【漫画】フローター / プロ浮浪者１「浮浪者生活の始まり」【ミニマリスト｜タイニーハウス】

くそぉ。住む家が見つからない〜！

そうか、お前家失くしたんだっけ？おもしれぇな。

全然面白くねぇよ！フリーランス始めたのは良いけど、社員寮出てから住む場所なくてさ。

じゃ。路上生活。" 浮浪者 " 確定だな！

冗談やめてくれよ！なぁ。しばらくお前の家停めてくれねぇか？お前今一人暮らしだろ？

無理。第一俺には嫁がいるからな。

あぁ。画面から永遠に出て来ないやつね。やっぱ、会社員は良いなぁ安定してるし！

良いだろ。お前も戻っってくれば？

いや、俺はプログラマーとYouTubeで食ってくって決めたんだ！だから絶対戻らない。

頑固だな。

なぁ。お前が無理なら、お前の知り合いでも良いからさぁ。頼むよ！誰か俺をしばらく停めてくれそうなやついないのか？

そういえば・・・。

いるのか？俺を停めてくれそうなやつ！

いるにはいるが。超個性的なやつだぞ。

お前より濃い人間がこの世にいるかよ！良いから教えてくれ！

さっきの話。" 浮浪者 " で思い出したんだが。

瀬戸内海の海の家？本当にそんなとこに俺を停めてくれそうなやつがいるのか？

うむ。確かに海は綺麗だな。

海の家の住人ってことは、相当マッチョでいかにも「海の男」って感じの人なんだろうな。

しかし、いくら歩いても家なんか一つも見当たらないぞ。

あっ！すみませーん。

え？海に住んでる人？あぁ。もしかしてあの " 浮浪者 " のこと？ 

浮浪者？

やめてよ！ただでさえ気持ち悪いのに。あなたも近づかないほうが身のためよ！

そんなヤバいやつなのか？その浮浪者って。

しかし、慎二だけじゃなくて、この辺の人もみんな「浮浪者」って呼んでんのか？一体どんなやつなんだよ。

ん？

とぼとぼ。

どっかのスタッフっぽいけど。確かに身の拠り所の無さがうかがえる不安ないでたち。

まさか、こいつが " 浮浪者 "！？

じー・・・。

ん？君何か僕に用？

いえ。全然。

あっ。もしかして慎二が言ってた人？今日家を見に来るって。

は・・・。はい！！

じゃ。着いて来て。

こいつゆるキャラかなんかか？なんだこの妙なゆるゆる感。

着いたよ。

う・・・浮いてる！！

待ってくれ。どうやって家まで行くんだよ！

ザバザバ。

こいつナチュラルに海に入ってる！！

ダメだ。どこから突っ込めばいいかわからない。

なんで、こいつの家は海に浮いてるんだ？どうやって建てた？なぜそうなった？・・・わからん！

どうした？来ないのか？

いえ。行きます！

くっそー。俺のジーンズが・・・。

これが、海の家？近くで見ると、縁側もあって、案外快適そうじゃん？

気に入ってくれた？正直、1人だと家事も大変だし、光熱費だけでも半分になれば凄く助かるんだ。

あぁ。いえ。恐縮です。

ってまだ住むって決めてねーから！！

あの・・・。

僕の名前は浮島一（うきしま はじめ）。

浮島さん。あのちょっと言いづらいんですけど。

良いよ。僕が "浮浪者" って呼ばれてることでしょ。

・・・！

こっちに僕が越して来てからなんだ。そういうあだ名がついたの。

浮島さんはどうして、この浮く家に住もうと思ったんですか？

最初は、君と同じように僕もアパートを探していたんだけど。なかなか良い部屋が見つからなくて。

会社をやめた後、正直気力もなくて。その時タイニーハウスのことを知ったんだ。

タイニーハウス？確か、自分一人が丁度住めるぐらいの「必要最小限の家」ですよね。

詳しいね。

まぁ。僕も一応YouTuberなんで。

それで、海の家に家を創って自分で住んでみようかなと。

飛躍がすごい。普通陸に作るだろ。陸に！

陸は限られているけど、海の上は無限でしょ？だから、僕は海を切り開くことにしたんだ。

なんか、ちょっとカッコイイかも！！

海の上で船酔いとかしませんか？

する。めっちゃする！！今でも！！

船酔いするんかい！

ということで、今日からよろしくね。新しい浮浪者さん！

って。俺は浮浪者じゃなーい！

続く。