【漫画】本当は優しい子猫さん３「開封済みのフィギュア」【スコティッシュフォールド｜マンチカンキャラクター】

疲れたぁ〜！今日もなんとか乗り切った〜。

でも、さっき確認したもんね。「注文商品配達済み」！

ヤッホー！！ナイスタイミングゥ！今日の俺へのご褒美。仕事頑張った甲斐があるっつーもんだぜ！早く帰って開封しよーっと！

ただいま！！

おかえり！今日もお疲れ様〜。

そうだよ。疲れたのなんのって。ま。良いや。なぁどこだ？俺の荷物届いてただろ？

それが・・・。

何だよこれ？もう箱空いてんじゃん！

ごめん。間違って開けちゃって。

ごめんじゃねーよ。あ〜あ。終わった。疲れ一気に溜まった。

許して。

まず「何で開けたか」理由を教えてもらわないと。話はそれからだ。

理由は「僕の荷物かなぁ」と思って。

は？理由になってねーよ！ほら、ここにちゃんと書いてあるだろ？「灰色猫様」って！お前文字読めねーのか？

いえ。ちゃんと読めます。

読めるんだったら、何で間違うんだ？あぁ？

確認不足です。

何が「確認不足」だよ！良いか。俺がどれだけ今日のこの荷物を楽しみにしていたかわかるか？

いえ。わからないです。

そうだろうなぁ。わからないからこんなヒドイことができるんだろうな。このフィギュアは俺が半年前から予約して、何とか抽選に当たったから今日ここにあるんだよ！なのにお前と来たら。敬いの気持ちが足りない！

ごめんなさい。

第一、お前「開封の儀」がどれだけ重要なものかわかってんのか？

いえ。わからないです。

頼んでから来るまでのワクワク感。箱に手をかけ、開ける瞬間訪れる幸福。手に取る商品の神々しさ。

なのに、お前は俺が開けるより先に開封しやがった！今まで積み上げて来た、買い物の楽しみが全部ぶち壊しだっつーの！！

なんとかならない？償いがしたいんだけど。

無理だな。一度開けた箱はもう元には戻らない。箱に閉じ込められてた密林の空気も全部パーだ。

でも、ほら、中身は全然触ってないよ？ダメかな？

は？急に調子に乗ってんじゃねーよ！「卵からかえった小鳥が初めて見たものを親だと認識する」お前も知ってるよなぁ。お前が先に開封しちまったら終わり。もう俺はコイツの親じゃねーんだよぉ。

ごめんなさい。

はい。許しません。お前今日晩ご飯抜きな。早く部屋に戻れ。俺が良いって言うまでまで、仕事にも行くな。以上。

そんな・・・！

はい。喋ったから罰金。早く部屋に入れ。

・・・。

クソ。あいつ勝手に開封しやがって。最悪の気分だぜ。

ん？今チャイム鳴ったよな。宅配便か？

はーい。今行きまーす！

こら。お前勝手に出てくんじゃねー！！

良かった。間に合った〜！！

何だその箱の中身は？

これプレゼント！猫さん今日誕生日だったでしょ？

・・・俺に？

そう！間に合わなかったらどうしようって正直不安だったけど。気に入ってもらえると嬉しいな。

ごめん。勝手に怒ったりして。俺、お前が「プレゼント来るのを待ってる」って知らなくて。部屋に閉じ込めようだなんて酷いことを。

良いの。全然気にしないで。そもそも勝手に早とちりして、開けた僕が悪いんだから。

お前は本当に優しいな。

プレゼントは気に入ってくれた？このアニメ好きだったでしょ？フィギュアも集めてるみたいだったから。

うん。嬉しいよありがとう！

（実はもう持ってるけど。これからずっと内緒！）

おしまい。