見出し画像

【漫画】ナンバーズ「1」【猫と女子高生】

ねぇ。「1」ってどんなイメージがある?

1か。1といえば、ナンバーワン。世界を統べる覇者の称号じゃねーか?

やっぱりそうよね。誰もがみんな憧れる、栄光の第一位!学力テストの学年第一位に、人気アイドルグループの最強エース。一番キラキラ輝いてて、みんなの注目のマト!

ま、一番ほど、キリが良い数字は他にないな。ま、ぶっちゃけ、ナンバーワンの座は、葵には程遠い存在だけど。

何言ってるの!私だってちゃんと、一番の座を確保します!全校集会の時、いつも一番前なんだから!

そこ自信持つとこじゃねー!ただ単純に背が低いだけだろ。あとはあれだな。1と聞きゃ、やっぱ「始まりの数」。一学期に、「初めの第一歩」、トランプの一番小さい数字。どれをとっても、1は始まりを意味する。

1か。そういえば、私もレベル1の頃があったな。今じゃ、すっかり成長して、レベル53だけど、たまに故郷に帰ったりして敵に遭遇した時に、瞬殺しっちゃって「あぁ、私強くなったな。」ってしみじみ感じる。

お前はゲームの世界の勇者か!ま、でも、始まりと言えど、人生には何度も「1」があるしな。初めて迎える1歳の誕生日に、入学したら小学一年生。その後も、中一、高一と、考えてみたら人間は、「1」を何度も繰り返すうちに、どんどん成長して行くのかも。

それはないよ!だって私、高校に入学した途端、それまで勉強してた内容、全部どっかに消えちゃもん!

それはお前の記憶力の問題!

それから、何と言っても外せないのが、数学上の「1」の存在!自分自身で割り切れるにも関わらず、なぜか素数ではない不思議な数字。フィボナッチ数列の最初の数。あぁ、熱き鼓動。俺の血に宿る、数学者の魂が今グツグツと湧き上がって来たぁああああ!

はいはい。藤島は、数学の話が好きだもんね。でも数の話はここで終了。私の頭が痛くなっちゃうもん。

あぁ、私も何かで一番になりたいな。ラーメン大食いで一番とか、布団に入ってから寝るまでの早さが世界一とかでも良い!

もっと他にちゃんとしたナンバーワンはなかったのか?随分謙虚だな。

フ。でも俺は知ってるぜ。葵が持ってるナンバーワンの記録。

え?何それ?もしかして、郵便受けの必要な手紙と要らない広告を仕分けするチャンピオンとか!?

だって、葵は誰よりも一番友達思いだからよ。俺見てたぜ?この前も、クラスのやつにあげるプレゼント、必死になって考えてるとこ。

きゅん・・・!

バカね。それはあくまで裏の顔。私の素顔は、悪魔界でも有名な、お豆腐配達員なんだから!

真面目か!結局、両面ただの良い人間じゃねーかよ!!

おしまい。