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ぐるなびが目指す新しい社会インフラのかたち【オーダー事業推進部長インタビュー】

こんにちは。モバイルオーダーサービス「ぐるなびFineOrder」の企画運営を行うオーダー事業推進部 営業企画担当の吉川(写真左)です。

オーダー事業推進部では、2021年7月の「ぐるなびFineOrder」リリース以来、人手不足の深刻化が経営の重荷となる飲食店に対し、DXによる業務効率化支援に取り組んできました。
今回は、ぐるなび執行役員 オーダー&フードサプライ事業部 オーダー事業推進部長の行武 耕司(ゆくたけ こうじ)への「ぐるなびFineOrder」の立ち上げの経緯や今後の展望に関するインタビューの模様をご紹介します!

「ぐるなびFineOrder」(ファインオーダー)は、ぐるなびが提供するモバイルオーダーシステムです。 来店客自らのスマートフォンで注文・会計ができるため、飲食店は店舗運営の効率化を図ることができ、また来店客はよりスムーズに外食を楽しむことができます。


①   なぜ”ぐるなび”がモバイルオーダーを手掛けたのか?

~「飲食店DXのベストパートナー」としてのミッション~


-(吉川)なぜ、飲食店情報サイトを運営する"ぐるなび"がICTビジネスであるモバイルオーダーサービスに参入したのでしょうか?

㈱ぐるなび 執行役員 行武 耕司

(行武)
「食でつなぐ。人を満たす。」を存在意義(パーパス)とする当社が、外食を楽しみにされる消費者と彼らをもてなす飲食店をより深くつなげる上で、非常に大きな接点となり得るのが来店客自身のスマートフォンだと考え、飲食店で必ず行われる注文と会計に着目し、モバイルオーダーサービス「ぐるなびFineOrder」の開発をスタートしました。

現在当社のモバイルオーダーは、注文業務の負荷軽減という飲食店の業務効率化を後押しするだけでなく、オンライン決済機能や決済金額に応じた楽天ポイント付与機能などにより消費者の利便性や利得性、満足度を高めることができるほか、LINEといった外部サービスとの連携のもと 、再来店促進に役立つコミュニケーション接点を提供することができます。

そして、モバイルオーダーを通じ集積する喫食情報やぐるなびの持つ店舗データなどを組み合わせることで、業務改善による経費削減や客単価アップによる売上拡大を同時に実現し、その結果飲食店の継続経営を支援することができるサービスです。

さらに、将来的には「ぐるなびFineOrder」の導入店舗数を拡大することで、様々な飲食店の売上動向や注文傾向などに関するデータを俯瞰的に分析することができると考えています。例えば、「売上が拡大しているエリアはどこなのか?」「このエリアではどのようなメニューがよく注文されているのか?」など、マーケットやトレンドの調査・分析に活用できるでしょう。
また消費者の外食動向を把握できることから、より効果的な集客活動の支援などにも役立てることができると考えています。

-(吉川)商品開発を進める上で、後押しとなった想いや背景は何ですか?

(行武)
当社は1996年に飲食店情報サイトというビジネスモデルを生み出し、飲食店とお客様をつなぐ社会のインフラとして貢献すべく事業を推進してきたわけですが、新たに「ぐるなびFineOrder」を注文や決済を中心に店舗運営を支える新たなインフラへと育て、より快適で豊かな外食体験を実現したいという想いが大きな原動力となりました。
また、コロナ禍による飲食店の厳しい経営状況を目の当たりにし、コスト低減に向けた業務効率の向上という飲食店の課題、非接触型の接客など安心・安全な外食体験に対する消費者のニーズに対応するツールを提供することで、外食市場の活性化に寄与したいという想いも非常に強かったですね。

今では、業務効率化による省人化だけでなく、客単価の向上や集客力を高めるツールとしても力を発揮することがデータで実証されており、ぐるなびが創業当時から推し進めてきた「飲食店のサポーター」としての役割を「ぐるなびFineOrder」が担うことができるようになってきました。

② モバイルオーダーの課題は?

~飲食店と課題を共有し、ニーズに応え続けるということ~

「ぐるなびFineOrder」イメージ

-(吉川)リリース当初の飲食店の皆さまの反応はいかがでしたか?

(行武)
ぐるなび=飲食店情報サイトというイメージをお持ちの飲食店さんも多かったことから、「”ぐるなび”が独自でモバイルオーダーを開発?大丈夫なの?」と戸惑われるお店も正直おられました。
また、リリース当時モバイルオーダーを本格的に導入している飲食店はあまり多くありませんでしたので、「本当に効果があるの?」「そもそもお客様は使ってくれるのだろうか?」といった声もあったほか、来店客とのコミュニケ―ションを重視するお店からは、「お客様の印象が良くないのでは?」といった否定的な意見が寄せられたのも確かです。
飲食店の皆さまにとって、これまでの店舗運営の方法を大きく変えることですので、それはとても勇気がいることであったのでしょう。

しかし、当社モバイルオーダーとシステム連携するPOSベンダーと共に飲食チェーン企業を中心に営業活動を進める中で、「新しいことにチャレンジしたい!」と言ってくださる方も確かに存在。そうした企業にまずは数店舗でのテスト導入から始めていただくことになりました。そして1か月、2か月と活用いただく中で、来店客の満足度を担保しながら、店舗のオペレーションが改善できることをデータで証明できるようになり、モバイルオーダーの可能性を確信するに至ったのです。

さらに契約企業の拡大を目指すにあたり、最も飲食店が興味を抱く成功事例の創出が重要であるところ、威力を発揮したのが当社の強みである人的サポートを用いた「伴走型支援」でした。

モバイルオーダーは新しいサービスですので、いかに来店客にスムーズにお使いいただけるかが重要です。そこで、ぐるなび社員が実際にスタッフとして店舗に入り込み、利用率を高めるための施策提案や店舗スタッフの方へのレクチャーを積極的に実施することにしました。こうした店内オペレーションの改善など謂わばコンサルティング活動に取り組むことで、来店客によるモバイルオーダー利用の定着、そしてそれによるホールスタッフの省人化、さらには客単価の向上といった導入効果を実感してもらえるようになりました。

店頭でモバイルオーダーの説明を行うぐるなび社員

「”ぐるなび”だからこそできるカスタマーサクセス活動」
これが、飲食店の皆さまに安心感を与え、そして今へと続くご評価につながったのです。

今では、テスト導入店での確かな成果をもとに「よし!全店で導入しよう!」という流れが活発化し始めており、また「あの企業も導入しているならば!」と、様々な外食企業様が興味を示していただくようになりました。

-(吉川)立ち上げ後に直面した想定外の事態はありましたか?

(行武)
モバイルオーダーが持つ可能性の一つに、業態を問わずあらゆる飲食店を対象にサービス展開ができる点が挙げられるのですが、居酒屋に定食、ファミリーレストランにファストフード、そしてカフェなど一口に飲食店と言っても業態毎にそれぞれ違った店舗運営を行っていることから、お店が抱える課題もまた多種多様。モバイルオーダーに求める機能あるいは課題解決に向けたアクションもそれぞれ異なるのが実情でした。

SaaSモデルの1つのアプリケーションサービスを導入されている店舗に納得いただけるものをと取り組む中で、「居酒屋では使えるけど、ファミレスだと使いづらい。こういう機能が足りない。」といった率直な意見をたくさんいただき、業態のバリエーションに対して、どうように柔軟に応えていくかがサービス成長のカギを握っていると実感しました。

当社では、多くの若手営業スタッフが活躍しており、彼らが飲食店の皆さまの要望や困り事といった生の声を収集してくれています。そして、毎週開催される会議にて「飲食店の課題・ニーズの本質は何か?」「この企画を実施することでどんな影響が出るか?」など白熱した議論を重ねることで飲食店のニーズに対するアンサーを導き出し、さらに開発部やプロダクトデザイン部を交えた議論の中で、予算やROIを考慮しながら方針を固め実行。こうして着実に飲食店のニーズに即した機能の改善・強化が進んでいるところです。

こうした日々の活動を通じ、当社の強みは自社開発の部隊を持つことに加え、組織縦割り構造の発想ではなく「みんなで一体となってこのサービス盛り上げていこう!」という強いムーブメントが働いている点にあると改めて実感した次第です。

-(吉川)あえてモバイルオーダーの課題を挙げるならば何でしょうか?

(行武)
実は、モバイルオーダーは万能ではないと私は考えています。

なので、各卓に設置したタブレット端末を通じて来店客が注文を行うテーブルトップオーダーを導入している店舗に対して、「すべてモバイルオーダーに入れ替えましょう」という提案はしていませんし、モバイルオーダーと従来型の店舗スタッフによる注文受付が併存する中、「100%モバイルオーダー経由に切り替えてください」という提案もしていません。

なぜならば、お店にとってベストなオペレーションであるかどうかが大切であり、そのもと店舗運営が行われ来店客の満足度が向上することが重要だと考えているからです。

モバイルオーダーと他のツールの良い面を組み合わせ、飲食店・来店客双方にとって最も望ましい仕組みを店舗スタッフの方々と共に作りあげること。これこそが、「飲食店DXのベストパートナー」の役割であると捉えています。

③ 「ぐるなびFineOrder」が目指す未来は?

~世の中に貢献する新たなインフラへ~


-(吉川)「ぐるなびFine Order」が今後目指す姿を教えてください

(行武)
先日、私たちはChatGPTを活用したAIチャットボットの実証実験を実施しました。

実証実験の結果を踏まえ、AIやデータを活用したメニューコンシェルジュ機能によって、来店客がお店の特徴やこだわりに即したメニュー提案を楽しめるほか、さらには食に関する専門的な知識を得られるなど、外食体験をより豊かに充実したものとする機会の創出に向けた研究を現在進めています。

AIチャットボットのイメージ

「モバイルオーダーに語りかけることで、楽しい会話や有意義な時間を過ごすことができる」ことが、飲食店に足を運ぶきっかけになるような「ぐるなびFineOrder」を通じた憩いの場を提供したいと思います。

加えて、収集した喫食データをAI解析することで注文トレンドを予測することができれば、より精緻な食材仕入れ計画が立てられるようになり、ひいては食品ロスの低減につながる可能性があると考えています。

その他、店内利用客の注文機能に加え「ぐるなびFineOrder」が持つ店外からのテイクアウト注文機能を組み合わせ活用することで、店内外問わずあらゆる注文データを自動解析し来店予測および注文予測の向上を図ることができるでしょう。これにより、イートイン予約だけでなくテイクアウト注文数の増加が見込まれる年末シーズンなどの繁忙期における収益の最大化に向けた販売計画の立案・販促活動の精度向上が可能となります。

こうした機能は、ホテルや物販、シネマコンプレックスといった飲食店に限らない多様な業種においても効果を発揮することができ、より幅広い消費者の利便性を一層高めることができる可能性があると思っています。このように「ぐるなびFineOrder」の可能性を広げ具現化することで、持続可能な社会の実現を支えるインフラへと発展させていきたいと考えています。

-(吉川)最後に、一言お願いいたします。

(行武)
「ぐるなびFineOrder」は、「食でつなぐ。人を満たす。」という当社の存在意義(パーパス)のもと、今後も絶え間ない挑戦を続けることで、さらなる発展を遂げてまいりますので、どうぞご期待ください!

【編集後記】 
読者の皆さま、いかがでしたでしょうか?
当社が「ぐるなびFineOrder」にかける想いや飲食店の皆さまと共に日々改善を進めるサービス、そして新たな可能性について少しでも多くの人に伝わっていれば幸いです。
ぐるなび公式noteでは、導入企業様へのインタビューや活用事例など、引き続き「ぐるなびFineOrder」の魅力に関する情報発信に取り組んでまいります。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました!

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