたらと検討を進めているところです。

また、オンライン決済時の楽天ポイント連携による楽天ID活用も視野に入れています。最近では自社アプリとモバイルオーダーを融合させたい、というお声もいただいておりますので、様々な可能性があると思います。

瀬川:いいですね。これはぜひ早く実現していただきたいです。

行武:また、他社様では、同じメニューを平日と週末で価格を変えて提供し、価格変動で売上の最大化を探っていらっしゃったり、モバイルオーダー上のバナーやカテゴリを使って画面の作り方やメニューの出し方を工夫し、注文の傾向がどう変わるのかをテストされている店舗様もおられます。

瀬川:なるほど。デジタルメニューだと簡単にできますね。これまでは、売りたいメニューを売るには、ブックメニューで強弱をつけるくらいでしたのでデジタルにすると全く違う効果がでてくるかもしれませんね。

行武:はい。売りたい商品を強調できるよう、二倍角にしたり、高級感のある店舗のコンセプト動画が流れるなど、充実したUI・UXの仕組みを考えています。

伊達:文字が飛び出したりと視認力が上がるような画面の作り方をするのも
効果的かもしれませんね。

杉原:テーブルトップオーダーほどの大きな画面があればもっと表現ができるのに、というお声もありますが、すでにECの世界ではファッションなどがその小さな画面から次々と売れています。小さい画面でいかに良く見せるか、という技術がかなり進んできているので、美味しそうに見せる画像や動画を活用しながら工夫をする必要があります。

伊達:画面を切り替えたABテストなどもデジタルメニューであればできますね。ただ、そのためには、同業態の店舗間におけるメニューのコピーができる既存の機能に、グルーピングなど一部店舗のみ変更ができるシステムが追加されるとこちらも作業しやすいので、ここは早めに改善いただけたら嬉しいです。

瀬川:そうですね。現状、店舗ごとに異なる商品など非モバイルオーダーメニューが存在しているのでここは解決したいです。
また、ドリンクメニューにはチンチロがあるので、サイコロ機能や抽選機能といったエンタメ要素があるといいなと思います。

伊達:モバイルオーダーでのオンライン決済だけ抽選ができるような仕組みもできたら、オンライン決済の促進ができて面白いですね。

杉原:ご意見ありがとうございます。忌憚ないご意見をたくさんいただけて感謝しております。

引き続きお打ち合わせをさせていただきながら、汎用的にすべての企業様にとって、より良いシステム改善ができるよう努力いたします。

おわりに

ー 最後に、両社長から一言ずついただけますでしょうか。

瀬川:ガソリンスタンドのセルフ給油が広く受け入れられたように、早くモバイルオーダーが飲食業界のスタンダードになってほしいです。まさに今、ぐるなびさんがそのために努力されていると思うので、その後押しができたらと思っています。

一方で、私のようなデジタル世代ではない層にとっては抵抗を感じる側面もありますが、アナログ的な人のサービスとデジタルを融合したベストな使い方を追求してより良い店舗運営に活かしていきたいです。

杉原:世の中の流れがキャッシュレス化し、インバウンド需要にも対応できたりと、モバイルで注文することに抵抗感がなくなってきています。そういった流れを受け入れて、「ぐるなびFineOrder」が少しでも飲食店の皆様のお役に立てればと思います。

一方で、これまでの慣習を変えて、新しいものを受け入れることが難しいことも理解していますので、少しでも安心してお使いいただけるよう、ぐるなび社員による導入支援を行っています。
こういったぐるなびならではのサポートを通して、飲食店DXの後押しをさせていただきたいと思います。

【編集後記】 
読者の皆さま、いかがでしたでしょうか?
ヨシックス様が「ぐるなびFineOrder」を使って「元気を持って帰ってもらう店」を実現するためのポイントは以下3点でした。

・モバイルオーダーで注文業務を削減し、お客様と従業員のストレスを軽減すること
・モバイルオーダーで空いた労力で「元気な声だし」「清潔感」「笑顔の接客」に力を入れること
・将来的には、デジタルメニューならではの機能を活用して、モバイルオーダーによる注文の楽しさを提供していくこと


ヨシックスホールディングス様のように「心のこもった接客」を大事にしている企業様や、モバイルオーダーの使い方に課題を感じている企業様に少しでも「ぐるなびFineOrder」の可能性を感じていただけますと幸いです。

ぐるなび公式noteでは、導入企業様へのインタビューや活用事例など、引き続き「ぐるなびFineOrder」の魅力に関する情報発信に取り組んでまいります。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました!

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