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3か国横断報告レポート(ブレインストーミング編)

こんにちは、TOYOTAプロジェクトチームリーダーのやすです。

 先日、TOYOTAプロジェクトに参加している台湾チームとタイチーム、日本チームで、中間報告会を行いました。その様子を〈報告会編〉と〈ブレインストーミング編〉で分けて、紹介させていただきます!!
 今回は、前回の報告会の後に行った各チームの強みとボトルネックを踏まえお互いにフィードバックやアドバイスを行ったブレインストーミングのセッションの様子をお届けしたいと思います。

1.タイチームからの質問「アクティブな学生を継続して集める方法は??」

 まず、はじめにタイチームからは「プロジェクトにアクティブに参加してくれるような学生の集める方法」についてディスカッションしたいと言ってくれました。

 タイの大学生の多くは、日本の学生と同じく夏休みになると、卒業後の進路のためにインターンシップに参加したり、自分自身を企業にアピールできるような活動に参加するそうです。しかし、その影響で、活動メンバーがインターンシップに行ってしまい、なかなかミーティングが進まないことや活動の主要メンバーが少ない状況が続いてしまうなどのボトルネックポイントがあるようです。

A. そして各国のメンバーからさまざまな意見が飛び交いました。
〇学生は、夏休みを楽しむ時間とやらなければならないことをする時間という二つの時間軸で過ごしている。そのため、コアメンバーは、彼らが何をしたいか、何をしなければならないかのニーズを満たせるような役割を用意しておかなければならない。

〇私たち(運営側)は、もっと人間の本質的なところを考えなければならない。例えば、若い学生は、基本的に参加するのは活動の”カッコよさ”に魅了されているだけのことも多い。だから、活動にいざ参加してほしいと思ってもなかなか現れないことが多い。また、活動に参加しようとしてもどのように活動に参加したらよいかがわからないと言っている学生もいる。だから、どのように活動に貢献できるか、またその活動が目に見える・周りからわかりやすいメリット(利益)として捉えられるようなものにしておくことが現代の若者を集めるには有効かもしれない。

〇台湾でも履歴書に書ける活動かどうかで活動への参加の有無を決定される傾向にある。しかし、自分のやりたいことが活動としてしっかりと構築されていれば、活動に積極的に参加してくれる人は増えるのではと思う。

2.ビーチのクリーニング活動から学ぶ、学生へのアウトリーチ

 タイチームの質問から派生して、前回も紹介した台湾チーム「ビーチクリーニング活動」の話になりました。

Q.ビーチクリーニング活動って、知っている学生を集めたのか、それともまったくプロジェクトについて知らない学生を集めたのかどっち??

A. ほとんどの学生が、活動のことについて知らない学生やPtCと関わるのは初めてだという学生ばかりだった。そもそもこの活動は、大学の外の道の清掃活動が派生したもので、参加者から「もっと定期的にやってほしい!!」という意見をもらえたので、ビーチにまで活動の幅を広げた。最終的には、DOMIの活動やPtCの活動を普及する良い機会になって良かった。
 確かに、長期的な活動ではなく、単発的なボランティア活動であるが、PtCの活動を広く普及したいというチームの目標をかなえるため、自分たちの思いには合っている活動だった。


台湾チームが実施したビーチクリーニング活動の様子(QRコードをキーホルダーにして、PtCの普及活動をしていた:左下)

3.台湾チームからの質問「国際的なチームを作るには??ローカルな学生を集めるには??」

次に、普及活動にも説教的に取り組んでいる台湾チームからタイや日本のチームへの質問が飛んできた。それは、「どうしたら国内、特にローカルな学生をチームメンバーに巻き込むにはどのようにすればよいか」という質問でした。

A.タイと日本チームからそれぞれ質問に答えていきました。

タイチーム:
タイチームは、構成メンバーはタイの学生ですが、バックグラウンドとしてインターナショナルな活動や学校のプログラムに参加している人に積極的にアプローチをしている。特に、タイの学生のほとんどは、大学進学と同時に海外の大学に進学してしまう。そのため、タイの高校生や現地のインターナショナルプログラムに参加している学生に積極的に声をかけている。また、彼らは「何かやってみたい!!」と思っている人も多いため、意思は自分たちと共通している部分も多い。

日本チーム:
日本チームは、学生が集まる場(QUESTION)を拠点にしていることがとても役に立っていると思う。その場に来てくれた学生の中で、興味を持ってくれそうな学生やプロジェクトに参加して活躍してくれそうな人を見分けていたりする。また、グローカルセンターも大学の教授とつながりがあり、マイナスプラスモデルを大学の授業の中に組み込んでくれている。

4.日本チームからの質問「モデルを実装していく場所の選定はどのようにしていったか??」

そして、次に日本チームからの質問をしました。特に、私たちは「これからプラスパートを考える際に実際にどのように対象地域を絞ればよいか」について、迷っているということを台湾チームとタイチームに投げかけました。

日本チームからの質問リスト

A.
台湾チーム:
台湾では、政府が住宅開発をする中で、最も貧困状態が悪化している地域に焦点を絞って活動をしていた。また、次の段階では現地のコミュニティセンターで、村のリーダーや住民とたくさん会話をした。最初のころは、未知の活動であり、信頼を得ることが難しかったが、2週間ずっとその地域に通い続け、信頼を徐々に得ることができた。そして、最終的には数か月後にその地域でアクションを起こせるような関係性を構築することができた。

タイチーム:
タイチームでも、実際に困窮しているコミュニティに入っていき話を聞き、彼らのニーズを理解することから始めた。例えば、タイのスラムコミュニティでは、教育や家族の安住性がとても必要とされていることが分かった。また、あるソーシャルパートナーと定期的に会話をする中で、LEDライトや電子機器が病床の高齢者にとって必要不可欠なものということを理解してもらえ、活動をサポートしてもらえるようになった。

5.マイナスモデルに関するプチディスカッション~台湾の活動を事例に~

そして、最後に日本チームがマイナスパートの一策としてフードロスを利用できないかという提案に対して、Coreyが台湾の「Taste me」という活動を事例に取り上げながら、少しディスカッションをしてくれました。

(Taste meは、学生や貧困状態の家庭などで、食事になかなかお金をかけられない人が捨てられそうな食品を安くで購入できるサービス)

https://tasteme.com.tw/


Corey:マイナスパートを考える際は、サステイナブルな活動にするためにどこから資金調達をしてくるかが大切です。また、レストランやスーパーマーケットなどお店と関わることが多くなるため、貧困状態に苦しんでいる人々と企業の間でどのような需要と供給のやり取りがされているかを観察することも大切だと感じる。例えば、若者・学生の貧困を考える際は、学生が実際に店やレストランで、店側とどのようなやり取り(何を買っているか、どのような会話をしているか)を観察すればよいのでは。また、フードロスは、日本の文脈で考えるのは、ヨーロッパの食文化と関連性が高くとても良いと思う。


6.感想と気づき

やす
今回のミーティングを通じて、これから現地調査をする中で、実際の地域の声を取り組むような姿勢を持ちたいと思いました。タイチームも台湾チームも共通をしていたのは、チームメンバーを集めるときも活動を広げていく際も対象とする人々がどのようなことを求めているかを知ろうとしていることでした。また、そこで知ったニーズをしっかりと取り込んで自分たちのやりたいことややるべきことと組み合わせて、形にしている点も基本的なことですが、しっかりと意識しなければいけないと感じました。

みずき
3カ国で協力して活動しているとはいえ、空間的にも言語的にも隔たった3チームが集まるというのは非常に貴重な機会でした。台湾チームはさすがに一日の長が有り、我々が取り組んでいるような調査・モデル化から発展して対外的な発信やイベントであったり、あるいはまた別のプロジェクトを進めていたりと非常に学ぶところの多い、また触発されるような内容でした。タイチームにおいても、我々と同じくモデル化を進めながら、同時に非常に活発に対外的な発信を行っている様子でした。調査やモデルについてはもちろんのこと、チームの組織的な面、進め方の面での課題も多く見えてきたような気がします。

さや
私は初めての3カ国での報告会でした。タイチームでは私たち同様長期でプロジェクトに関われる学生メンバーを集めることに苦労していて学生主体でPJを進めようとすると、どうしても出てくる課題だと感じました。報告会を通じて私が他のチームから特に刺激を受けたのは、SNS等を使っての活動過程の発信の積極性です。イベント等の活動の結果だけではなく、こんな話が出ました、とかこんなことに挑戦しようと考えています、など活動の過程やメンバー個人の考えを表現していくことはとても素敵だし、周りを巻き込むにしても効果的だと感じました。そして、英語をもっと話せる、聞き取れるようになる!と決意した日にもなりました。彼らが話す言葉を同じ瞬間に理解して感情を共有することが目標です。

次回は10月に開催予定!!!

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