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海外での生活レベルはどう決まる?

(本日の写真: Dokk1, Aarhus, Denmark)

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【渡航先】全世界

海外での生活レベルってどうなるんだろう?
知らない国に行く前は不安もありますよね。
生活をする上で考えるべき両輪は収入と支出
まずは収入からみていきましょう。

収入を給与から単純計算してはいけない

収入の額が決まっていれば自ずと家賃等の予算が決まってきます。
そして収入=年収ではありません
日本で雇用の身であると余り意識する事が無いかもしれませんが、月給から様々な税金や社会保険料が引かれ、両方ともばかに出来ない額です。

まずは日本の場合から見ていきましょう。税金は主に所得税・住民税です。
日本の所得税は累進課税となっており、以下の通りとなっています。

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もう一つ天引きされるものとして額が大きいものに社会保険料があり、こちらも同様に所得額に応じて決まってきます。
社会保険料は4~6月の給料を基準に計算され、残業代にもよるのであくまで下記の数字は概算です。
また40歳以上は健康保険料に加えて介護保険料も徴収されたりと細かい話は割愛しますが、以下よりざっくりイメージをもって下さい。

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では海外の場合はどうなのか?
その国にもよりますが雇用の身であれば同様に税金が天引きされた額が支払われるでしょう。
しかしこの税額や計算方法が日本とは大きく違います。
当然手取り、つまり生活に使えるお金(可処分所得)は大きく違ってきます。

例えば国際都市ロンドンだとIncome Taxは下記の通りとなります。

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(https://www.gov.uk/income-tax-ratesより)

ややこしいですが、£12,500までは税金がかかりませんが、それ以上の額の£12,500~£50,000までに対しては20%課税されます。
例えば年収が£20,000であればPersonal Allowance £12,500との差額£7,500に対して20%の税金がかけられます。
国によって色々と違ったりするのですが、一つ言えることは日本の年収をその時のレートで単純計算して多寡を見極めてはいけないということです。
私も初めてヨーロッパに引っ越した際、その時のレートで単純計算して日本でもらっていた給与より多いからいいかな、という感じでオファーをそのまま受けました。orz

一方で社会保険料。
アメリカのように国によっては健康保険はかなり高額だったりもすれば、一方でイギリスのように無償の国もあります。
滞在期間によってはその国の保険に加入せず、旅行保険で賄えることもあるでしょう。

支出のシミュレーションをして概算を出してみよう

あなたは家計簿をつけていますか?
もしつけていないのであれば今日からでもつけましょう。
自分の支出を見える化することによって、海外での支出のシミュレーションが立てやすくなります。

何にどれくらい使うかは人それぞれですが、一般的に支出で一番額が大きいのは家賃でしょう。
家賃は手取り額25%以内に収めると家計的に健全とされています。
そうすると上記の可処分所得から予算が決まりますね。
そしてその予算内で物件を探せるかインターネットで事前に調べておきましょう。
この記事執筆現在はイギリス・ポンドやユーロも数年前と比較して大分弱いですが、都市部は相場は高いです。
東京も地方に比べると家賃が高いですが、東京の場合それでも他人と住むことへの抵抗が強い社会であるが故に狭いけど安い一人部屋というのがありますが、ロンドンとかはそういう物件はなかなか見つかりません。
従って都市部に住む多くの人がシェアハウスの形で住んでいます。

そして社会保険料。
これは国にもよりますが、もし皆保険でない国に居住する場合は、この費用もきちんと折り込みましょう。
アメリカだとかなり高額になりやすいので、雇用主に払ってもらうよう交渉することも大事です。

それ以外の費用はインターネットで簡単に検索出来るサイトがあります。
"living cost 【都市名】" で調べてみると色々なサイトがあるので参考にすると良いでしょう。
以下Numbeoより幾つかの都市の生活費が参考できるページです。

London, UK
New York, USA
Singapore

国や時勢によって物価というものは違いますが、様々な国に住んできた私の感覚からすると、先進国では1ドル/ポンド/ユーロが100円といった感じで考えてもらってもいいかと思います。(あくまでもざっくりとですが。)
なので家賃を除いた自分の支出が月15万位であれば1,500ドル/ポンド/ユーロくらいかな~って感じです。

生活レベルは給与だけでは決まらないからこそ

これらを踏まえて言いたいのは、海外で仕事を得て給与を交渉する際には、必ずこれらの税額と社会保険を考慮すること
自分の手元にはいくら残るのか?可処分所得はどれくらいあるのかを把握しないと自分の望む生活レベルは手に入れられません。


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