【漫画】ミニマム・カァチュン13「ブランドが自分を表す違和感」【無料おすすめマンガ】
そういえばこの間、ブラク・ローの財布買ったんだ。
へー良いね。どんなデザインのやつ?
黒の革財布なんだけど、全体にブランドのロゴが入ってて、最高にクール!半年前ぐらいにネットで見つけてから、ずっと狙ってたんだけど、ついに昨日思い切って買っちゃったんだ。
カッコよさそう。僕、ブランド物の財布とか、今までの人生で一度も買ったことないから、憧れるんだよね。
言われてみれば確かに、財布に限らず、お前がブランド物を持ってるイメージ全然ないな。なんで、買わないんだ?興味ねーのか。
というより、僕は「物が自分を表してる状態」が怖いんだよね。
ん?どういうことだ?
例えば、僕は「あいつはピジョン・クラークのコードバンの長ザイフを使ってるから、実は紳士を目指してるんだ」って誰かに思われるのが嫌。ブランド物を持ってると、どうしても「そのブランドを選んだアイツ」って目で、周りから見られる。それがどうも窮屈なんだよね。
は?それが良いんじゃねーか。それこそ、ブランド物の一番の価値だろ。一体何が問題なんだ?
極端な話、「僕」を表すのはあくまで、僕自身の「口の形」や「目の色」「髪のクセ」であって欲しい。それこそが、「自分」っていうブランドを表す唯一の特徴であって欲しいんだ。だから、他に余分な物は要らない。むしろ、邪魔に感じる。極論、すっぽんぽんで毎日生活したいぐらいだよ。
お前の言いたいことがわかった気がする。そもそも昔は、物は道具に過ぎなかったもんな。寒さを防ぐために、服が要る。日光を遮るために帽子が要る。でも今は、逆に「自己表現」が物の一番の役割みたいになってる。だから、お前がブランド物を持つことに違和感を感じるのも、ある種「原点回帰」。自然な思考なのかも。
それに、頭がおかしくなりそうになるでしょ?ネットで買い物してる時に、「本当は赤の財布が欲しいけど、俺の柄じゃないかな?」「そもそも、デザインが派手過ぎて、俺に似合ってない?」とか、物の特徴と、自分のアイデンティティを比較するの。
確かに、買い物する時って、常に自分のアイデンティティが試されてる感じがして、時々疲れを感じる。だからなのか、時々「買い物が楽しくない」って感じてた理由は。
だから、僕は単純に物を買う時、機能だけに注目してる。「見た目の良さ」じゃなく「使いやすさ」。そうすると、「頭が良い自分」を尊重しつつ、自分のアイデンテテーが傷つかないで済む。
ブランド物を買う行為って、ある種「価値観の共有の同意書」にサインをするようなもんだもんな。今のブランド物が溢れた時代、敢えてブランド物に手を出さないことで、他の人の価値観に乗らない「素のままの自分」でいられるってわけか。
なんか、お前の話聞いたら、今まで心の奥底に引っ掛かってた物が一気に取れた気がする。サンキュー、チュン!
よし、じゃあ早速持ち物全部押入れに封印しよっと。財布は、コンビニの袋で・・・ってダメだ。コンビニの袋も表に店のロゴが入ってる!
別にそこまで拘らなくても、今のは全部僕の意見だから、カーさんは自分が好きな風に買い物をしたら良いんだよ。
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