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よりスムーズに!テキストコミュニケーションの高め方 〜①質問方法〜

リモートワークが定着したように見えたのに、
いやいや、やっぱり出社してよと言われたり。

良くなる兆しは見えつつも、まだまだ不安定で、みんなが様子見をしているように感じます。


とはいえ3年前と比べたら"リモートワーク"という働き方は認知を広げ、かつ肯定的に捉えられるようになったように思います。


そんな今、ますます必要になっているのが「テキストコミュニケーション能力」ではないでしょうか。

slack(スラック)やchatwork(チャットワーク)の利用を筆頭に、仕事のあれこれがテキストで行われることが増え、「テキストで仕事を進める力」が求められる。

でも、でも!!!!!!

新卒研修でメールの書き方は教わっても「ビジネスチャットの書き方」は誰からも教わってなくない!!????


「みんなビジネスチャットでスムーズに仕事、進めたいよね!?」と思い立ち、
今日は東大卒元外コン上司の指導から学んだ、ビジネスチャットの書き方をご紹介!


いや、お前誰だよという声が聞こえてきそうですが、
わたしはビジネスチャットにおける文章が上手いです。(断言)

転職した先で上司から
「ふり子さんのビジネスチャットの書き方は完璧。みんなこうだったら良いのにと思うよ」と個人的に褒められることから始まり、
ついには上司がグループ全体に対して
「みんなふり子さんの文章を真似してほしい」
と伝えるに至るほど。


もちろん最初からそうだったわけではなく、
これはひとえに前職の上司が東大卒、外資系コンサルで約10年勤めた経験のある超ド級ロジカル鬼だったからです。


徹頭徹尾、ロジカル指導を受けました。
そのロジカル指導をみっちり1年半くらい受けたあたりで、ビジネスチャットの極意を習得。

超ド級ロジカル鬼をもってしても、これ以上指摘することがない。
頂点までビジネスチャットスキルを磨き上げたのでした。


磨き上げられたビジネスチャットスキルは、どこに行っても活きる!!!

その証拠が、転職先の上司が「グループメンバーにふり子の文章を真似させようとした」行動でしょう。


というわけで、超ド級ロジカル鬼が認めたビジネスチャットスキルを、昔のわたし同様チャット迷子になっている方に届けたいと思います!



ビジネスチャット、難しいよね?


入社すると当たり前のように「これで連絡してます」とサラッとビジネスチャットのアカウントを渡されます。

でもこれ、意外と使い方難しいですよね????


5年前に薬局薬剤師から経験ほぼ0でIT事業会社へ飛び込んで、最初にぶち当たったのがslackコミュニケーションの壁でした。

入社した会社ではみーんなslack大好きで、斜め前の席にメッセージ相手が座っていても、無表情でslackのメッセージを送る。
そんな環境。


「喋る速さで打てる」と、タイピングだけは出来たわたしですが、
もちろんタイピングがいくら速かろうと、意志伝達のスピードが上がったり仕事が効率的に進むわけでもない。

なんだこれは。
そもそも"仕事における意思疎通のための文章"ってどうするんだ?????

本を読むのは好きだし、国語の成績もよかった。
文章を書くことになんの抵抗もない。

でも、全くうまくいかない。
同じ日本語で会話している気がしない。

あれ?知らないうちにわたし、宇宙人と交信してた?
それともモールス信号打ってた?
トン・ツー・トン・・・
どうですかー!わかりますかー!!?


・・・わかりませーん!!!!!



なんだこれは。どうしたらいいんだ。


こんな状態から始まったslack未経験者がお手本になるまで、
何をどう考え、どう文章に起こしているのか。
それを今回の投稿ではお伝えします。



超ド級ロジカル鬼の教え

初めてのIT事業会社に入社して3ヶ月。
上司がいなくなりました。


えー!!
わたしまだ何もわからない状態なんですが!??
議事録の取り方を教わってるレベルですよ!???

と唖然としているところに、次の部長は仮置きで2名が来ると知らされました。
しばらくは2人体制でいくと。

1人は在籍歴が長く、社長の右腕であり、既に別の部署の部長職を務めているAさん。
2人目が後に在職中ずっとお世話になる、ロジカル鬼。


半年くらい2人体制でどうにかやりくりし、最終的にAさんが、元々いた部署へ専任に戻るかたちで離脱し、ロジカル鬼が部長になりました。

一人部長になってからはますます、ロジカルの教えが濃厚さを増していきます。


ちょっとでもあやふやにしたら突っ込まれ、
わたしが把握していない点があったら宿題にされ。

「ビジネスの話を迂闊に持っていってはいけない。自分が通したい提案を確固として持っている状態で、かつ何を言われても返せる準備が必要」。

それがわかっても、実際に準備ができているのかはまた別の話で。

これで大丈夫だろうと思って持っていっては甘さを突かれ、再チャレンジをし…の繰り返しでした。


その日々の中でロジカル鬼がビジネスチャットについて触れたことは実はすごく少ないんです。
核となったのはたった一言だけ。

その一言とは、


やり取りを1ターンで終わらせること。


これだけです。


「は???」と思いますよね。

でもこの一言に、全てが詰まっていました。


どういうことか

「1ターンで終わらせる」。

これをもうちょっと丁寧に言うと
"自分が投げた文章に対し、相手が1回返事をすればその要件が終わる状態にする"
ということです。


わかりますかね?

期待する回答が1回で返ってくる

状態を作るんです。


これ、意外と難しいです。
なぜなら、
「そもそも書いている本人が、どういう答えが欲しいのかわかっていないことがある」から。


え?そんなことある???
だって目的があって、そのための過程の一部でしょ?
だったら、どういう答えを求めているのかはわかっていて当然じゃん!

そう思うでしょ?
そうなの。それが勘違いだからこそ、コミュニケーションしてるつもりが「誰と交信してるの?」迷走を生み出すのです。


「①質問」「②依頼」「③確認」「④提案」と4ブロックにわけて、解説していきますね。

これを読んだら君もビジネスチャットマスターだ!!!


①質問

たとえば、質問する場合を見てみましょう。

質問する場合の理想の1ターンはなんでしょう?


答えは「求めている回答が1回で返ってくる」です。


そりゃそうよ。Q&Aがセットになるのが普通でしょ?

いえいえ、意外と質問自体が不十分なこと、よくあります。

じゃあ、ダメな質問ってどんな??を考えてみましょう。


ダメな質問は相手に何を起こすかというと

「そもそもどういう目的があって、これを知りたいんだ?」
「前提条件によって返事が変わるんだけどな…」
「テキストで返せば伝わるレベルかな?口頭でちゃんとレクチャーする必要あるかな?」

といったように、"質問に対する回答の仕方"で相手を悩ませます。

相手に余裕があれば、質問の意図を深掘りするような質問を重ねて、実態を把握した上で回答してくれますが、
相手が忙しい人になればなるほど、無視される確率が上がります。

なぜならパッと見てすぐ判断できるものは見た瞬間に回答するが、そうでないものは後回しにするから。
いくら会社で偉かろうと、ビジネスが上手かろうと、所詮は人間です。
面倒なものは後回しにします。
相手を悩ませる質問は回答を後回しにされてされて、あっという間に忘れ去られる。


つまり、悪い質問をすると

・回答を得るまでに時間がかかる
・自分を悩ませる、仕事がしづらい相手だと思われる

んですね。

「仕事のスピードが速いかどうか」は、意外にも質問の仕方によったりもするんです。


「質問したけど返事がない」と頭を抱えるアナタ!
実は文章が不十分なせいで、相手に面倒くさがられているのかも!?

・・・わたしがこれをわざわざ書いているのは、間違っても「自分が嫌われているから」と思ってほしくないからです。

「この人は好きな人には返事をするけど、自分は嫌われているから返事がこないんだ…」

わたしにもそう思い悩んだ時期がありました。
でもビジネスチャットでのテキスト構成ができるようになった今は、その悩みに意味はなかったなと思います。

あくまでも、"送った文章がイケてないから"返事が来ないのです。
相手に好かれている/嫌われている は原則関係ない。
なぜなら仕事だから。


じゃあ、どういう質問が良くて、どれが悪いの!?

理解を深めるために、具体例を見てみましょう。


例1

お疲れ様です!
xxxのプロジェクトにつきまして運用担当はふり子さんでお間違えないでしょうか?
諸々お伺いしなければならないことがございましてm(__)m

「アーーーーっ!
これは長引くやつだ!」

これは実際に他部署の人からわたし宛にDMで送られてきたことがある質問文です。
久しぶりに身の毛がよだつレベルのがきたなー!と、身構えました。


さて、なぜこの質問は見た瞬間に相手を身構えさせるのでしょうか?

理由は簡単。
1ターンで終わる回答ができないからです。


もうちょっと分解してみましょう。


問題点1. 目的がわからない

いきなり「運用担当はあなたですか?」と言われても、
「いや、このプロジェクトの"運用"に該当する人は5人くらいいるよ」
「何を知りたいかによって、自分が答えられるのか、他の人を紹介する必要があるのかわからない」
などなど。

目的が不透明なところに名指しされても及び腰になります。
"運用"なんてどうとでも取れる言葉においそれと「はい、自分です」とは言えない。


問題点2. 求められている粒度がわからない

「諸々お伺いしなければならないことがございましてm(__)m」と言われたら、どれくらいのボリュームの情報を求めているのかがわかりません。
その人への回答に自分がどれくらい時間を割かねばならないのか、そもそもその質問にどんな価値があるのかもわからない。
怖すぎる。


問題点3. どういった方法で回答すべきか判断がつかない

問題点1,2を踏まえて、最終的にこの問題点が浮かび上がります。
テキストのラリーを何度も行った上で説明すれば良いのか、
いっそ最初からショートミーティングを組んで説明する必要があるのか。


ね?
たった1つの質問で、これだけ落とし穴があるんですよ。
「質問する」って、実はすごく準備が必要なことなんです。


今回のケースにおいては、最初の質問がこれでは"テキストで複数ラリーをしても何も得られない"結果に終わりそうだったので、"運用"の意味合いを補足しつつ、わたしは「15分くらいスケジュールを入れておいてください」と最初の返事をしたのですが、相手は一向にスケジュールを入れることをせず、ぐだぐだと何ラリーもさせた上で2営業日かけて、どうにか満足な回答が得られたらしく、終わりました。

残念な思い出です。


じゃあ、どんな質問をすれば良いの?

みなさんがきっと一番知りたいところでしょう!
良い例についても具体例を出してみます。


良い例

質問:xxxについて教えてください。
背景:現在、yyyという事象が起きているのですが、これをzzzにしたいです。
そのためにはどうすれば良いでしょうか?

こ、これだけ!超シンプル!!!

ビジネスチャットでは必要以上の挨拶やへりくだった姿勢は求められないので、テイストもこれくらいで大丈夫です。

大切なのはあくまでも、「質問に対する回答を1ターンで得ること」。


なぜこの質問形式が「良い例」なんでしょうか。
もうちょっと掘り下げてみましょう。

理由は
・知りたいことが明示化されている
・何に困っているのかがわかる
・最終的にどうしたいのか(目的)がわかる
からです。


質問する際に必要なのは

・質問内容
・目的(やりたいこと)
・現状(困っていること)

の3要素!


質問:
やりたいこと:
困っていること:

これをテンプレートにしても良いくらい。
ビジネスチャットで迷いがちな人は、この部分だけコピペして、いつでも使えるテンプレートとしてメモを残しておいてもらっても大丈夫!

この3要素さえきっちり書けていれば、おおむね質問で相手を困らせることはないはずです。

※稀にある「そもそもの考え方が間違っている」ことまではカバーできないけど、ここまで丁寧に書いていたら、相手も「前提が間違ってるよ」「見てるところが違うよ」と教えてくれるはずーーーーーー…!!!!


また、転職して日が浅い時や、普段関わらない人への質問では
「お手数ですが担当者が間違っていたら適切な方に回してください」
など一言添えるとベター。

質問内容や相手に自信が持てない時は「自分の知っている範囲ではこれが限界」を相手に伝えるのも大切です。



また、これらの要素を踏まえたうえで、もう一つ大事なことがあります。

質問前に自分でできる限り調べる。

質問する前に自分の調査が足りず、わからないことだらけの状態で質問を書こうとすると、「情報はいっぱい書いてあるけど、結局何を質問したいのかわからない」文章が生まれます。

どういう時のことを言っているのか。
具体例をもう1つみてみましょう。


例2

xxさん(上司)、おつかれさまです。
Aプロジェクトに、いくつか不明点が出てきているため、
お手すきで下記ご確認頂けませんでしょうか。

①BはCさん、もしくはDさんどちらにお願いするのが適切でしょうか。
Bを行う際、申請が必要となるのですが、
その際に合わせてEさんの情報も必要となります。
Eさんは委託先として適切でしょうか。
また、その場合Cは正しい情報としてご共有頂いている情報がFなので、Fに変更しても問題ないでしょうか。

②担当者はyyさんで良いでしょうか。
Gの責任者は現在zzさんになっています。
現在正しい情報としてご共有頂いているものにはhhさんがいらっしゃるのですが、
こういった担当者の項目あった場合はhhさんのお名前でよろしいでしょうか。

お手数ですがご確認頂けますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

これが「情報が整理されておらず、何を言ってるかわからない」パターンです。

1回読んだ時、登場する固有名詞の関係性が把握できなくて、何がなんだかわからなくなりましたよね?
なんなら読んでいられなくて、途中から読み飛ばした人もいるかも?


この文章では情報が整理されていないせいで、何を質問したいのかが伝わらなくなってしまっています。

書き手としては①②それぞれに回答をもらいたいのでしょうが、この質問には残念ながら1ターンでは返せません。
なぜなら、質問①②それぞれに対し一言で返せるようになっていないからです。


問題点を洗い出しつつ、解決策を考えていきましょう。


問題点1.  ナンバリングが機能していない

①BはCさん、もしくはDさんどちらにお願いするのが適切でしょうか。
(中略)
Eさんは委託先として適切でしょうか。

まずここですね。
①のブロックの中で、
「CさんかDさんどちらが適切か?」
「Eさんはどうだ?」
と、質問が重なっています

こんなことをしたら、せっかくのナンバリングの意味がなくなってしまう。

もちろん目的を書いた上でナンバリングを細かくして、
質問①ー1
質問①ー2
といったかたちで質問を分解して、見やすくすることも可能です。

でも、「この方法は対処療法であって、根治ではない」と感じるので、この問題点についてはもうちょっと深掘りさせてください。


情報が整理できていない文章は
「そもそも疑問に対する調査が十分でない」
のが理由です。


本人の理解が足りていない状態で

「とにかく目的を達成しなきゃ!
これもあれもわかんない!
わかんないけどやるしかない!」

と、気持ちだけで走っている。

「相手がなんとかしてくれるだろう」といった、"期待"といったら言葉が良すぎる、ただの丸投げ


上司は部下と比べて知っていることが多いし、決断権も有していますが、なんでも知っているわけではありません。

現場の細かい話や多部署が管轄している話なのであれば、絶対にもっと知識のある人がいるはず。

加えて、今回のケースでは相手が上司。
平社員が「なんか全然わかんないけど、とにかくこうしたいから全部教えてよ」と丸投げして良い相手ではありません。

丸投げすることは、ただの質問者側のサボりです。怠慢。


さて、例文に戻ると、

①では
「Bを達成するために絶対にEの情報は必要」であることが読み取れます。

であれば、まず先にEの情報を自力で調べてみようよ。


これはわたしの想像ですが、おそらく書き手は最初の1行を書いた後に
「そういえばEってどうなんだ?」
と疑問に思い、それを質問ついでにそのまま書いたのだと思います。

それは適切なテキストコミュニケーションとは言えない。

質問としてそのまま書く前に、自分で立ち止まって考えてみよう。

Eさんの情報は誰なら知っているのだろうか?
どこに聞くのが適切か??
自部署?多部署??

Eさんの情報がわかったら、①に対する返答のおおよその見当がつくかもしれない。
なんならそれだけで判断できて、そもそも①の質問が必要ない可能性すらある。


ビジネスチャットは
・文章を書くことで頭が整理される
・思考が整理されていないものは、それがそのまま伝わる
といった2面性のあるツールです。


質問をいざ書いてみて「あれ?」と思うことがあったら、その場で立ち止まろう。


そもそも自分が質問したいことはなんだっけ?
あ、そういえばここもわからないな。まずはここを解決しよう。

といった具合に、書いてみて自分の質問がぼやけてしまう時は、相手に送る前に、疑問を一つ一つなるべく解決しましょう。
解決して解決して、その上で最終「上司しかわからない」ぐらいのことを質問するのが理想です。


また、もし本当に何もわからないなら、質問を絞らず、大きく質問しましょう。
「これについて知りたいのですが、自分は全くわからないし、どこから手をつけたらいいのかわからない、誰に質問したらいいのかもわからなくて困っています」
「全部わからないからファーストステップだけでも教えてほしいです」
といった具合に。



✍️✍️✍️


さて、〜①質問〜はここまで!

①の質問だけで思いのほか長くなってしまったので、「②依頼」「③確認」「④提案」は次の記事でお届けします!

次回、「②依頼」編は
依頼した人からの
質問が重なってやりとりに時間を取られてしまったり、果ては
「なんであなたから私に依頼してきているんですか?そんな権限ないのに?」
なんてことまで発展したことのある人を救う内容となっております!


全ビジネスチャットユーザーが円滑に楽しく日々を過ごせますよーにっ!!!
この記事を読んで、世界中の質問ラリーが減れば嬉しいですっ!!!



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